ピアノを練習していて、最も気になることはなんだろう?私は、まず、音色だと思っていたし、今もそうだ。どんなに正確に演奏していても、音がきたなかったら、残念だと思う。そして、音さえ綺麗だったら、他は至らないところがあってもいい、それぐらい、美しい音色で弾けるようになりたいと思っていた。
しかし、レッスンで拍を正確に刻むことの大切さを学んでいる。それだけ、拍が乱れがち、とくに、演奏中に速くなりやすい傾向にあるとのことだった。内心、音を変えるのは大変だけれど、拍だったらメトロノームをかけて気を付けさえすれば改善できる可能性があるかもしれないしな、と、ちょっとひねくれた気持ちになりかけていたのだが、実際に、メトロノームで遅めのスピードで拍に気を付けながら練習してみたら、走らなくなるだけではなく、指が鍵盤に触れる瞬間の感覚も、確認しやすくなっていることに気づいた。メトロノームでの練習は、拍やリズムを正確にするだけではなく、弾くときの指の感覚をチェックする役目も果たしているように思えてきた。つまり、弾き方を意識し、音も望むようなものに近づけるきっかけになると思えてきた。 先生が強く勧められるのには、大いに一理あったのだ。そういえば、ピアノサークルでも、メトロノームを1目盛ずつ上げていくという話が出た。地道だけれど、よき使い方だと感じた。
ピアノ練習の際の、メトロノームの使用についても、専門家の間でも、賛否両論あるようだが、要は、使い方次第だと思う。体内に、一定のリズムが刻めるようになっていたら、必要ないのかもしれないけれど、今の私には、不可欠なもののようだ。