旧東海道を旅人が往来した時代、品川宿辺りの街道は波打ち際で遠浅の海が広がっていたと云う。
そんな時代の品川の名物である「海苔」と「アサリ」を天玉の上にちらした名物メニューは "品川宿そば"。
まずは熱々ピリ辛のつけ汁で味わって、後半は溶き玉子でまろやかな味を楽しむのがご作法なのだ。
奥の小上がりには「品川宿を駆け抜けた維新の人々」って大きなパネルが壁一面を覆っている。
旅人の見送りや出迎えの人々で賑わった品川宿は、桜や紅葉の名所を抱えた江戸の遊興地でもある。
幕末には維新の志士が集まり、密議をこらしたり遊女と遊んだり、歴史ドラマや映画で見る光景だ。
禿(かむろ)とは、遊郭に住み込み太夫や花魁の身の回りの世話をした童女のこと。色町のしきたりを学んだ。
水菜と人参のかき揚げを禿の簪に見立てた "かむろそば"、焼き海苔の上にアサリとゴボウ揚げがのる。
白醤油のかえしを使った出し汁が美味しい、でも出し汁がかかって、かき揚げが簪(かんざし)に見えないな。
野菜がたっぷりでヘルシーな "おいらんそば" は、柚子の香りがきいた冷たい汁をかけていただく。
これからの季節にぴったりのあっさりした蕎麦だ。なんとも香りと風味がいい。
柚子こしょうを溶きすぎてピリりと辛い、花魁に入れ込みすぎると痛い目に遭うと云うことか。
とても楽しい趣向の品川宿の変わり蕎麦、八ツ山橋から北品川商店街(品川宿)に入って中ほど、
日本橋から東海道を歩く人には初日のお昼にちょうど良い距離、そして話題になるメニューだと思う。
サニーサイド・コネクション / 三原順子 1981
旧街道の宿場だった町並みは歩いて楽しいですね。
旧軽井沢銀座もそうですよね。
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