この患者さんは、抜歯即時荷重インプラント手術を1回しただけでここまで治り、ずっと良い状態を保っています。
でも、実は何故インプラントが骨としっかりとくっ付いて安定し続けてるのか?は分かってなんです。
本当の所、骨と純チタンが何故オッセオインテグレーションノして動かなくなるのか?は解明されてません。
経験的に純チタンが骨とくっ付くいてくれることが分かり、それを歯科に応用したのが、人工歯根インプラント治療の始まりなだけなんです。
電子顕微鏡で見ると、骨とインプラントの間にはほんの少しだけ隙間があることも分かってます。
光学顕微鏡レベルだとくっ付いて見えるのですが、もっと細かく見るとそうではなかったんです。
しかも、骨とインプラントがくっ付いている面積も、せいぜい7割弱と分かっています。
本当に不思議ですよね。
勿論、研究者たちは、解明しようと研究を続けています。
でも、分からないことだらけ、と言うのが真実です。
更に、歯茎の美しさを作りあげること、に臨床医は常に悩まされているのです。
これも、良く分かってません。
この患者さんは長くとても綺麗な状態を保っていますが、それをたった1回の手術だけで何故できてしまうのか?も分かってません。
普通ここまでにできるには、手術を何回もしなければまだならない、4回くらいは当たり前、と言うのに、たった1回でできる理由が解明されてはいないんです。
人の身体の不思議。
細胞のルール。
やがては突き止められて、その原理原則に従えば、殆どの歯科医ができる時代が来るのかも知れませんね。
そのために、こう言う成功症例のデータを集めて、ルールを解明したい、と願う私です。