サイトウ歯科 院長ブログ

西宮市門戸厄神駅前「サイトウ歯科」の院長が歯科に関する記事を綴っています www.saitodental.jp

インプラントの価格

2021-12-18 08:54:03 | インプラント治療

先日のインプラント学会のトピックの続きです

学会で倫理セミナーを視聴しました

現在での歯科用インプラントとそれにまつわる歯科用材料についての薬事規制と適正使用についてのお話でした

要するに皆さんのお口に使っているインプラントの安全性のお話です

ときどき患者さんから「先生、インプラントがすごく安いクリニックをネットで見かけるのですがあれはどうなんでしょう?」と聞かれます

実は日本の薬事規制をクリアした製品を使用した場合、そんなに安い価格でインプラント治療を行うと赤字になってしまいます

そこで海外製品や海外の学会で直接安く買い付けたインプラントを使用し、安く提供している先生もいるそうです

これだけ聞くと患者さんにインプラント治療を安く提供するために努力しているいい先生に聞こえます

ところが今回のセミナーで日本の薬事規制について詳しく話を聞いていると色々問題点が見えてきました

日本の薬事規制をクリアすしている製品の場合、安全性はもちろんのこと、もし何かあった時にメーカーや国の保証を受けることができます

ところが薬事規制を受けていない、使用目的が違う、個人輸入したなどのインプラントは保証がないということいなってしまいます

同じメーカーの同じ商品でも個人輸入の場合は保証がありません

インプラントは入れてから長く使用するのでトラブルがでたときにアフターケアが受けれる状態にしておくことが大切とのことでした

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骨の少ない人は小さいインプラント!

2020-12-02 16:52:22 | インプラント治療

当院では4、5種類のインプラントを使ってきましたが

数年前よりバイコンという会社のショートインプラントと呼ばれる短いインプラントを使用しています

日本では有名な教授とか先生が使っていないせいかシェアーはあまりありませんが

アメリカでは30年以上前から結構多くの先生に使われており知らないひとはいないぐらい有名なインプラントです

僕の知る限り日本で認可の取れているインプラントのなかで最小サイズだと思われます

昔はインプラントは長くないと噛む力に耐えれないからダメといわれていたのが

最近は短くても大丈夫とエビデンスが変わったのはこのインプラントの実績のせいです

実際、写真のように半分の短さでありながら骨と接触する面積が変わらないため

通常のインプラントでは骨が足りず、骨を作らなければ埋入不可能な場合でも使用できます

実際、当院でも昔は骨が足りずに骨を作ってからインプラントをしていたようなケースでも

このインプラントでそのまま埋入できるので骨を作る手術と併用したインプラント手術に比べて

手術が簡単で、費用面でも患者さんの手術の負担も軽くなり色々と利点が多いインプラントです

また、国産で直径3mmという細いインプラントも好成績をあげておりこれも同じように骨の少ない患者さんにはかなり有用です

色々と便利なものが出てきて患者さんにとってはいい時代になったと思います

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入れ歯すると顎の骨が失われる!

2020-12-01 16:33:42 | インプラント治療

インプラントと違って歯のないところに健康保険で安価に歯を入れることができる入れ歯ですが、実は長期間入れ歯を使用すると顎の骨が徐々に失われていきます

古い論文ですがR. LyndsayCampbellD.D.S.* が書いた論文 「義歯装着者と非義歯装着者の歯槽堤の吸収に関する比較研究」
A comparative study of the resorption of the alveolar ridges in denture-wearers and non-denture-wearers

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0002817760020011

は有名で義歯をすることによって歯槽骨(顎の骨)が吸収することは昔から知られていました

アメリカでは学生に普通に教えていることですが僕が学生の頃は日本では教えてもらったことはありませんでした

むしろ「インプラントをするような歯医者にはなるな!」と義歯の教授から強く言われていました(笑)

実際、義歯を歯医者で作ってしばらくすると合わなくなってまた樹脂で裏打ちが必要なのはこれが原因です

最終的に顎の骨の大部分が失われると入れ歯も安定を失ってしまいます

インプラントのリスクはよく聞きますが、入れ歯にもリスクがあるので、それを踏まえた上で

失ってしまった歯の治療方針を考えていくことが大切です




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「かめる幸せ」をとり戻す

2020-11-14 15:16:30 | インプラント治療

日本口腔インプラント学会が朝日新聞出版より初の公式本が出版されました

この本、学会の公式本です

よく「インプラント無料冊子さしあげます」「インプラント無料公開講座」とかネットで見かけますがあれはただの歯医者の宣伝広告です

厚生労働省認可の公益社団法人である日本口腔インプラント学会で日本中の歯学部のインプラント講座の教授らが監修した

一般の人向けのインプラントについて分かりやすく書かれた本です

歯を失って治療方法で悩んでいる患者さんや安心してインプラント治療を受けたい方、インプラントの色々な情報に振り回されて困っている方!

現在、インプラント治療について最も信頼のおける情報がこの本になります

それがたったの770円でamazonでも買えます

世の中の無料の情報はほぼ宣伝広告ですから

あんしんしてインプラント治療を受けたい方はぜひこの本の購入をお勧めします












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国内初の「インプラント適用」が認められた骨補填材「サイトランスグラニュール」

2019-12-18 11:14:04 | インプラント治療

今年の個人的ニュースの一つにインプラント治療の際に骨が足りない場合に骨を再生させるための人工骨を使用するのですが、やっと厚生省認可がおりて発売されました

今までは医科で使用されているものや、歯周病治療に使用されている人工骨を適応外適応という形でインプラント治療に使用していたのですが、

ようやく国内初の「インプラント適用」が認められた骨補填材「サイトランスグラニュール」が入手できました

主成分は「炭酸アパタイト」で骨と同じ成分のため患者さん自身の骨へ効率的に置換されるとのことです

従来の骨だと吸収されずに残ってしまうことが多いのですが最終的に患者さんの骨に変わるというのは理想的です

また、牛などの他の動物から製造されたものは異種タンパク質に対する炎症があるのですが、これは人工的に作られたカルシウムなので炎症が少ない気がします

なかなかインプラント関係の材料は日本だと認可がおりず海外と比べて遅れ気味でしたがこれからこういった製品がどんどん出てくることを期待しています

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進化し続ける歯科治療(2019アメリカインプラント学会7)

2019-11-07 17:01:56 | インプラント治療

学会参加の楽しみに業者展示があります

歯のテクノロジーの発展スピードはとても早く、今までできなかったことができるようになるとそれによって治療理論自体が覆ることも少なくありません

インプラント治療はその最たる物です

インプラントが万能なわけではありませんが古い治療よりも優れているので自然淘汰されずに生き残ったと考えられます

そのインプラント治療がIT技術との組み合わされてより進化してきています

この展示会でもスキャナーで患者さんの口腔内や顔貌のデータをデジタルに変換し、CADCAMシステムや3Dプリンターで被せ物を作る技術や、手術を3Dで補助する装置など多くの新技術が展示されており
インプラント治療の最先端技術を目の当たりにでき楽しい時間を過ごせます

最近、歯科治療をデジタル化することが流行ですが歴史的に見ると新技術がいつも最前とは限らず自然淘汰されて消えていった技術も少なくありません

流行だけで新技術に飛びつくのではなく、この中で本当に患者さんの役立つ生き残る技術を見分けて自分の診療に取り入れることが大切ですね









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インプラント治療と矯正治療の併用(2019アメリカインプラント学会6)

2019-11-06 14:49:11 | インプラント治療

次の朝、学会会場で受付を済ませ、ネームプレートを受け取り、それを首から下げて会場内を聴講して回ります

学会のアプリがあるので講演者や興味のある講演を見つけて会場を移動します 

プログラムを持って歩かなくて良いですし、講演者の略歴や講演内容も検索できて便利です

今回はインプラント治療と矯正治療の併用についての講演があったのでそれをまず聞きにいきます

というのはアメリカで講演を聞いていていつも思うのですがどの症例も高度な技術を駆使して最終的に理想的な状態で治療を終えています

しかし、どの症例も患者さんは若い頃に歯列矯正を終えているため歯並びや噛み合わせが悪い患者さんをほとんど見かけません

当院でもインプラント治療 を希望される患者さんを診察すると歯並びや噛み合わせが原因で歯を失ってこられているので、まずその治療が必要になることが少なくありません

そのままインプラント治療を行っても負担が集中すると今度はインプラントが壊れてしまいます

歯周病の重症な患者さんや被せ物や入れ歯の必要な患者さんもおなじで、まず全体的な歯並びと噛み合わせを治療する必要のある方がとても多いのが現状です

なのでこういったインプラント治療と矯正治療を併用した症例報告はとても貴重なのです

色々と学ぶこともあり有意義な時間を過ごせました





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高齢者でもインプラント治療は可能?

2019-10-29 19:15:35 | インプラント治療

今回の日本口腔インプラント学会の専門医臨床技術講習会でのテーマは高齢者に対するインプラント治療についてです

現在日本は高齢化社会から朝高齢化社会に移行しつつありインプラント治療を必要とされる患者さんの年齢が上がってきています

それに対してどういった姿勢でインプラント治療を行うべきかについて何人かの先生によって講演がありました

実際、患者さんにも「年齢が進んでからインプラント治療を受けるのが怖い、インプラント治療を受けても大丈夫?」という質問を時々受けます

まず、結論からいうと年齢が進んだのでインプラント治療が危険なのではなく、年齢が若くてもなにか疾患があったらインプラント治療を含む外科処置が全て危険ですので

年齢ではなく健康状態の方がインプラント治療において確認すべき優先事項ということです

逆に全身的に健康であればインプラント治療を受けてしっかり噛めるほうがフレイル、オーラルフレイルと呼ばれる筋肉や骨の衰えを防ぐことができるというデータがあるそうです

インプラント治療に限らず、お口の健康を若い頃からしっかり維持することが年齢を重ねた時に違ってくるということは間違いなさそうです


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危機管理は大切!

2019-10-06 14:49:59 | インプラント治療

今週は名古屋の愛知インプラントインスティチュートにて愛知学院大学歯学部解剖学講座教授 の池田やよい先生 に「インプラント治療に必要な解剖学」講義をしていただきました

インプランント治療を行う際、神経、血管の走行をしっかり熟知する必要があり、それら解剖学の知識がインプラント治療を安全に行うために必要になります。

また、出血や感染などが生じたときの対処方法も組織の構造を把握していないと診断も処置もできません

どんな医療も絶対安全とは言えませんし、想定外のことも起きる可能性があります

それでも安全にインプラント治療を行うには知識と技術は必要だけでなく危機管理能力が必要だと再認識させられました

ちなみに写真はバードストライクと呼ばれる新幹線に対する鳥衝突の痕です

鳥には申し訳ないのですが、4、5匹の鳥が衝突しても問題なく走行できる新幹線の性能とそれを想定して設計されている危機管理能力に驚かされます




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新型インプランター導入!

2019-07-23 20:23:01 | インプラント治療

インプランターとはインプラントを埋入するときに使う専用のユニットです。

インンプラントを骨に収める窩を形成する道具で普通の歯を削る道具と違って低速で回転し、処置中も生理食塩水を注水し骨の火傷などが起きない様にするがの最大の特徴です。

以前から使っていたインプランターもまだ動いているのですがさすがに20年使うと故障が怖いのでそちらは予備にして新型を購入しました。

回転数や注水量をプログラムが色々できるので術中の回転数の変更が素早くできます。

モーターの回転も安定感があり、トルクも上がっているので色々と快適に手術ができます。

20年も経つと色々進化していますね。

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