映画『硫黄島からの手紙』を梅田のシネコンで観た。多分いちばん大きなスクリーンだったから、昔で言う「北野劇場」で上映されていた。Clint Eastwood監督は凄い。何で日本人がこの映画を作らなくて、アメリカ人にできてしまうのだろう。ハリウッドの映画に出てくる「日本人」はどこか、「違和感」があったが、この映画ではほとんど無かった。渡辺謙は素晴らしいし、二宮和也も自然な芝居をしている。一つ難を言えば、アメリカ側から描いた『父親たちの星条旗』に比べて、戦闘シーンが長い事。もう少し短くしてもよかったのではないか。それと、二宮和也とその妻の関係性の描き方がもう少し深くてもよかったのではないかと思った。あざといが、「妊娠が分かって喜んでいる夫婦」のところに「召集令状」が届くとか・・・二人のなり染めを描くとか。中村獅童が渡辺謙と敵対する人物というのは分かったがその後の二人のぶつかり合いがもうちょっと見てみたかった。
多分、戦闘シーンが長いのは、監督が「戦争とは本当に虚しいものだ。個々人については、日本人もアメリカ人も家族や友達を背負って闘っている。戦場は、普通の人を狂わせ、悪魔にする」などと云う事をさりげなく訴えかけたかったのだろう。
脚本家・ポール・ハギス(『硫黄島からの手紙』では「原案」)のかかわった、この二部作と『007/カジノ・ロワイヤル』は三本とも素晴らしい映画だった。
2006年、久しぶりに「邦画」の興行成績が「洋画」のそれを抜いた。『フラガール』始め、邦画にも良い作品が多い一年だったと思う。日本アカデミー賞の会員になって、初めて「年会費」を回収できた。やっぱり、映画は映画館で観るものだと痛感している。
出版社/著者からの内容紹介
2006年大宅壮一ノンフィクション賞を圧倒的評価で受賞!!
文章の品格、構成の的確さ、抑制のきいた表現。
各紙誌絶賛の傑作。
硫黄島で米軍を最も怖れさせた指揮官は、家族に手紙を送り続けた父でもあった。
絶海の孤島・硫黄島で、総指揮官は何を思い、いかに戦ったのか……。妻子を気遣う41通の手紙。死にゆく将兵を「散るぞ悲しき」とうたった帝国軍人らしからぬ辞世。
玉砕という美学を拒み、最期まで部下と行動を共にした指揮官のぎりぎりの胸中に迫る。いま、日本人を考えるための必読書。
内容(「BOOK」データベースより)
娘よ!妻よ!絶海の孤島からの手紙が胸を打つ―水涸れ弾尽きる凄惨な戦場と化した、本土防衛の最前線・硫黄島。その知略で米軍を最も怖れさせた陸軍中将栗林忠道は、粗末なテントに起居しながら、留守宅の幼い末娘を夢に見、お勝手の隙間風や空襲の心配をする愛情こまやかな父でもあった―。死よりも、苦しい生を生きた烈々たる記録。感涙のノンフィクション。
多分、戦闘シーンが長いのは、監督が「戦争とは本当に虚しいものだ。個々人については、日本人もアメリカ人も家族や友達を背負って闘っている。戦場は、普通の人を狂わせ、悪魔にする」などと云う事をさりげなく訴えかけたかったのだろう。
脚本家・ポール・ハギス(『硫黄島からの手紙』では「原案」)のかかわった、この二部作と『007/カジノ・ロワイヤル』は三本とも素晴らしい映画だった。
2006年、久しぶりに「邦画」の興行成績が「洋画」のそれを抜いた。『フラガール』始め、邦画にも良い作品が多い一年だったと思う。日本アカデミー賞の会員になって、初めて「年会費」を回収できた。やっぱり、映画は映画館で観るものだと痛感している。
散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道新潮社このアイテムの詳細を見る |
出版社/著者からの内容紹介
2006年大宅壮一ノンフィクション賞を圧倒的評価で受賞!!
文章の品格、構成の的確さ、抑制のきいた表現。
各紙誌絶賛の傑作。
硫黄島で米軍を最も怖れさせた指揮官は、家族に手紙を送り続けた父でもあった。
絶海の孤島・硫黄島で、総指揮官は何を思い、いかに戦ったのか……。妻子を気遣う41通の手紙。死にゆく将兵を「散るぞ悲しき」とうたった帝国軍人らしからぬ辞世。
玉砕という美学を拒み、最期まで部下と行動を共にした指揮官のぎりぎりの胸中に迫る。いま、日本人を考えるための必読書。
内容(「BOOK」データベースより)
娘よ!妻よ!絶海の孤島からの手紙が胸を打つ―水涸れ弾尽きる凄惨な戦場と化した、本土防衛の最前線・硫黄島。その知略で米軍を最も怖れさせた陸軍中将栗林忠道は、粗末なテントに起居しながら、留守宅の幼い末娘を夢に見、お勝手の隙間風や空襲の心配をする愛情こまやかな父でもあった―。死よりも、苦しい生を生きた烈々たる記録。感涙のノンフィクション。