旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

レッドアローと時の鐘と鏡山秋あがりと 西武・新宿線を完乗!

2015-10-10 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

西武新宿駅からレッドアロー “小江戸号” に乗車する。
特急とは云え多くの電車が走る新宿線だから、決して快適に飛ばしていく訳ではない。
それでもリクライニングを倒し、缶ビールのリングを引くと遠くへ旅に出た気分になる。

先週に続いて西武線で呑み鉄散歩。西武新宿線に乗って「小江戸」川越を訪ねた。
蔵造りの町並みは来週に迫った “川越まつり” を前に、そわそわした雰囲気が漂う。

実は10代最後の年にこの沿線に住んでいたので、車窓を流れる景色がなんとも懐かしい。
環八の踏切が無くなったのと、田無の商業ビルを除くと、あまり変わってない気がする。
すれ違う電車の何本かは黄色の4つ扉、当時は最新車両だった。本川越までは45分の旅。

本川越についたらエスカレーターを上って2階の改札を抜けるといい。
吹き抜けに面した観光案内所で散策マップをGET。これがなかなか重宝するのだ。

蔵造りの町並みへは本川越駅前の中央通りを北へ真っ直ぐ一本道。ほどなく左手に
呑龍さまの蓮馨寺、1594年創建の浄土宗の寺では毎月8日には縁日が開かれている。

仲町交差点辺りから、左右に蔵造りの家々が並んでいる。
明治時代半ばの町並みは、行き交う車がなければタイムスリップしたかのようだ。

町並みのメインに亀屋栄泉さん。江戸時代には栗よりうまいと言われた川越名産の
さつまいもを原料に、甘藷煎餅、甘藷納豆、芋羊羹などの芋菓子を世に出している。

川越のランドマークは「時の鐘」、寛永年間に藩主・酒井忠勝によって建てられた。
現在の鐘楼は明治の大火の後、再建されたものだそうだ。

 小江戸蔵里は明治時代に創業した旧鏡山酒造の酒造蔵を利用した3つの蔵からなる。
なぜ「旧」かと言うと明治時代に創業した鏡山酒造は2000年に廃業してしまった。
現在の小江戸鏡山酒造は2007年、地元の若者が川越唯一の酒蔵を復活させたものだ。

この「鏡山」は、まかない処(大正蔵)のレストラン八州亭で楽しむことができる。
壁面のセラーに実に美味しそうに冷えている秋限定の “純米原酒秋あがり” をいただく。
紅芋御膳は名産のさつまいもがテーマで、薩摩芋豚包揚げ、薩摩芋白和えが膳にのる。
まずは白和えを肴に純米酒を愉しんで、ちょっと贅沢な休日のひとりランチなのだ。

西武新宿線 西武新宿~本川越 47.5km 完乗

いつか街で会ったなら / 中村雅俊 1975



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