「坂本宿」へやって来た。正面に中山道が登っていく碓氷峠の難所・刎石山が見える。
ちょうど10年前、小学生の息子と3日かけて歩いた上州・坂本宿から信州・塩名田宿まで秋の中山道を駆ける。
今日の相棒は「火の玉カラー」のZ900rs、そういえば初夏の軽井沢へも一緒にやって来たな。
坂本宿の手前には碓氷関所跡がある。江戸幕府によって設置された碓氷関所は関東出入国の関門として、
箱根関所とともに、幕府が「入鉄砲と出女」を厳しく監視したところである。
火の玉カラーは足でしか越えられない中山道旧道を離れ、国道18号線で碓氷峠を登る。
180余のカーブが連続する道は、概ね信越本線廃線跡に寄り添うように進むので、明治の鉄道遺構を目にする。
めがね橋と称される碓氷第三橋梁が、秋空を背景にレンガ造りの美しいアーチを見せている。
軽井沢まで駆け上ったら中山道旧道の碓氷峠に先回りする。色づき始めた木々の遥かに高崎の街を望む。
日本書紀では坂東平定から帰還する日本武尊が妻の弟橘媛を偲び『吾妻(あづま)はや』と詠じたとある。
碓氷峠の山頂すなわち上信国境には「熊野皇大神社」が鎮座している。本来一つの神社であるのだけれど、
長野県側に「熊野皇大神社」、群馬県側に「熊野神社」と二つの別々の神社が並んだ形になっている。
神社と同様に上信国境を跨いでいるのが「元祖力餅しげのや」だ。
名物力餅はひと皿500円、あんこ、きなこ、ごま、くるみ、大根おろしの5種類から択べる。
信州に来たからには “くるみ” がお奨め、でもボクには目が醒めるような “大根おろし” の辛味が美味しい。
「軽井沢宿」はまだまだ賑やかな旧軽井沢銀座あたり、Z900rsはセカンドギアでそろりそろり人混みを進む。
「沓掛宿(中軽井沢)」に差し掛かるころに浅間山にかかっていた雲が流れた。
林が切れた場所を見つけて単車を停める。裾野を広げたその雄大な姿にはいつもながら惚れ惚れする。
国道18号線と離れて静かな「追分宿」にはギャラリーや堀辰雄文学記念館、それに美味い蕎麦処がある。
紺に染め抜いた暖簾をくぐった店内は、昼のピークを過ぎて静かな空間になっている。
そばとミニ天丼、それに “クルミだれ” を注文する。コシのある二八に甘いクルミだれを絡ませて美味しい。
海老天の脇を固めるのは地産のサツマイモとタマネギ、この天ぷらがまた甘くて旨い。
口が甘ったるくなったら、ちょい辛のつゆに山葵を溶いてズズっと啜る。いいね、信州を感じる。
追分で国道18号と分かれた中山道は県道となって佐久平に向かって長い長い下り坂をゆく。
時の流れに取り残されたような「小田井宿」は、道の両側に用水を流して静かに佇んでいた。
岩村田の町で西に転じると、右に夕日を浴びた浅間山、左にシルエットとなった蓼科山の眺望が素晴らしい。
旅の終わりの「塩名田宿」で千曲川の流れにぶつかる。今にも秋の陽が赤い橋の向こうに沈んでいく。
今度はいつ走れるだろうか。っとZ900rsは踵を返して満月へと向かう月夜の上信越道を坂東へと帰るのだ。
<40年前に街で流れたJ-POP>
風立ちぬ / 大瀧詠一 1981
今年は 初詣と御朱印帳
https://blog.goo.ne.jp/tsakaegoo/d/20210111
この日はこの秋一番の冷え込み、
帰りの高速は凍えました。
コメントありがとうございます。
御朱印も上州信州並んで興味深いです。
初日の出がキレイに見れそうなところですね。
コメントありがとうございます。
単車で一人好きな旅ができるって
いいですねぇ~
名物力餅のくるみが美味しそうですね!
信州はワサビも蕎麦も美味しいでしょう。
ステキな旅のお記事をありがとうございます。
素敵な写真をお撮りになりますね。
なかなか簡単に切り取れる風景ではないですね。
「内子の秋」のアルバムが特に好きですね。
コメントありがとうございます。
いつも楽しみにしています。
私も、土日で坂本宿から軽井沢宿場町まで
歩きました。
碓氷峠!
キツかったです。
バイクで、街道を走るのも楽しそうですね!
いつも、美味しそうな食事やお酒で
羨ましいです
日に日に寒くなりますね。
年内はどこまでお歩きの予定ですか?
勝手知った上州も軽井沢も歩くとまた新鮮でしょうね。
お身体ご自愛いただき、三条大橋を目指してください。
コメントありがとうございます。