
1週間ほど前、竹沼でニイニイゼミの鳴き声を今年初めて聞いた。今日は鮎川の堤防でキリギリスが鳴いていた。梅雨は明けないが、周りはもう夏の景色。仕事をしていた頃“初セミ”は、東松山から上尾方面に抜ける県道近くにある吉見百穴のあたりの公園脇を通過する時よく聞いた記憶がある。「この忙しさを越えれば夏休みも近い」と・・・。キリギリスの鳴き声は、トキの島の母の実家の近くでしか聞いたことがなかった。
「バンダイクワガタ」はゴマノハグサ科ルリトラノオ属の多年草。高山植物。磐梯山の固有種だという。友人との山行を越後駒ケ岳から会津磐梯山に変えたとき、バンダイクワガタの咲く山であることを知り、花期は6月とされていたが、未だ花が残っていることに期待していた。
沼の平あたりの登山道脇。ハクサンチドリの写真を撮ろうとしていると、すぐ脇に写真で見た「バンダイクワガタ」を発見。“これがバンダイクワガタか!!”と写真が撮れたことを喜んだ。黄金清水、弘法清水と進むに連れてガレ場が多くなるが、それと平行してバンダイクワガタの増えてくる。弘法清水の2件ある売店(小さい)のうち、山頂側にある店の女性(店主?)は植物の知識の豊富な方だった。山頂では今がピークとばかりに迎えてくれた。

磐梯山では花期は6月。草丈は10-25センチ。想像していたより小さな花だ。雌しべ1本、オシベ2本が花弁(4枚)から外に突き出している。青紫色が印象的。葉は対生しており先が細くなっているが、大きな切れ込みがあり、更に鋸歯上にギザギザが付いている。これが固有種としての特徴のようだ。上手く表現できないが、菊の葉のような感じ。
磐梯山の固有種として貴重な存在だが“ミヤマクワガタ”をはじめエゾ・シラガミ・ダイセンなど冠した仲間というか、変種が多いようだ。バンダイクワガタは「キクバクワガタソウの変種」という書き込みがあった。