何これ?と思うでしょ。
これは、図書館の予約していた本「花月草紙」である。
坐骨神経痛も治らないので、たぬ吉が図書館に行くついでに取って来たもらった。
帰って来るなり、「エライ本予約してたんやな。返すときは、カウンターに行ってきちんと返せよ。」
仰々しい紙切れが挟んである。そのくせ、少々くたびれたビニール袋に入っていた。
本が古い。
黄ばんでる。
現代語訳がついてない。
この本は明治三十七年発行、明治四十二年四版發行とある。
115年も前の本なんだ。
恐れ多くも畏くも・・・。何故にそんなに古い本がやってきたんだろう?
「図書館でこんな古い本借りたのは初めてやわ。ビニール袋に入ってるなんて。」
「これ、ビニ本やな。」
「ハハハ。」
そんなやり取りをしながら、「何でこんな本を借りたんや?」と言われた。
(写真を撮って、その写真に黄色のマーカーを引きました。決して本に線を引いたのではありません。)
そう、何故借りたか・・・。
ねこ吉が高校に入学して、最初?(2回目かもしれない。)の古文の授業。
古文のO先生は太い黒縁のメガネをかけていた。
教科書の一番最初に載っていたのは、松平定信が書いた随筆?
題名も何も覚えていない。
覚えているのは、「露のひるま」という一節と作者が松平定信ということだけ。
O先生が、「『露のひるま』の意味が判るか?」と言った。
クラスはシーンとしてだれも手を挙げない。
ねこ吉は、恐る恐る手を挙げた。(ねこ吉は普段は手を挙げる生徒ではなかった。)
「ひるまのひるは干すという字だと思います。乾く間もという意味だと思います。」と答えた。
先生に褒められた。嬉しかった。
遠い遠い昔の話だけど、この年になっても時々思い出すことがある。
無性に懐かしくなって、ねこ吉も「露のひるま」について調べてもう一度読んでみたいと思った。
ネット検索をするにも判っていることは、「露のひるま」と「松平定信」だけ。
どうやら、松平定信の随筆「花月草紙」らしいということが判った。
Amazonで岩波文庫で出ていることが判った。
図書館で検索。何故か岩波文庫が無い。
代わりに予約した「花月草紙」は、とんでもなく古い畏れ多い本が来てしまった。
とりあえず「露のひるま」の花月草紙の一節だということが判って良かった。
長年、気になっていたから・・・。
どうでもいいことかも知れないけど、気になることは解決しておく。終活の一環?
こうやって調べられるのは、スマホや、パソコンがあるおかげだね。