空にのびる絶景ロード "ビーナスライン" を往く。
旅の終わりは標高2,000mの雲上の高原台地「美ヶ原高原」だ。
霧の立つ日はその鐘が道しるべとなる「美しの塔」は美ヶ原のシンボルになっている。
周辺にはノアザミとハクサンフウロの薄紫が彩りを添えている。
美ヶ原からは、西には穂高連峰、北は妙高山に浅間山、東は八ヶ岳に富士山、
南に中央アルプス...と360度の大絶景が見渡せるはずなのだが、
まさに霧の立つ今日はのんびりと草を食む牧牛しか見えない。
日本書紀に記される束間の湯(つかまのゆ)=筑摩の湯。
浅間温泉か美ヶ原温泉か両説あるのだが、今回は松本市里山辺、美ヶ原温泉に投宿する。
ちなみにこの旅館の大浴場の名称は「束間の湯」である。
広い庭園の中の露天風呂、深緑を眺めながら浸かる、至福のひとときだ。
オープンキッチンの食事処 "旬菜ダイニング信州"、乾杯はDRAFT BEER 穂高地ビール。
前菜は、鱧じゅんさい、もろこし豆腐、五平餅など彩豊かに並ぶ。活魚は信州サーモンだ。
安曇野産の岩魚塩焼きにかぶりつく。
ふくらみのある香りの "純米吟醸生酒 鏡花水月" は、ここ里山辺の酒だ。
つづく焼物は信州和牛ステーキ、揚物は高原野菜天婦羅、
冷静茶碗蒸しは信州らしく鰻と山芋で作っている。いずれも純米吟醸が良く合う。
ほろ酔いでティーラウンジのJAZZ生演奏会。
スパークリングワインを片手にJAZZに身をゆだねる快感。
松本の街灯りを見下ろして里山辺の夜は更けてゆく。
あずさ2号 / 狩人 1977