日本最北端の地に立つ。海の向こうは樺太だ。
空は深みのある明るいコバルトブルー、宗谷はもう秋の装いだ。
旭川ラーメンを堪能し、蔵元で車中酒を求めて、ふたたび旭川駅。
予報に反して青空が広がった午後、宗谷本線で稚内をめざす。
12:31、名寄行きの快速列車でさらに北へ向かう。列車はまたしても単行気動車なのだ。
緩慢なスタートの旧型気動車に横目に、1番線から同刻発車の富良野線が先行していく。
乗車して早速、"吟醸生貯蔵酒 國士無双" のスクリューキャップを切る。
味噌ラーメンを啜って喉が渇いているので、冷えた生酒の喉越しが嬉しい。
あてはやはり蔵元で求めてきた酒饅頭、日本酒と餡子って意外と合うのだ。
午前中、美深から音威子府にかけての大雨で大幅にダイヤが乱れているようだ。
名寄駅では若い駅員氏が、下り稚内行きが30分以上発車が遅れると繰り返し叫んでいる。
14:52発の稚内行きは、別の車両が用意されて約40分遅れで発車。
旅の最終ランナーは、天塩川と絡みながら北の果てをめざす。
名寄盆地までは見られた田圃はほとんど見られなくなる。
車窓に広がる畑はカボチャかジャガイモだろうか。
あるいはロールケーキが転がる牧草地の風景だ。
悲しいかなダイヤでは音威子府は62分ある停車時間が、列車の遅れで消化してしまった。
1キロ離れた一路食堂で、黒い "音威子府そば" を食べようと企てたのだが無理なようだ。
北の無人駅に佇む1両のディーゼルカーが絵になる。気をとり直してあと130キロ。
丘陵の向こうに陽が沈んでいく。
午前中の大雨を集めて、天塩川は茶色く濁った水を満々と湛えて北へ北へと流れる。
20:10、単行気動車は稚内駅に終着。北緯45度25分03秒、もちろん日本最北端の駅だ。
今晩は手痛くやられた。中途半端な時間に独りの一見さんは割に合わないのだろう。
目星を付けていた2軒につれなく断られ、久しぶりに味わうアウェー感なのだ。
3軒目の居酒屋 酖竹林(ちんちくりん)は、結果的には大正解、美味しく居心地の良い店だ。
お通しは、ほっけつみれ揚げ、北海しま海老、サザエと並んで味も彩りも申し分ない。
好物の "たこわさ" を肴に生ビールではじめる。ジョッキもキンキンに冷えて気が利いてる。
"北の勝" は根室の碓氷勝三郎商店の酒。今日の白身は "そい"、芳醇な酒がよく合う。
赤味は "まぐろの山かけ" をいただく。酒は "上撰 國稀"、増毛で醸す淡麗辛口の酒だ。
三晩とも大満足の酒場探訪、旨い酒と肴に巡りあった "北の旅人(吞み人?)" なのだ。
宗谷本線 旭川~稚内 259.4km 完乗
コバルトの季節の中で / 沢田研二 1976
独特の色なんでしょうね。
晴れていてよかったですね。
私が行ったのは 13年前
大洗港からフェリーで渡り車でっていました。
もう記憶にはなく この記事で
同じ構図で撮っていたのを思い出しました。
https://blog.goo.ne.jp/tsakaegoo/d/20100830
入店お断りなんてあるんですか❔😓
いつも楽しそうなお酒ですが、そんなことも起きるんですね😱
宗谷本線、乗りました‼️
原野の中を走る寂寥感が印象に残っています‼️
音威子府という駅名がなんとなく好きです🚋
苫小牧から宗谷を含めて、何日くらいの旅でしょう。
私も来年こそは単車で北海道を巡りたいです。
夏の北海道航路は予約がなかなか取れませんね。
コメントありがとうございます。
この日の名寄発稚内行きはですね、
終点まであと3駅くらいの所で鹿と衝突したんですね。
それで30分の遅れ、飲み屋街に出かけたのは21時ころ。
遅かったのもありますけど、堪えますね。
そこに席が空いているのに、あしらわれるって。
アウェー感に挫けそうになる経験も、結構あるんですよ。
コメントありがとうございます。