保険診療を否定はしません。
しかし、限界があり、手間暇を掛けて治療させていただいて、写真のような成果を得ても、全く採算が取れないモノだ、と明言します。
私は、総義歯治療は保険ではお受けできない、と明言するようになりました。
そのきっかけとなったのは、開業して日が浅かった時、さる知られた技工所の義歯部門の責任者の方の親御さんの総義歯治療をお願いされたことです。
その親御さんは、来るたびに保険で、保険で、と何度もしつこいくらいに言われました。
それを聴かされる度に私は、ああこの人は私の腕を買い叩こうとしている、と言うことに気が付かないんだな、と苦々しい気持ちでした。
正直、失礼ではないか?と思いました。
整形外科の世界で手術の名手として知られた亡き父の言葉ですが、保険は名人も下手くそも同じ点数だ、しかも、下手くそがやった方が治りが悪くて入院日数が増えて収入も増える、保険はおかしい、と憤慨していました。
名人が安売りさせられるシステムが保険だ、と父は言っていました。
私は、それを聴いて、成る程、と思ったものです。
生意気ですが、写真のような総義歯の状態を患者さんに提供できる臨床家は、そうはいません。
総義歯を得意として、HPとかで出している先生でも、このようにピッタリと合った総義歯の写真を載せてはいない筈です。
私は、総義歯の名人と言われたお師匠さまから免許皆伝を賜り、その道を次代に繋ぐようにとご指名いただいている者の一人です。
なので、私が責任持って総義歯のお仕事を請け負った時には、必ずこのような状態になるまでさせていただいています。
世間的には、私はインプラント専門家、と見なされているようですが、私自身の感覚では今なお総義歯専門医である方が自信があり、そちらの実力の方が上だと感じています。
そして、この総義歯の実力があるから、私のインプラント治療、即時荷重インプラント治療は20年前から97%以上と言う成功率を保ち続けられている、と確信しています。
写真の患者さんも、自費治療の患者さんで、治療用義歯を使い最終義歯を作製させていただいて、これだけピッタリで強く噛み締められる状態を提供できています。
掛けた手間暇は相当なものです。
この当時は、私もまだ40代でしたから、これだけの総義歯治療でも60万くらいしかいただいておりませんでしたが、還暦を迎える今は、これをしてくれと言われたら100万はいただかないとお仕事を受けられません。
最高のグレードを、とご希望いただく場合には更に一桁上の1000万で、完全にその患者さんが来られる日には1日掛かり切りで、多分3か月程度で仕上げさせていただきます。
即時荷重インプラント全顎でお受けした患者さんの掛かった治療費の最高額が1300万以上、その患者さんは理想的なモノを全てやってくれとのことでしたので、それだけかかったこともあります。
それに匹敵する総義歯治療ですので、1000万でも良いのでは、と私は思っています。
全て私が持てる技術を尽くし、治療レベルを追究し、最上の技工士にお仕事をご依頼してですので、コストも相当に掛かる、と思います。
治療費は、その先生の技術、治療レベルを買っていただくモノです。
それをご理解いただける患者さんにお越しいただければ有り難いです。
ちなみに、医療費控除を受けられますので、前述の1300万掛けられた患者さんは、お聴きした所によると半額近く返って来た、と喜んでおられました。
その具体的な方法とかに付きましても、当院で助言させていただいております。
決して、違法なこととかはしていません。
遵法であることは勿論です。
どこに、どれだけのお金をかけるのか?はそれぞれの人の価値観だ、と思います。
保険診療は、名人が安売りさせられるシステムである、と言うことを、患者さん方にもご理解いただければ、とお願い申し上げ、今日のブログを締め括ります。