観光関係団体の会合で、千駄木の閑静な高台に在る旧安田楠雄邸を訪ねた。
大正8年の近代和風建築は、関東大震災、東京大空襲の被災を免れて当時の姿を残している。
2階客間から庭園を望む。枯山水の庭園に何故か植えられてしまった枝垂れ桜が雨に濡れて美しい。
サンルームに囲まれた邸内唯一の洋間である応接間、
京都・表千家の残月亭を模した残月の間は、しばしば映画やドラマのロケに使われるそうだ。
嫁いで来られる夫人のために改造された台所は、当時最新であったアイランド型キッチン、
ガスレンジ、木製の冷蔵庫が残されている。天井には明り取りの窓が設けられている。
旧安田楠雄邸は、公益財団法人日本ナショナルトラストに寄贈・管理され、毎週水・土曜日には一般公開されている。
一般市民はもとより、建築やデザインの専門家や学生、最近では欧米からの外国人観光客が多く訪れるそうだ。
さて会合は、緑豊かな庭園を見渡せる2階の客間で開催された。
格式の高い書院造も、枯山水の庭園も、枝垂れ桜も素晴らしかったけれど、
実のところ私には会合前に供せられた「なだ万」のお弁当が一番満足度が高かった。
<40年前に街で流れたJ-POP>
シクラメンのかほり / 布施明 1975年