▲残念ながら今のところ期待未満な「機動捜査隊MIU404」
自由が丘大人の音楽教室 新沼健です。
かつて自ら映画を監督してスマッシュヒットを連発した馬場康夫氏(ホイチョイプロダクション)がビッグコミック誌上に「〇〇だったらこの一本」という映画評論の連載をしています。
ご自身がヒット作を連発した監督ということもあり、なかなか含蓄が深く、毎回とても楽しみにしている(多分空母いぶきの次くらいに)連載です。
連載第8回目の「黒澤明だったらこの一本」になかなか面白い事が書いてありましたので、長いのですが引用します。
かつて松竹に野村芳太郎と言う監督がいた。
かの山田洋次の師匠で「張り込み」や「砂の器」といった数々の傑作をものした大監督である。(注・脚本は共に橋本忍)
同時に彼は黒澤が松竹で撮った「醜聞」「白痴」で助監督を務め、黒澤明をして日本一の助監督と言わしめた人でもある。
黒澤映画の脚本を7本手がけた脚本家、橋本忍が、その著書「複眼の映像」の中で野村芳太郎からこんなことを言われたと言う話を書いている。
「黒澤さんにとって、橋本忍は会ってはいけない男だったんです。そんな男に会い、「羅生門」なんて映画を撮り、外国でそれが戦後初めての賞などを取ったりしたから…映画にとって無縁な、思想とか哲学、社会性まで作品に持ち込むことになり、どれもこれも妙に構え、重い、しんどいものになってしまったんです」
野村監督は1974年、「キネマ旬報」のインタビューでこうも語っている。
「黒澤さんは何か言ってやろうと言う気持ちの強い時と、見せてやろうと言う気持ちの強い時では作品の種類が変わってくるんじゃないでしょうか」
さて、野木亜紀子の「機動捜査隊MIU404」第5話です。
私はこの第5話を見て、この引用した記事を思い出しました。
第5話は、経済移民が実態である、ベトナム留学生の話でした。
ドラマに「社会性」を入れたかったのでしょうが、正直面白くなかったし、大した必然性も感じられませんでした。
野木亜紀子がどこからこの回の着想を得たのか解りませんが、「ドラマにとって無縁な、思想とか哲学、社会性まで作品に持ち込む」と、往々にしてドラマはつまらなくなるという、見事な一例となってしまったようです。
あの大黒澤明でさえ、社会性を無理やり作品に持ち込んで愚作を作っているのである、況や野木亜紀子においておや。
野木亜紀子には、ひたすら視聴者に向き合って面白い脚本を書いて欲しいのですが、これまでの「機動捜査隊MIU404」は「アンナチュラル」に比べると、だいぶ劣るような気がしていますが、次回からのV字回復に期待します。
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