旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

濃尾平野を縁どって 愛知環状鉄道を完乗!

2020-09-26 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 国鉄時代は岡多線と称した路線が、第三セクターの愛知環状鉄道として走っている。
東海道本線の岡崎を起点とした通称愛環線は、トヨタ本社とその工場群がひしめく三河豊田を経て、
中央本線の高蔵寺(なぜか多治見ではない)まで抜ける。環状線としては不完全なままなのだ。

整備された岡崎駅東口ロータリーに出ると、床几に腰かけた若き日の松平元康像に出会える。
家康の生地・岡崎城を訪ねるには、2つめの中岡崎駅で下車すると良い。

愛環線はほぼ高架線で踏切(岡崎駅付近に1ヶ所)もなく、複線化可能なハイスペックな路線だ。
それゆえシルバーにグリーンをひいた2両編成は、揺れも小さく軽快に疾走して行く。

 沿線の中心駅新豊田に途中下車してみた。炎天下、駅から東に20分ほど歩くと汗が吹き出してきた。
っと矢作川の向こうに4万5千人の大観衆を吞み込むTOYOTA STADIUMが見えてくる。

今宵の名古屋グランパスは、このスタジアムで鹿島アントラーズを迎え撃つ。
スタジアム周辺にはバーバリアンレッドに身を包んだサポーターが集まり始めているね。

 さらに2つ先の四郷駅でも途中下車、すでに辺りは田園風景になっている。
ここには豊田の地酒 "菊石" の蔵元がある。ちいさな蔵には是非とも寄りたい。

橙色の暖簾がおしゃれな白壁の蔵、奥にレンガの煙突がのぞく。いい雰囲気だ。
先週の国盛に続き、やはり現下の情勢で試飲はやっていない。残念。
それでも秋の到来を告げる "菊石ひやおろし" を求めて満足、ゆるりと家呑みで味わおう。 

 ふたたびシルバーの2両編成、こんどはブルーのラインできりりと男前だ。
先ほど車中酒に仕込んだ生貯蔵酒のスクリューキャップを捻る。幸い高校生は居ない。
小さな枡になみなみ注いで、檜の香りとともにくいっと飲み干す。これぞ吞み鉄の旅。

 瀬戸を過ぎて幾つかのトンネルを潜ると、右手に中央本線が寄って来た。
濃尾平野の縁を駆けて来たブルーのラインの2両編成は高蔵寺駅の1番線で旅を終える。
ホームの反対側に停車していた名古屋行きが、乗客の半分を攫って行った。

駅前の「おっ魚っ魚(おっとっと)」は地元の魚屋さんが経営している。刺身と天ぷらには期待できると評判だ。
呑み人としては、なにより15:00から飲めるのが嬉しい。

っで先ずは生ビールで人心地、アテは "ほたるいか沖漬" と "まぐろ中落ち"、実はこれには目がない。美味いね。 

天ぷらは、エビ、イカ、キス、アナゴを揚げてもらう。ふわふわのアナゴが美味い。
おとなり岐阜は下呂の酒 "奥飛騨辛口純米" を択ぶ。スッキリとキレのある軽快な飲み口が良い。

 ちょい飲みを終えたら、大曽根までゆとりーとラインに乗る。ガイドウェイバス志段味線という路線で、
ガイドレールを備えた専用軌道を走るので軌道法に基づく鉄道だ。故に吞み鉄ゲームでも潰さないといけない。

小幡緑地からは停留所は駅となり、バスは高架の専用軌道を走る。
いずれはレースを敷くのだろうか、30分毎のバス輸送だけでは設備過剰に思える。

ガイドウェイバスはナゴヤドームを擦り抜け、時刻通りに大曽根駅に到着する。
渋滞知らず、バス車両を使用した鉄道に乗って、ちょっと不思議な今回の吞み鉄旅。
足かけ3年、中京地区の路線は一通り潰して、名古屋は暫く縁遠くなるだろうか。

愛知環状鉄道 岡崎~高蔵寺 45.3km
ガイドウェイバス志段味線 小幡緑地~大曽根    6.5km 完乗 

愛はかげろう / 雅夢 1980
     



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