ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

ディア・ライフ

2014-04-01 11:01:24 | 本のレビュー

昨年の2013年度のノーベル賞作家、アリス・マンローの最新作。

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カナダでは初めてのノーベル文学賞だそうだけれど、この作家は少し異色で、短編しか書かないという。 チェーホフ以来の名短編作家という形容詞につられ、読んでみたけれど、正直なところ、そんなに面白いか・・・?

「素晴らしい名人芸」、「作家のための作家」という賛辞が帯に並ぶけれど、私としては、英国のエリザベス・ボウエンの短編の方が、ナイフが鋭く切り込むような鮮やかな切り口といい、文章の典雅さといい、惹きつけられるものがある。 それに、ロアルド・ダールの洒脱な語り口が、芳醇な酒のような味わいを醸し出す短編、サキのスパッと幕が下りるような残酷な結末が待つ短編の方が、面白く、読者を惹きつけるんじゃないだろうか?

良質で、ちょっぴり退屈(?)な短編集。

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