日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

長巻直し刀 志賀関 Shigazeki Katana

2016-04-07 | 
長巻直し刀 志賀関


長巻直し刀 志賀関

 室町時代中期の美濃国の刀工で、関より尾張国山田庄志賀に移住した兼延の特徴が現れた作。このように席から志賀に移住した刀工群を志賀関と呼び慣わしている。実戦の場で盛んに用いられた大薙刀を刀に仕立て直したもので、その特徴が良く遺されている。美濃刀と一口に言っても、乱刃から直刃まで様々。地鉄も良く詰んだ小板目鍛えからこのように板目の流れたものまで様々である。分り易い互の目の特徴は、志津の作例でも紹介したように互の目の頭が少し尖っているところ。丸みのある互の目も交じるが、ところどころに鬼の角のような尖刃がある。刃文は匂を主調に小沸が付き、刃境がほつれ掛かっている。帽子は棟側が大きく磨られているため生ぶの状態が判らない。現状では長巻直しの多くがそうであるように焼き詰め。姿に力がある。造り込みが生ぶでなくても、所持者自らが最も扱い易い姿に仕立てたのだから、もちろん今でも扱い易い。実用武器の代表格であり、地刃にも面白味が濃厚。