このことは、ハッキリ書かないといけない、と思ってることですが、私の手術の腕が凄い、だから全部任せて置けば大丈夫、と言うのは、大きな誤解です。
それどころか、私は他の先生よりも不器用で、手術向きの性格をしてない、と自白します。
良く私の所にご相談に来られる患者さんは、私のことを何かゴッドハンドだとか、ブラックジャックだとか、思い込んでたりされます。
でも、私は必死で一所懸命にやることに徹しているだけで、その後の治り方、早さや綺麗さは患者さん次第ですよ、と明言してお話してます。
申し訳ないのですが、私が胸を張って、大丈夫任せておきなさい、と言うタイプの外科医であることを期待されてる患者さんは、あれ?と言うお顔をされてます。
私は、いつもいつももっと良いやり方はなかったかな?患者さんにできるだけ楽にして差し上げられなかったかな?と自問自答を繰り返す、そんなタイプです。
昔見学に来られた先生が、私が手術後難しい顔して、CTを睨み付けていたら、どうしたんですか?と質問されました。
それに対して私は、いや今の手術もっと良いやり方できなかったかな、と思って、一人反省会してるんですよ、と答えました。
そしたら、その先生が、えっあれだけ完璧な手術してるのに、そんな所あるんですか?と驚かれたのです。
ああそうなのか、他の先生から見られたらそう見えるのか、と思って、いやいや、例えばここなんですけど、こうな方がもっと良くないかな、とCT見てると考えたりするんですよ、と説明してお話しました。
そして、私が私の腕に一番心配してるんです、自信がないんですよ私、と言ったら、その先生は本当に驚かれた顔をされてました。
本当の答え、自分の手術の結果は、次の日、更に一月後とかにならなければ分からないし、それには患者さん次第、と言う大きな因子が関わりますからね、と私は続けました。
こちらの言い付け、お願い事を軽視して、私が手術したから大丈夫、と言う患者さんほど、困ってしまうことをされるんです。
強くうがいするとか、動き回るとか、手術した部位を平気で使うとか、そんなことをされたら、私が手術してもひとたまりもありません。
それで、ダメになったこともあります。
最初の治り方が一番大事で、そこを失うと取り返すのはとても大変なんです。
とお話をしました。
こんなぶっちゃけた本当の話をしてくれた先生は、初めてです、マツゲン先生は本当の話をしてくれますね、とても勉強になりました、とその先生は喜ばれました。
でも、これが本当なんです。
こちらが昨日のとても難しいインプラント手術の今日の結果です。
でも、来週、再来週、一月後までは、安心できません。
その鍵は患者さんなんです。
手術した部位を安静に保ち、動かさないようにする。
強くうがいしたりして、傷口に異物が混入したりしないようにする。
火傷させない。
術部位は使わないで、安静にする。
しばらくは介護食で我慢する。
等々の注意事項を患者さんがどれだけ厳守できるのか?に成否が掛かって来るのです。
ある専門家が、自分がインプラント手術を受けたら、凄いダイエットになった、と言うエピソードもあるくらいで、それぐらいできれば成功する、と言うことです。
そこを、世間に知らしめて行かなければ、と思います。