日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

脇差 政光 Masamitsu Wakizashi

2017-03-23 | 脇差
脇差 政光


脇差 政光

 逆がかる互の目に小丁子交じりの出来。政光は兼光の門人の一人で、南北朝中期から後期、応永頃まで活躍している。寸の長い南北朝体配より、その後に訪れる鎌倉時代への回帰が窺える姿格好が多い。本作は、元来は長い太刀であったものを磨り上げて一尺六寸強の脇差、あるいは小太刀として用いた。地鉄は板目肌が良く詰んでいる中に杢肌が交じり、映りが鮮明に立つ。刃文が大小の丁子で抑揚があり、出入複雑に変化に富んでいる。匂主調の焼刃は刃境が繊細にほつれ、小足に絡み、匂が濃密な刃中は澄んで明るい。物打の鎬筋辺りに受け疵が残っている。凄い。