いろはにぴあの(Ver.3)

ピアノを趣味で弾いています。なかなか進歩しませんが少しでもうまくなりたいと思っています。ときどき小さな絵を描きます。

クープランの墓フォルラーヌ 管弦楽版で使われている楽器

2012年08月19日 | ピアノ・音楽

 昨日PTNAピアノコンペティションを聴きに行き刺激を受けたところで、音楽の記事も少しずつ更新していきたいと思います。このままの状態では、タイトル変更をしないといけなくなるところでした。

 現在練習中の曲の一つに、ラヴェル作曲のクープランの墓の「フォルラーヌ(FORLANE)」があります。今まで私が選曲しなかったようなちょっと洒落た和音が登場する曲なのですが、TOCCATAとは違って技術的にもそこまで難解ではない上に、曲集の三番目にある上に(一部の方はお分かりですね)響きが何とも言えず魅惑的でヨーロッパの中世を連想させるようなノスタルジックな味わいがあるのです。ラヴェルの曲にありそうな響きというのも心惹かれました。今年はドビュッシーイヤーなのですが、ドビュッシーは私にとってはさらに難解な気がして、もっと音楽が分かるようになってからやったほうがいいような気がしたのもありました。こまごまと書いているのですが、最大の理由は、一聴惚れなのですけどね (*^^*)

 前回の本番が終わり、のんびりと譜読みをしていたのですが、レッスンでは、部分に分けて遅めのメトロノームで練習するとよいと助言を受け、8月以降は通さずにメトロノームに合わせて弾いてきました。箇所によっては長い音→短い音というフレーズ二音だけを取り出してスラーで弾いてみたり。。。もちろん前の長い音をたっぷり、後の短い音は軽めに、そして繋がって聴こえるように。弦楽器では自然にできるところなのですがピアノでは気を付けないと機械的になってしまっていけません。そういうところまでやっていたらきりがないのでもちろん全部はやっていませんが、それでもゆっくりした練習おかげで、かなり、弾きやすくはなってきましたが、どうもしっくりこない。

 そこで思い出しました。このクープランの墓は、ラヴェル本人がピアノで作曲した後、そのうちの4曲を管弦楽に編曲していたのです。幸いフォルラーヌも入っていました。その編曲版を聴くことによって、ラヴェル本人が頭に描いていたフォルラーヌのイメージがさらに明確になるかもしれない、と。

 聴いたCDはアンドレ・クリュイタンス指揮のパリ音楽院管弦楽団による、東京文化会館での演奏のライブ録音です。サイトでの噂通り豊かで味わい深い響きの素敵な演奏だったのですが、今回の着目点は、特に旋律楽器で、どこでどの楽器を使っているか、ということでした。

 出だしは弦をはじめとした合奏で始まります。そして9小節目からオーボエ、また弦、オーボエ、と、弦楽器と木管楽器とが入れ替わりに登場していて、弦と木管、一方が旋律を演奏しているときは、もう一方は内声やベースを演奏していました。

 私の耳で聴いた範囲なので、間違いがある可能性が高いのですが、旋律で使われている楽器は (繰り返しは省略)

弦楽器→オーボエ(木管)→弦楽器→オーボエ(木管)→フルート(木管)→クラリネット(木管)→弦楽器 テーマ部

オーボエ(木管)→クラリネット(木管)→オーボエ(木管)→クラリネット(木管)

オーボエ(木管)→クラリネット(木管)→オーボエ(木管)→クラリネット(木管)

オーボエ(木管)→弦楽器 テーマ部の再現

オーボエ(木管)→フルート(木管)→オーボエ(木管)

弦楽器→オーボエ(木管)→弦楽器→フルート(木管)→オーボエ(木管)→弦楽器 テーマ部の再現

オーボエ(木管)→フルート(木管)→弦楽器 

オーボエ(木管)→弦楽器→オーボエ(木管) コーダ1

弦楽器→フルート(木管)→クラリネット(木管) コーダ2

でした。

ここから感じられた傾向は

1.テーマ部には必ず弦楽器が登場。終わりではかならず登場して締めくくっている。テーマ部最初が最も長く、一度目の再現では大幅に圧縮された形、二度目の再現ではクラリネットがなくなった形で登場している。

2.展開部は木管楽器が交互に登場。同じ部ではより低音の楽器が占めている。(オーボエに対してクラリネット、フルートに対してオーボエ )

3.最後の展開部のみ、弦楽器が占めている。ここは大きな山場の一つであり、弦楽器で山場の終了を示している。この山場の終了によって曲がコーダに向かうことを表している。

う~ん、自己流ですが、ちょっと見えてきました。同じ曲をオケに編曲することによって、曲の構成も見えやすくしれたラヴェルさんは、実は親切な方だったのでは、と思えてきました。

ちなみにこのクープランの墓は、管弦楽版をアレンジして作られた、木管五重奏の楽譜もあるようで、演奏もされているようです。こちらもぜひ聴いてみなければなりません。

ということで、音楽記事も長続きするように、今回はここまでにいたします。