
昨年、当ブログで“至仏山の山頂で昼飯を食べていたら、尾瀬ヶ原の上を目線より低い高さで(山頂より低い高度)軍用機が爆音を残して飛び去ったことを報告した。昨夜のニュースステーションですぐ落ちるという心配が懸念されている米軍ヘリ“オスプレイ”の低空飛行による訓練飛行エリアの7箇所が報道されていた。尾瀬辺りから沼田市方面までコースに入っているようだ。米軍機の訓練飛行で騒音などの苦情が増えており「群馬県内ではここ3年急増。昨年のクレームは600件に達した」と報告していた。尾瀬を遊んでいるように飛び回る軍用機も不快だが、生活を脅かすようでは困る。いつ落ちるかわからない心配のあるオスプレイでは尚更だ・・。事故が起こる可能性は原発よりこちらの方がはるかに確率が高いのだ・・。
「コマクサ」はケマンソウ科コマクサ属の多年草で高山植物。ケシ科に分類することもあるという。「高山植物の女王」と呼ばれる。高山の砂礫地、ガレた場所に自生。山頂への正念場のきつい登り、尾根沿いの展望の良い場所などで小さな濃いピンクの花が疲れを癒してくれる。草丈は5-15センチほど。ケマンソウやケシの葉と中間で、切れ込みが細かく入ったニンジン状の葉は少し白味を帯びている。
花期は7-8月。10-15センチ程の花茎を伸ばし、その先に外側が濃いピンク色で内側に少し白味がある花冠で2-3センチの可愛い花をつける。この花の形が馬の顔に似ているというのでこの名が付いているのだそうだ。花弁は内と外に2枚ずつ計4枚。外側の花弁は下が膨らみ、先の部分が反り返る。
写真の個体は西籠ノ塔山の山頂付近のガレ場に一株だけ咲いていた。自然の中で生きているものと信じたい。行き会った登山者との会話で、コマクサが咲いていたことを知った。ガレ場を一生懸命探したが見つからない。山頂手前からガレ場が多く探し疲れた頃にようやく見つけた。苦労した分可愛く見えた。
実は、大切に保護されたものや人工的に植生を復活させたものは見ているが、自生している個体は籠ノ塔山近隣の烏帽子岳で登山道脇で踏まれそうになっていたもの数株、その翌年に同じような場所で白花のタイプを見た事がある程度。腹痛の妙薬として修験者に重宝され、掘り尽されたのだという。この花が咲く北アルプスは経験がない。南アルプスにはもう自生していないそうだ。
