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▲ 隙のない名作、劇場で見たかった小林正樹監督「切腹」
東京自由が丘のセレクトショップ、ブティック自由が丘101の新沼健です。
ブティック自由が丘101とは関係無い、映画・ドラマの感想、美味しかった料理、世相について思うことなどをこちらに書いています。
随分前に録画しておいた、小林正樹監督「切腹」を鑑賞しました。
彦根藩井伊家の上屋敷に津雲半四郎と名乗る浪人が現れ「切腹のためお庭拝借」と申し出た。生活に困窮した浪人が「切腹する」と言っては、庭や玄関を汚されたくない人々から金品を巻き上げることが流行っており、家老の斎藤勘解由は数ヶ月前にやってきた千々岩求女という浪人の話を始めた。家老が切腹の場を設けてやると言い出すと、求女は狼狽したあげく、竹光で腹を切った上に舌を噛んで絶命した、と。話を聞いた半四郎は、求女は自分の娘婿であることを告げた。(allcinema ONLINEより)
名作の誉れ高い作品で、一度は見たいと思っていました。
が、見て楽しい作品ではなさそうなこと、カンヌ映画祭で賞を取っているということも私に「芸術的」な映画を連想させ、鑑賞が延び延びになっていました。
さて一旦鑑賞を始めると、グイグイ作品に引き込まれていきます。
当時30歳、老けメイクを施された仲代達矢の独白と回想シーンがスムースに繋がっていきます。
当時21歳、可憐な岩下志麻にも驚きましたが、その身に降りかかる幸せと悲劇を見事に演じていました。
主演の仲代達矢以上に印象的だったのが、丹波哲郎です。
冷酷な官僚武士を淡々と演じていて、敵役ぶりが際立っていました。
残念だっとことは、TV画面での鑑賞であったことです。
今の技術でもモノクロ映像は黒が潰れてしまいがちで、古い作品の深みのあるモノクロ映像は再現できていないように思います。
ずっと以前、「第三の男」がリバイバル上映された時に劇場で鑑賞しましたが、そのモノクロ映像美に圧倒された記憶があります。
当作品も素晴らしい「モノクロ映像美」であろうに、それが十分に体感できないのがとても残念です。
ですが、自信を持って鑑賞をお勧めできる作品です。
セレクトショップ ブティック自由が丘101
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