訃報も、うっかりしていると見過ごしたり、ニュースが入らなかったりして、失礼している方も有りますが、昨夜帰宅すると○○さんがなくなったらしいよ。
葬儀参列、昨年35回だったのが10回程度少なくて済みそうと思っていたところでした。
98歳でしたので、天寿を全うされてのことだと思います。
ご冥福をお祈りします。
人生80年代を全うすることなく、若くてエンディングを迎えられ方は、心残りも多々あるでしょうね。
これが最後かもしれないと!!と思ったら、無駄に過ごすことは出来ませんね。
しかし、人間明日が分からないと知りながら、明日があると思い、明日になればまた明日があると思う。
明日があると思うな・・・。の気持ちになれないのは、私だけではないと思います。
「僕の死に方 エンディングダイアリー500日」金子 哲雄、小学館
あの滑舌の悪い流通ジャーナリスト、
金子 哲雄さんが亡くなりました。
41歳でした。
この本は、金子さんの半生、
そして発病、臨終のときまでの記録です。
まったく見事な死の記録と言えるでしょう。
・自分にとって「生きる」ということは
最後の最後まで、引退せず、
全力を尽くすことだ(p156)
突然の肺カルチノイドの告知。
腫瘍が気管を圧迫していつ死んでもおかしくない。
症例が少なく、治療法はない。
そうした中、仕事をセーブしながらも、
症状は悪化していきました。
常に「これが最後かもしれない」
こうした状態の仕事が続きました。
毎回、「この仕事が最後かもしれない」と思って仕事に臨む。
そう思うと、ますます全力で取り組むことができた。
仕事ができる喜びを体いっぱいに享受することができた(p90)
1秒でも長く、社会と関わっていたい。
社会との関わりをなくした瞬間に病状が悪化し、
そのまま死んでしまうのではないか。
気持ちばかり焦るが、しかし体は言うことを聞かない(p109)
・父いわく「お土産っていうのは、同じものに決めたほうがいい。
それを見たら、その人を思い出すきっかけに
なるようなものがいいんだ。それが仕事につながる」(p133)
・私の知り合いでランニングコストが高い女性と
結婚した人はみんな不幸になっている。
どんな奥さんと結婚するかで人生は変わる(p49)
・「咳、おつらかったでしょう」
私の顔をじっと見て、患者の立場になって
声をかけてくださったのだ。
その瞬間、私は号泣していた(p84)