本日の親知らずの抜歯ですが、自分的には心残りな手術になりました。
思っていたよりも難しい抜歯で、手際良く抜歯できなくて、しかも縫合も難しく、もう少しやれなかったかな、と反省しています。
前に心臓外科医の先生が、いつも豚の心臓を用意していて練習を欠かさない、と書かれてるのを読んだことがあります。
本気で羨ましいと思いました。
我々のしている下顎の親知らずの抜歯は、練習できるものがないからです。
練習用模型とか石膏に埋めてとか、工夫されてやられる先生もおられます。
私も勿論したことがあります。
でも、全く状況が違うので練習にならないんです。
模型や石膏に埋めてでは簡単すぎて話にならない。
下顎の親知らずは、口の奥にあり、とても狭い、小さい環境で、その中に色々と器具が入り、とてもやりづらい、難しい環境なんです。
何しろ患者さんが、頑張ってお口開けても、大抵な場合全然開口不足で、それを見やすくしようとしたら、かなり口とか周りの軟組織引っ張ってしなければならなくて、それだと患者さんは後から辛いだろうから、そこまで過酷なことは私にはできないんです。
私は患者さんのできる範囲内でやるのを目指してるので、それはそれはとてつもなく難しいことになるんです。
ライト付き10倍の拡大鏡で覗いてやるので、めちゃ綺麗と言う手術してて、ストレスが半端じゃないです。
私は他の先生のように荒い手術はできないししたくないので、いつもジレンマになっています。
それでも、うまく行けば良いのですが、今回準備段階でのミスでリカバリーをしなければならなくなると、気力も保つのがキツイです。
本当練習できるならしたいです。
練習できる心臓外科医が羨ましい。