日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

刀 藤原守行 Moriyuki Katana

2017-03-16 | 
刀 藤原守行

 
刀 豊後國藤原守行

 本作は江戸時代寛文頃の豊後刀。小杢目鍛えの地鉄に小丁子の刃文。刃文が殊に細やかで複雑。特に地に突き入るような小丁子の頭は歪んでいたり尖っていたり、単に丸みを帯びて足が長く伴っているだけでなく、時に渦巻くような焼刃があったり、とにかく面白い。匂口明るく締まり、刃中には匂が満ちて刃文が鮮やかに起つ。備前伝の一つに進化形と考えてよいだろう。
    

刀 藤原正行 Masayuki Katana

2017-03-16 | 
刀 藤原正行


刀 藤原正行

 豊後刀には、古刀期から備前物に紛れる作があることは良く知られている。特に古刀期で、備前刀で違っていたら豊後刀と考えるというような見方がある。本作は慶長頃。この刀も、小板目鍛えの地鉄に板目が交じって新刀期のそれだが古風なところも窺え、刃文が腰の開いた互の目に尖刃交じりの変化に富んだ構成。匂が主で、小沸が付き、刃中は匂が島刃状に連続している。この様子が蟹の爪のように見えるところがある。物打辺りは小丁子が交じって一際備前風。帽子は乱れ込んで返りが長い。ちょっと分かり難いかもしれないが、風合いは備前物。