すばるに恋して∞に堕ちて

新たに。また1から始めてみようかと。

猫といちゃいちゃ

2008-11-20 22:31:57 | 妄想のカケラ・ショートショート(日記入)
寒い・・・
ハンパなく寒い、です。
我が家の母屋は、戦前の家屋ですので、
ちょっと気温が下がるだけでも、大変です。
家の中なのに、吐く息が白くなったりしますからね。
日本の真ん中、愛知県の、それも真ん中の、山間部でもない平野で、ですよ?
母屋で、ヒーターつけたって、換気はいらないもん

そんなわけで、

暖を取るのに、もっぱら、猫が活躍してます。

いや、正確には、
猫が、人間さまで暖をとってるんですけど。

今日も、猫を抱きつつ、猫に抱かれつつ、
妄想スイッチがONになりました。


ニャ?
      あ?

ニャニャ?
      これ、おかしくね?

ニャニャーン!
      毛深い、毛深い!

ニャーッ!
      どないなっとんねん!

「何、朝から騒いでんの? お腹すいたの?」

ニャ~
      ちゃうちゃう、オレ、オレ。

「そうね、ご飯欲しいんだったら、ちょうだい、しないとね。ちょうだい、は?」

ニャ~オ?
      え、おい、猫のちょうだいって?

「違うでしょ? いつもみたいに、ごはんって言わないと」

にゃにゃー?
      いやいや、猫は、しゃべらへんやろ?

「どうしたの? ごはんって、言ってごらん? 言えるでしょ?」

ニャオ? ニャニャ?
      言うか? 最近の猫は、言えんのか?

「うーん、言わないと、ご飯抜きよ」

ニャ? にゃにゃン、ニャーオ
      え? そんだけで、ご飯ぬき? 案外Sやってんな。

「ご飯じゃないの? じゃあ、寒いの? 抱っこ?」

ニャニャニャ、ニャッ・・・
      抱っこって、お前、そんな・・・

「しょうがないなあ、ひざに来る?」

ニャッ、ニャッ、ニャ、ニャ~オ
      ひざ枕かい、それ、ええなあ

「はい、おいで」

ニャ、ニャン、ニャ~ン
      おほッ、あったかいやん、気持ちええ

「あったかいね~?」

ニャ~~ン、ニャニャ~ン
      ほんまやな~、猫やったら、こんなんしてもらえるんや。

ニャ? ニャン・・・
      お? なんや・・・

「もう可愛いんだから! はなチュウしよ?」

ニャ、グッ、ニャ~~~ウ
     おいッ、グッ、苦し~~い

ニャンニャ~ン!!
     力、強いって!! はなチュウ、息できんがな

「あ~あ、もう。彼も猫やったら、よかったのに」

ニャ~、ニャン。ニャニャ、ニャオ~ン?
     いや、オレ、ですけど。てか、オレが猫やったら、どうする気なん?

「そしたら、ずゥ~っと、ベッドでいちゃいちゃ、ぬくぬく出来るのに」

ニャ、ニャッ、ニャッ、ンニャ~ン
     うほッ、あかん、そんなん照れるわ、どうしよ~

「しゃあない、あんたでも、ええわ。ベッドであったまろ? 朝寝しよ」

ニャ~ニャ~ニャ~
     おう、まかせとけ。あっためたる





うふん
なに考えてんだろ。

でも、ウチのコ、「ごはん」って言うのよ。
ま。正確には、「グアン」ですけど、でも、「ごはん」に聞こえるの。

猫バカだわ~






STORY.10 Holly Night 前編 ②

2008-11-20 12:05:43 | 小説
前編①からの続き、です。


「何したん」

一瞬の間



のあとからになります。

よろしければ、続きでどうぞ。
「・・・・・・キス?」

咄嗟に、私の手が、彼の頬を叩いた。
その速さに、自分でも、ビックリ。

「痛ゥ・・・なにすんねん!!」

みるみるキツくなる彼の瞳。
私の頬を、不意に伝わるもの。

彼に嫌われるのが怖くて、
いつも、言い出せなかったひとこと。

「私は、あなたの、なに?」

「何って・・・彼女やん。恋人、やろ?」

さらっと、言ったけど。

「だったら、なんで浮気するの?」

「浮気ィ? ちょこっとキスしただけやん、
 向こうは、挨拶がわりみたいなもんやん。それに・・・」

「挨拶がわりに、誰とでも、キスするんだ」

「ちょっ、誰とでも、ちゃうやん。好きじゃなきゃ、せんしやな」

墓穴掘ってるじゃん。

「あ、待て、違うって。そういう意味じゃなくて、やな。あの、その・・・」

もう、ぐだぐだ。

言い訳するんなら、もうちょっと、上手にしたら、どう?
嘘つけない性格って、こういうとき、辛いよね。

まだ彼は、なにか言いたそうだった。

けど。

「もう、シンドイ」

私の言葉が、それをさえぎった。

大好き、なのに。
こんなにも、愛してるのに。

愛されてる実感がないから、

彼の全てがほしいと思えば思うほど、
私自身が醜くなっていく。


泣くつもりなんてなかったのに。

泣きたいわけじゃないのに。

泣いたら、すべてがおしまい、なのに。

涙が溢れ出して。
止めようとしても止まらない。

唇を噛み締めて、
湧き上がる声を圧し殺すのが、精一杯。


「ちょっと、落ち着けって。場所、替えよ」


ここへ来て、
ようやく事が思ったより深刻だと気づいたのか、

「向こうに車、停めてきたから。な?」

彼が私の手を引いて、
半ば強引に、車に向かって歩き出す。

落ち着かなきゃいけないのは、彼も同じだと思ったけれど。

場所を替えたいのは、確かだった。


気づけば。


人ごみの中、いきなり険悪ムードになって、
挙句の果て、泣き出した私に、
それとなく、周りの視線が突き刺さってくる。


忘れるとこだった。


知らないヒトには、ただの、「ちょっとカッコいいお兄ちゃん」にすぎないけれど、
彼は、人の注目を集めやすい仕事をしてるってこと。

彼自身は、普段、気にもしていないことだけど、
街中で、あまりに目立つ騒ぎは厳禁なこと。

そしてなにより。

泣いたら最後、彼の心が離れてしまうってこと。

「女の涙」は彼にとって、
理解不能なものらしいから。

だから、今までがまんしたのに・・・。







彼の運転する車は、渋滞する街中を抜け、
閑静な闇の中を走り続けた。

彼も私も、無言のまま。

彼のセレクトした音楽だけが、
静かに、ささやくように響いていた。

いつもの彼の好きな音楽とは別の、
やわらかな音色の、オルゴール音。

どこへ行くのか、
どこへ行きたいのか。

知っていたのは、きっと       





後編へ続く。