「カバー写真 2017.8.25 5:47 切り株が鉢に…」
わが購読紙に連載中の『ふる里の風景』、その中で今の時期にふさわしい「プリンスメロン」の話を。(原文通り)
僕らが子どものころ、バナナは風邪をひいた時ぐらいしかありつけない高級な果物だった。そのバナナを超える果物として僕らの前に現れたのがプリンスメロンである。
それまでメロンといえばマクワウリという認識だったから、その名称にも一層高級感を感じたものだ。それを初めて食べた時、駄菓子とは次元の違う上品な甘さに感激した覚えがある。
僕らが大人になったころ、表面がネット上のアンデスメロンが登場。その豪華さは、プリンスメロンが一瞬マクワウリに逆戻りするような錯覚を起こすほどだった。それからは、甘さも豪華さも優るアンデスメロンに押され、プリンスメロンは次第に影が薄くなっていく。それでも子どものころ味わったあの甘美で上品な味は、今も色あせていない。
先日、お隣さんからプリンスメロンを頂いた。実家のお母さんが丹精込めて作られたそうで、その何日か前にはスイカも頂いた。御年92歳になられるそうだが、自家菜園を楽しんでおられるとか。スイカもプリンスメロンもみずみずしく、とても甘くて美味しかった。
子どものころはメロンなんて言葉は聞いたことも、もちろん実物を見たこともなかった。その頃はマクワウリを作っている家庭が多かったが、マクワウリがメロンの仲間だとはまったく知らなかった。
毎年、夏休みになると祖母が迎えに来てくれて、姉弟3人、母の実家で休みが終わる直前まで過ごすのが恒例だった。当時、叔父は八百屋を営んでおり、スイカ、桃、ぶどう、黄色いマクワウリなど、売れ残った夏の果物が子どもたちのおやつになった。
従兄妹2人、うちの3姉弟とで5人、おやつは一番安価のスイカが多かったが、時々、マクワウリもおやつに出た。ウリを2つに切ると真ん中に種の混じったドロドロのワタがある。あれが甘くておいしいので食べたら、お腹を壊すといって祖母に叱られたことを思い出す。
メロンの最盛期にはコープのカタログに、プリンスメロンが600円前後で売ってることがある。その時は買って食べるが、アンデスメロンは高いので買わない。時々、あの長細くて鮮やかな黄色のマクワウリが食べたくなる。やはり貧乏育ちは、高級なメロンよりマクワウリの方が口にあうらしい。が、最近はスーパーでもめったに売ってないので残念!
高級なマスクメロンと違って何だか泥臭く野性的、懐かしい!!!
近頃スーパーマーケットではお目にかかりませんね。
手頃なお値段で販売するには生産者さんの苦労が報われないのかなあ。経済優先で失われてゆく物が多くて年寄りは郷愁の念ばかり
マクワウリ、今の若い人は知らないかもしれませんね。メロンと同じ味がするのだけど色や形に高級感がないのかも…。
ほんのり甘くて、歯触りがあって、冷やして食べるとおいしいのにね。
メロンなどより手間はかからないと思うのですが、農家も安価なものは生産しないのでしょうね。
こうした昔懐かしい物がだんだんとなくなってゆくのは寂しいですね。
この方が手間暇かからず、効果的なのに・・
マスクメロンもこれからの外貨稼ぎになるならまぁいいですけど・・。
メロンなんて高級品で、買って食べるという気持ちすらおきませんでした。昔、バナナが高級品だったころを思えば、メロンもいずれ大衆化される日がやってくるのでしょうかね。
毎年、ぶどうや桃など買ってまで食べないけど、おかげさまで今年も下さる方いて旬の味を楽しみました。