ねこ吉のよしなしごと

どうでもいい事ばかり書いていますが・・・。すっかり備忘録になってます。

ねこ吉、夏休みの思い出

2008-08-16 12:25:54 | 思い出
「アンのゆりかご」という本を買ったことは、この間のブログに書いた。
巻頭に村岡花子翻訳で出版された57冊の本のカバーの写真が載っていた。
たくさん見覚えのある本が・・・。ああ懐かしい!

村岡花子さんが戦争中、防空壕の中に隠しながら、「赤毛のアン」を翻訳し、
戦後出版されるまでや、その他諸々のお話。

吉屋信子、林芙美子、宇野千代、市川房枝などとも知り合いだったんだって。
才能のある人たちは、何かに引き寄せられるようにお互い知り合いになるんだね。

アレだけ英語が堪能なのに、海外へはアメリカに一度しか行ったことがないんだって!
「赤毛のアン」の舞台、カナダのプリンスエドワード島には、行かないまま亡くなったって!

ねこ吉は、自分の本箱に並ぶ本の訳者が「村岡花子」と書いてあるものが多いという事に
気づいたのは、何時だっただろう?

「ごきげんよう。」「~してもよろしくって?」なんて言葉遣いがふんだんに出てきて、
訳注を見ても想像が出来ないような、服、食べ物が一杯出てきて、
ねこ吉はひたすら憧れていた。

ねこ吉の現実は、狭い狭い純日本家屋?で、ベッタベタの関西弁を喋りながら
平凡な和風オカズとご飯を食べて、「暑い、暑い。」と言いながら扇風機の前で
「あ~」と言いながらボイスチェンジャーまがいのことをしたり・・・。
夏休みの宿題は遅々として進まず・・・。
それでも、友達と本屋で見つけた本を夢中で読んでいるときは幸せだった。

当時マンガも夢中で読んでいた。
「週間マーガレット」に「こんにちは先生」という漫画を水野英子が描いていた。
友達もねこ吉も、毎週とても楽しみにしていた。
夏休み、買いたてのマーガレットをねこ吉の家で一緒に読んだ。

あの頃、下町の商店街では、冷やし飴や冷やしコーヒーをガラスのコップに入れて
飲ませてくれる店があった。一杯いくらだったのだろう?
商店街の中に住んでいるねこ吉は、やかんを持って買いに行った。
一杯分おまけをしてもらって、ナミナミの冷やしコーヒーの入ったやかんから、何杯もお代わりしながら、
友達と喋りながら読むマンガは最高だった!

話は「アンのゆりかご」に戻って・・・。

本の中に村岡花子が卒業した東洋英和女学校の校長先生の言った言葉に
「今から何十年後に、あなた方が学校生活を思い出して、あの時代が一番幸せだったと感じるなら、
私はこの学校の教育が失敗だったと言わなければなりません。
若い時代は準備のときであり、最上のものは過去にあるのではなく、将来にあります。
旅路の最後まで希望と理想を持ち続けて、進んで行く者でありますように」(抜粋)
ねこ吉はこの部分を読んだとき、胸にグサッときた。
ねこ吉は若い頃から「懐古趣味」。昔を懐かしむことが多い。
人生の折り返し地点はとっくに過ぎて、旅路の最後が脳裡にちらつくこともしばしばで、
やる事なす事後ろ向き・・・。

今年の夏は「こんにちはアン」を読んだことで、古い本を読み直し、古いことをたくさん思い出した。

思い切り懐かしんだら、立ち止まったり、後ずさり?しないで、とにかく一歩前へ。

何の一歩か判らないけど、とにかく一歩前に進んでみようと思う。

P.S

何とか一歩を踏み出そうとしたけれど・・・。
結局、縫いかけてほったらかしていたブラウスを仕上げただけ。
マァ、それも小さな一歩かもしれない。








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