土日、博多の船越歯周病研修会のインプラントのアドバンスセミナーを受講しに行って来ました。
ITIセクションジャパンのチェアマン、要するにトップの責任者なので、ストローマンインプラントに関しては最も情報を把握されている方なのと、私自身が船越セミナーの常連で定期的に受講しに行っていて、ボーンレベルインプラントのお話を聞きたくて参加して来ました。
お話の中で最も印象的だったのは、インプラント治療を受ける患者さんの年齢に関しては医療側で決め付けるものではない、幾つになっても患者さんが入歯じゃなくてしっかり自分の歯のように噛めるように治りたいのならやって良い、と思うと言うお話でした。
私もこの考え方には凄く賛成です。
しかし、とかくこのような考え方をすると、寿命のそんなにない患者にまでインプラントして金儲けして、と批判されてしまいかねないのが日本の現状でしょう。
でも、そんなことではないのです。
患者さんにとって、これから先の残っている人生をどれだけ充実して、歯のことで悩んだりしないで送って欲しいのか。
入歯になるしかない状況になってしまった場合、高齢者であればあるほど、入歯に馴染むのはとても大変なことなのです。
患者さんがまだ60代とか馴染むと言うことに頑張れる、適応能力がある場合、入歯の選択肢も可能かも知れません。
が、高齢者になればなるほど適応能力が低くなり、非常に難しくなるのです。
その点インプラント治療は、治療する歯科医にチャンとした腕があり、経験を持ち、対処方法を心得ているなら高齢者にインプラントを行うことは非常に有益なことになるんです。
今回、船越先生が例として話された患者さんも93歳と言う内科医の先生だったそうです。
高齢であることを先生も危惧され、お話をされて、これからの人生で歯で悩まされたくない、自分の歯のようにしっかりとして、痛まず動かず噛めるようになりたい、これから100歳過ぎても元気で活動的でありたい、と言うたっての希望でインプラントになったそうです。
その結果、船越先生も考えを改められ、幾つになっていたとしてもインプラントの治療効果は素晴らしいものだから、患者さんが望めばこちらは出来るようにして置こう、となられたそうです。
私の患者さんも93歳でとてもお元気な患者さんがいます。
その方も80代後半で私がインプラントさせていただいたのですが、入歯からの悩みから開放され、それはそれは喜んで下さっています。
インプラントにして良かった、と繰り返し繰り返し語られます。
残りの人生が少ない人にまでインプラントするなんて、と言う批判の声もまだまだ強いのは確かにそうでしょう。
しかし、その本人がどう感じているのか、どうなりたいのか、をもっと考えて欲しい、と思います。
入歯は、なってみれば誰もが愕然とするのです。
こんなもの入れてられるか、と怒りを覚えるのが極普通です。
だからこそ、インプラントに意味があるのです。
最近、総義歯の話ばかり書いて来ましたが、総義歯になっている患者さんはいきなり総義歯、と言う方は極少数で、徐々に総義歯にと言うのが殆どです。
なので、義歯に対する適応能力では、初めて義歯になられる方とは全く違います。
それでも、総義歯になると苦労が耐えないのです。
ですから、私は総義歯になってしまうことはお勧めしません。
出来る限り、歯をなくすのは部分的なもので納め、インプラントと自分の歯で人生を真っ当できるようにお勧めします。
反対から考えると、インプラントにして歯をそれ以上の負担から守る、そう言う治療が最も正しい、と思います。
インプラントにしないと言う選択肢は、残っている歯がブリッジの土台になるとか、入歯のバネが掛かる支えになるとか、結局負担が増すのが定めです。
そうなると、又歯を失う危険性が高くなるだけなのです。
そのリスクを小さくする、それがインプラントの最大の意味です。
船越先生の恩師は、90過ぎても全然元気で活発的だそうです。
そう言う人生を送る為にもインプラントを私は勧めます。