刀 長舩祐定

刀 長舩祐定永正十四年
彦兵衛尉祐定の子、与三左衛門尉祐定の作。一尺九寸強の片手打ちの刀。未だにこれを脇差に分類している人がいる。実用の時代には扱い易い刀であった。身幅を狭めて重ねを厚くし、樋を掻いているのは彦兵衛尉の作と同じだ。地鉄は杢目交じりの板目肌で、良く詰み、地沸が付いて映りも顕著。刃文は腰の開いた互の目に小丁子と尖刃が交じって焼頭が変化に富み、その一部が蟹の爪のように見えるところがあり、この様態が以降の祐定の刃文構成の基礎ともなっている。刃縁に肌目に沿ったほつれが加わり、刃中に射す足をかすめて砂流しや沸筋が流れ掛かっている。帽子は乱れ込んで返る。帽子がこのように崩れ調子となるのは戦国時代の備前物の特徴。時には帽子の焼が深く一枚帽子となる。


刀 長舩祐定永正十四年
彦兵衛尉祐定の子、与三左衛門尉祐定の作。一尺九寸強の片手打ちの刀。未だにこれを脇差に分類している人がいる。実用の時代には扱い易い刀であった。身幅を狭めて重ねを厚くし、樋を掻いているのは彦兵衛尉の作と同じだ。地鉄は杢目交じりの板目肌で、良く詰み、地沸が付いて映りも顕著。刃文は腰の開いた互の目に小丁子と尖刃が交じって焼頭が変化に富み、その一部が蟹の爪のように見えるところがあり、この様態が以降の祐定の刃文構成の基礎ともなっている。刃縁に肌目に沿ったほつれが加わり、刃中に射す足をかすめて砂流しや沸筋が流れ掛かっている。帽子は乱れ込んで返る。帽子がこのように崩れ調子となるのは戦国時代の備前物の特徴。時には帽子の焼が深く一枚帽子となる。


