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総入歯には形がある。

2012年03月31日 | 患者さんの知らないンプラント業界の話

最初の写真が私が治療させていただいたもの。

次の写真が初診で来られた患者さんが入れてるもの。

残念ながら、同一人物ではありませんが、形が余りにも違うのがお分りいただけるでしょう。


私が治療させていただいた方は、歯茎、床と言いますが、ピンクの部分の形が独特の形になっています。

初診で来られた患者さんの入れてた方は、特に下顎の総入歯がまるで雨樋を曲げただけみたいな形をしています。

下手な総入歯で良く有る特徴で、解剖学的な形態に全くなっていません。


総入歯らしい形になると、独特の鳥が羽を広げたかのような形になります。

私の治療させていただいたものは、特に矢崎正方先生、シュライヒ先生、染谷成一郎先生の系譜になる独特の大き過ぎない、小さ目のスリムな形です。

一般的な筋形成したりして作るものに比べたら、咬座印象で生理的に作るのでスリムな独特の形になるのです。


臼歯後隆起を覆い、染谷のスジ避け、モダイオラスを避け、舌下ヒダを上手に封鎖して接着、吸着を得る。

歯並びも舌房をちゃんと確保し、頬側と舌側のバランスの良い所に並べ、決して窮屈にはしない。

優しく舌と頬に包まれ、それでいて、舌や頬噛まない。

矛盾することを成り立たせ、審美的機能的形態、邪魔にならない、入れていて快適さすら感じさせる、そんな総入歯です。


但し、ごめんなさい、保険ではここまで詰められないのです。

最低入歯一組で40万から上限はうちでは200万です。

治療方法の違い、使う材料材質、技工士さん、掛かる手間の時間から来るものです。

因みに聞いた話しですが、国内での上限は1000万だとか。

著名な先生の場合のお話しです。

命の籠もった人工臓器、と考えていただけたら、納得いただけるかも知れません。


何れにしましても、保険の決められたやり方、材料材質と費用凡そ7万、一部負担金3割で2万程度では全く出来ないのです。


ただ漫然と作られたものと完全オーダーメイドの命の籠もったもの、の違いです。

歯が戻って来た、と喜べるものと、こんなもんか、と言われるものの差です。

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