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(オリーブの花です。)
3月、リフォームをするために寝室にあったタンスを処分した。
タンス上部のガラス戸付きの戸棚には、娘が誕生した時から、2歳頃までのアルバムを入れていた。
誕生祝いにもらった豪華なアルバムで、ナカバヤシフエルアルバム。
台紙に写真を置き、上からシートを被せる。
当時、剥がすこともできる便利なアルバムと言われていた。
布張り、アップリケがしてあって重い重い豪華なアルバムが5冊。
出産祝いにもらった。
その後はファイル形式のものに変えた。
息子が生まれてからは、それぞれ各自のためにアルバムに分けて戸棚にしまっている。
タンスから出した5冊の大袈裟なアルバムを何とかしなければ・・・。
どう考えても、いくら自分のアルバムでも娘がこのまま引き取る訳がない。
あの子のことだから、捨てる可能性がある。
ファイル形式のアルバムを探して、アルバムから剥がして入れ替えることにした。
最近、スマホで撮って、印刷することも少なくなったようで簡単なファイル形式アルバムもあまり売っていなかった。
時代は変わってしまったんだね。
娘の部屋で、何の用事もない日に、新しいファイル形式のアルバムに入れかえる作業を始めた。
ずっとタンスに入れたままだったせいか、写真が剥がれない。
無理をすると写真が破れるので慎重に、慎重に剥がす。時間がかかる。
生まれたての我が子を見てるねこ吉は若い。当然だけど・・・。
何か小っ恥ずかしいコメントも書いている。
読み始めると作業が進まないので、出来るだけ読まない。
先日やっと終わった。古くて重いアルバムは、書いてあるコメントごと捨てた。まぁ、重かったわ。
色々思い出して、懐かしくも、切なかった。
その頃、ねこ吉は娘を着せ替え人形のように服を買ってやったり、作ってやったり。いつもニコニコ、何処に行くのも一緒。
まさに蝶よ、花よと育てていた。
3年半後に息子が生まれた。先天性心臓病だった。
子育てだけでも大変なのに、息子を東京の大病院に連れて検査、診察に娘も連れてねこ吉は右往左往した。
今から考えれば大してぐずりもせず、娘はねこ吉についてきた。
暮らしはごろッと変わってしまった。
たぬ吉が仕事に行ったら、親子3人暗い生活だった。
息子はよく発作を起こし、その度にねこ吉はオロオロして、娘のことなど抱きしめてやることもしなかった。
今まで優しかった母親が毎日怖い顔をして笑いもしない。
そのギャップにどんなに娘は戸惑った事だろう・・・。
甘えたい時期に全然甘えさせなかった。
娘は、幼稚園に入園して暫くして、
「お母さん、幼稚園の役員になって。」と言った。
「お母さんはとても忙しいから役員にはなれない。どうして役員になってほしいの?」と聞くと、
「お母さんが役員の子は、先生にたくさん抱っこしてもらってるから。」
ねこ吉は言葉もなかった。娘の洞察力は凄い。
また、「お母さんの目は、私を見ていない。」とも言った。
ねこ吉は、毎日の生活が辛かった。
息子は、体重を増やし、手術に耐えられる年齢になったら手術を受けることになっていた。
その日がいつ来るのやら判らず、悶々とした日を送っていた。
家族で出かける事は出来ず、たまにたぬ吉が娘をディズニーの映画に連れて行った。
息子は手術を受けて元気になったけど、何かと息子に手がかかったので、娘は母親の顔色を見てずっと我慢をしていたと思う。
さっさと自立してしまった。
そのせいか、娘は人に甘えるのが下手。
そんな風に育てたのはねこ吉です。
アルバムをめくっていると、色々昔のことを思い出して辛かった。
ずっと、娘に謝りたいと思っていた。
2年前の夏、娘のマンションに行ったときに、十分に甘えさせずに育てたことを謝った。
娘は、何も言わずに黙ってた。
「娘に謝る。」それはねこ吉の自己満足かもしれないけど・・・。
ねこ吉も、確実に「世に棲む日々」が減ってきた。
やり残した事、心残りなことを少しでも減らしておきたいと思っている今日この頃。
口ばっかりで、なかなか進んでないけどね。
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