古代ローマを舞台としたスペクタルロマン。老皇帝アウレリウスから、次の皇帝に、と名指しを受けた将軍マキシマス。 だが、父皇帝からうとまれ、帝位を拒否されたことにショックを受けるコモドゥスによって、妻子を殺され、グラディエーター(剣闘士)になるという激変の運命に。
古代ローマは、かくあったのかという壮大なスケールの物語はもちろん、衣装、時代風俗も見ごたえあり。 マキシマスを演じるケン・ラッセルの演技が人間臭くて、感情移入させる効果も。
でも、古代人って残酷だったんだなあ・・・剣闘士というものがあったことは知っていたけれど、戦争とかで戦士が戦うのではなく、競技として人間同士が戦い、それを市民がリクリエーションとして楽しみながら観戦するなんて。おまけに、戦う場所が、ローマの観光名所コロセウム(私も行きました)--舞台装置のように、地下からライオンがコロセウムに登場してきたりするのだ。 マキシマスは、グラディーエーターとしても、頭角を現し、ローマ市民の人気を博し、最後は皇帝となったコモドゥスと戦うことに・・・史実などではないとしても、エンターティメントとしての迫力は満点。
そして、個人的に面白かったのは、皇帝コモドゥスの屈折度--愛され、尊敬もされないことに苦悩し、実の姉ルキアに近視相姦的な愛情を抱いている(これは、実在した三代皇帝カリギュラとその姉、ドルシラの関係を思わせる)のだ。 この姉弟の、愛と裏切りの人間ドラマも凄く面白い! 近頃では珍しい、古代ドラマの傑作(ブラッド・ピット主演の「トロイ」も面白かったけれど)。
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