中嶋恵美子先生著『知っておきたい!ピアノ表現27のコツ センスがないとあきらめる前に』
書店で見かけ立ち読みしているうちにびびびっと来て購入した本。
最初に気に入ったきっかけは「センスがないとあきらめる前に」という私の心を見透かしたようなタイトル。生まれ持ったセンスがなくても、やり方次第で美しい音色、歌心、そして魅力ある演奏に近づくことができそうな希望が感じられた。
ピアノを弾くうえで心掛けたい27のポイントがわかりやすく書かれていた。その内容は、すぐに実現できそうなものであった上に、すとんと腑に落ちるようなものだった。大げさかもしれないけれど、心に光がさし、身が震えそうな思いになった。27のポイントごとではないのだが、特に心に残った部分を採り上げてみる。
フレーズを感じる演奏をするために、音の強弱よりも最後の音を特別大事に演奏する意識が大切
脳から指令を出し自分の意志で指をコントロールするために、次の音を明確にイメージし指に指令が送られ弾く準備が整ったら次の音を弾く。このように「止める練習」は指が先走ってしまう音の手前でも有効
作曲家がしかけた変化の瞬間を見逃さない
両手で左右異なる音量を弾くための練習法(ここでは省略します) 弱音を弾く際に力をセーブしたときの体の使い方に注意を払い再現する
ひとまとまりの音楽はひとまとまりの動きで弾く
低音の弦は太くて長く、高音の弦は細くて短い。弦の細い高音は弦の太い低音が大きくなると目立たなくなるので、クレッシェンドの時は高音から。
などなど。書き過ぎるとあらゆる面で申し訳ないのでこのあたりで止めておく。特に最後の音を大切にすることと、止める練習はいずれはインテンポで弾かなければならないことになるにしても実際の練習で効き目があり弾きにくいところも弾きやすくなってびっくりした。いずれ拍に合わせてインテンポに弾かなければならないにしても、あいまいなまま流してしまうことになるのだったら、これからはいったん止めてそろえてみようと思った。
このような本は、人によってツボとなるところが違うかもしれず、合う合わないも個人的な面があると思うが、私にとっては、中嶋先生のこの本との出逢いは非常に大きなものだった。感謝。
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