▲ 黒澤版を見たかった、超大作「トラ・トラ・トラ」
自由が丘大人の音楽教室の新沼健です。
「自由が丘大人の音楽教室」とは関係無い、映画・ドラマの感想、美味しかった料理、世相について思うことなどをこちらに書いています。
先週はまとまって愛蔵のDVDを鑑賞する機会がありました。
そこで雑感です。
「トラ・トラ・トラ」は1970年に公開された、真珠湾攻撃を日米双方の側から描いた20世紀FOX製作の超大作映画です。
ロードショー公開当時、親にねだって劇場まで連れて行ってもらいましたが、小学生だった私には前半部分が退屈で仕方なく、後半部分のドンパチが始まっても、見るのが苦痛の映画、という印象が後々まで強烈に残ってしまいました。
爾来数十年を経て、何かの折に借りたDVDを見て、大人になった私は前半部分をすんなり理解、ああ、こんなに面白い映画だったのかと思い直し、その後少なくとも(今回を含め)20回は見ています。
日本側シークエンスが面白かったのは、黒澤明が脚本を主導したからであることも後に分かり、実際の撮影も東映ではなく、東宝・黒澤組がしていれば、もっと見応えがあっただろうと思うと残念で仕方ありません。
とはいえ、オープニングの戦艦長門の登舷礼、後半の曙光を受けながら発進する帝国海軍機発艦シーンは何度見ても飽きません。
空母赤城からの発艦シーンでは、ロードショー公開当時に真珠湾生き残りの海軍将兵が、上映中に思わず万歳三唱したという、嘘か誠かわからない話も頷けるリアルさです。
これだけのスケールで真珠湾攻撃を描いた映画は、多分二度と製作されることはないでしょう。
もし未見であれば、必見の作品です。私はもう一度、劇場で見たいです。