今日起きた母の話です。
Lineが既読にならないから心配だ、と妹が連絡して来て、お陰で忙しい診療の合間を縫って様子を見に行きました。
そしたら、携帯を何処かで落とした?とかでないからと言う顛末で、患者さんやスタッフに迷惑掛けてしまうと言う本当に申し訳ない事態になりました。
その前にも、家の鍵がないと連絡が来て、その時には診療終わったくらいだったので、申し訳ないけどでスタッフに後を任して急いで向かったら、ちゃんと家にいて、ごめんね鍵見付けたの、と言う顛末でした。
このように続け様に一人暮らしの母が色々とトラブル起こすのを経験させられて、これから日本中で似たようなことが起きて、子供がてんてこ舞いさせられるんだろうな、と思ってしまいました。
歳を取ると言うことは、残念ながらできてたことができなくなること。
昔の諺で言う所の、老いては子に従いは本当にそうだな、と思いました。
しかし、親には親の言い分があり、自分のペースで幸せに暮らしたい、色々と指図されたりするのは嫌だ、と言う親の言い分も分かります。
そして、私も親でもありますから、子供の幸せは心から願って止みません。
私個人の考えですが、私は子供にはできるだけ世話にならない、迷惑掛けない、自立自律の人生を送りたい、と考えています。
それでも、子供特に妹達とかの娘は親の心配をして、あれやこれやとなるのでしょう。
とても難しい問題ですが、自立自律で過ごせない状態になってしまったら、私は施設とかを探そう、子供には迷惑掛けたくない、と決めています。
長生きできる時代になりましたが、それがイコール幸せなのか?を厳しく問われてしまう時代が来た、とも言えるのだろう、と思っています。
そして、私自身の経験で見ていると、私の患者さん達は何時迄も割りと元気で若々しい方がとても多い、と感じています。
お恥ずかしい話、母はその中では余り状態の良い方ではありません。
それは、不注意でガラス扉にぶつかって転んで、脊椎骨折して入院してからだ、と感じます。
それでも、噛めること、食事して食べられることは維持しておりましたので、歳の割りには治り早い、と言われたそうです。
そして、平均データで見ると、女性の場合には12年、男性は8年の介護を受けて亡くなられている、と分かっています。
それから比べると、うちの患者さん達は介護期間がとても短いな、といつも感じています。
亡くなった父も、倒れて10ヶ月で逝きましたし、歯をお口の機能を守れれば介護期間は短くできるとだろう、と私は確信しています。
私も開業して24年目ですので、沢山の患者さんが逝かれました。
それでも、やはり皆さん平均よりもかなり短い介護期間で逝かれてる、と毎回感じてます。
高齢になればできていたことができなくなる。
これは仕方のないことですが、噛める、食べられる機能は、最後までその方の人生にプラスになる。
その見極め、介入すべき時期、タイミングは見誤らないようにしたい、と思うのです。
介護が軽く済むようにその方をどうサポートして行くのか?歯科医程度にできることはたかが知れてるとは思いますが、勉強しながら頑張って行きたいです。
今回の母のことでの経験で、我が業界にできることは、ととても深く考えさせられました。
専門家としての助言としては、歯科治療受ける受けられるには体力的な限界がある、と言うことは覚えて置いて欲しいです。
こんな筈ではなかった。
こんなになるとは思わなかった。
案外人は死なないし死なないのよね。
中々お迎えが来てくれないの。
これは、開業前に老健ホームに往診していた時に何度も何度も聴かされた言葉です。
やはり皆さん自立自律の人生送れなくなったことに残念な思いを抱かれていた、と言うことだと思います。
できるだけそうならないように、その期間が短くなるように、歯科業界は頑張らないと、と強く思いました。
最後に、本日診療を中抜けして、ご迷惑を掛けた皆さんに、本当にごめんなさい、と申し上げます。
見守りサービスとか入れないと、ですね…