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PCR検査とマスメディアへの痛烈なメッセージ

2020年04月20日 | その他
この有事に、何でもかんでも政府を批判し、間違った情報を拡散して謝らず、更に誤った情報を流して、国民を煽り、政府や医療従事者の足を引っ張っるマスコミに対して、私は怒りに震えています。
更に更に、それに乗せられ、PCR検査を求める人達に呆れ果てています。
(何故PCR検査と言う物を理解しないのか。それが自分だけでは無く周りの人の命も危険に晒していると、何故理解できないのか)

そんな時、私が生まれ育った神奈川県の『公益社団法人神奈川県医師会』が切実な、私にとっては痛快で、マスコミにとっては痛烈なメッセージを発信している事を知りました。
もうかなり話題になっていますが、TV等では取り上げないでしょうから、ここで一部引用と紹介をしておきます。


全て読みたい方はこちら→『公益社団法人神奈川県医師会』かながわコロナ通信



ごまかされないで、間違った情報に

最終更新日:2020年04月10日
この新しい未知のウイルスに、本当の専門家がいません。本当は誰もわからないのです。過去の類似のウイルスの経験のみですべてを語ろうとする危うさがあります。そして専門家でもないコメンテーターが、まるでエンターテインメントのように同じような主張を繰り返しているテレビ報道があります。視聴者の不安に寄り添うコメンテーターは、聞いていても視聴者の心情に心地よく響くものです。不安や苛立ちかが多い時こそ、慎重に考えてください。
実際の診療現場の実情に即した意見かどうかがとても重要です。正しい考えが、市民や県民に反映されないと不安だけが広まってしまいます。危機感だけあおり、感情的に的外れのお話を展開しているその時に、国籍を持たず、国境を持たないウイルスは密やかに感染を拡大しているのです。
第一線で活躍している医師は、現場対応に追われてテレビに出ている時間はありません。出演している医療関係者も長時間メディアに出てくる時間があれば、出来るだけ早く第一線の医療現場に戻ってきて、今現場で戦っている医療従事者と一緒に奮闘すべきだろうと思います。

PCR検査の現状と将来のこと

最終更新日:2020年04月20日
新型コロナウイルスのPCR検査の感度は高くて70%程度です。つまり、30%以上の人は感染しているのに「陰性」と判定され、「偽陰性」となります。検査をすり抜けた感染者が必ずいることを、決して忘れないでください。つまり、検査は、病原体の非存在証明にはならないのです。「安心」を目標とする検査は有害です。あくまでも、個々の患者のケアと日本の感染拡大防止に役に立たねばならないのです。感染拡大の防止のためには、ある程度幅広く検査をしなければ、現状は理解できないことは当然です。医療者ももう少し円滑に進めたいと願っています。しかしながら、一般の人の間で「検査を受けて安心したい」「陰性の証明書が欲しい」という声も多く聞きます。でも、現在行われているPCR検査の「陰性」を安心の判断材料にするのは、危険ではないかと心配です。
インフルエンザに比べて1/100~1/1000といわれるウイルスの少なさは、検査結果の判定を難しくしています。とくに早い段階でのPCR検査や治癒過程(10日以降)でのは、決して万能ではないことを理解してください。社会の不安を煽ることによって、何が起こりうるのでしょうか。感染症専門医が懸念する事態の一つに、人びとが医療機関に押し寄せると、PCR検査を待っている間に感染者が非感染者にウイルスをうつしてしまい、病院が大きな感染源になってしまうことがあるからです。
治ったと思っても再び陽性となる人もいます。それは前にも述べましたが陰性と判断しても、ウイルスの量が少ないため誤って陰性という判断をしてしまう危険性があるのです。複数回検査しても、陰性になってしまう偽陰性の患者さんが出てきてしまうのです。そして、体調によって症状が再び出現して再燃、つまり症状が出てしまう可能性があるのです。
感染が拡大するにつれて、検査をどこで、誰が実施すればよいのでしょうか。ニューヨーク州にように軽症感染者が救急外来へ押し寄せれば、本来の病院機能が損なわれ、医療崩壊を招きかねません。そこで神奈川県当局と協働して、地域外来・検査センターや集団検査場を複数設置し、より多くの対象者に対して効率よく検査をして、陽性患者さんを早く治療現場へ誘導することが大切です。
そして、検査を実施している衛生研究所のみならず、民間業者の力も借りれば、実施数を増やすことができます。神奈川県医師会は、多方面に働きかけ、県民の不安や不満の解消に少しでもお役に立てるよう活動しています。
さらにドライブスルー方式の検査があります。諸外国と同様に、速やかにドライブスルー方式の検査をすればよいという人がいます。韓国でも実際にドライブスルー方式のPCR検査をしたのは大邱でのメガクラスター関連で周辺地域のみに限定して行っていました。今では全体に落ち着いてきたので、重症者中心の検査で保健所に連絡して予約制にして、精度管理して確実な方法をとっています。それは当初手技が誤ると混乱することが分かったからです。普通であれば、原則手技の途中でしっかりと手袋を交換し、次の検査の人に二次感染の危険性が及ばないようにします。しかし、くしゃみや咳をした患者さんの検査をしたときは、すべてのマスク・ゴーグル・PPE(防護服・予防衣)などを、検査した本人も慎重に外側を触れないように脱いで、破棄処分をするようにしています。マスク・PPE(防護服・予防衣)など必須装備が絶対的に不足する中、慎重にしていかなければなりません。
国内でも鳥取県では現在県内の1ヶ所でまだ常設ではありません。発熱相談センターで受付し、必要と認めた場合に院内で診察するか、ドライブスルー方式でPCR検査を検査するかを選択しています。その時の医療スタッフの通常装備と同様で、マスク・フェイスシールド・手袋・PPE(防護服・予防衣・サージカルキャップ)で検査ごとに交換しています。また、新潟県では県内1か所で週2回の午前中で、希望者のすべてに対応するものではなく、保健所が必要と認めた場合に個別に通知し、指定の時間に行っています。医療スタッフは、マスク・フェイスシールド・手袋・PPE(防護服・予防衣・サージカルキャップ)という通常装備で、検査ごとに手袋を交換しています。そのことにより1日に10名程度の採取が20名程度に増やすことが可能となりました。沖縄県でも同様に、県内の病院1ヶ所で前述の他県と同様な形式で行っています。
各地で行われるようになってきたドライブスルー方式のPCR検査は、諸外国のように来た人を全員検査するわけではなく、陽性の患者さんを早く治療体制の中に導くために、事前の問診の上に必要な人が判定されて、検査が行われます。
さらに、ウォークイン方式の検査を一部の病院で始めています(従来のやり方でない神奈川独自の方法を模索しています)。検査スタッフは、PPE(防護衣)を装着しなくてもよいのです。シールドボックス(電話ボックスに似た形をとるのもあります)を作り、壁を隔て、マスクをして、手袋をして、検体を採取します。この方法であれば、シールドボックスの患者さん側のみアルコール消毒を確実に行えば、次の患者さんに二次感染の危険性が及ばないようになり、検査を行う医療者も手袋のみを破棄交換すればよいことになります。この方法であれば現在よりは速やかに検査が進みます。
神奈川県では、その地域の医療資源を有効に生かすことができるよう、また少しでも患者さんの利用がしやすいように、地域外来・検査センター(市・町・医師会運営)で診療を行い、別途何らかのPCR集団検査場の設置を各地域に設置を進めております。

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