あとがき、でございます。
ああ、長かった。
お付き合いくださった方、ありがとうございました。
自分でも、打ち込んでて、こんなに長くなるなんて思ってもなかったんです。
書き溜めた元の原稿はあるんですけど、
ちょいちょい言い回しを書き直したりしたもんだから、
時間もとってしまったし。
このお話、
書き始めるときは、二人は別れる方向だったんです。
そのつもりで、話を組んでたし。
でも、なんか、違う方向、違う方向にいってしまって。
ああ、また、主人公が、
特に、彼の方が、勝手に動き出しちゃったなって((笑
物書きとしては、致命的ですよね。
予定どおりに、話を作れないなんて。
そんなわけで、
ちょっと、補足的なおまけを、続きで。
待ち合わせの場所に向かう車の中での、
彼の、ひとりごと、です。
おまけ
やばい、やばい、やばいっ!!
あかんがな、遅れとる。
約束の時間から、もう一時間以上も過ぎてるやん。
なんでこんなに道が混んでんねん。
さっきから、ちっとも前に進まへんやんけ。
あ、クリスマスやからか。
どないする?
もう、待ってへんのと、違うかな。
オレ、時間過ぎたら帰れ、言うたしな。
大体、なんで、今日みたいな日に会いたがるねん。
今日が最終日やねんから、終わりが延びるくらいのこと、
想像出来るやろ、っちゅうねん。
はけて、ソッコー、シャワー浴びて、着替えて出ても、この時間やねんぞ。
まあ、普段から、そうは我儘も言わん、あいつのことやから、
こっちも安心して仕事も出来るし、羽根も伸ばせるんやけど。
ほんでも、
今日の約束するときは、ちょっと、様子が違った気、するんだよな。
クリスマスって行事は、女にとって、そんなに大事なんかな。
別に、ただの、キリストさんの誕生日やろ?
仏教徒には、関係あらへんのと違うか?
浮かれすぎやねん、どいつもこいつも。
まあ、そういうオレも、あいつにプレゼントなんか、
いっちょまえに用意もしたけど、やな。
気に入るかな。
ブランドもんとかとちゃうし、
石、偽モンの、安っすいヤツやしな。
けど、これ見つけたとき、
真っ先に、あいつの顔、浮かんだからな。
似合うやろなあ、思うて。
これ、買うんに、どんだけ勇気がいったか、
考えてほしいわ。
店員さんに、『これ下さい』が言えんと、
延々、一時間も、店ん中、うろうろして。
見ようによっては、不審者やん、オレ。
結局、一回店出て、気を落ち着けて、
勇気振り絞って、もう一回、行ったんやから。
そうまでしてでも、
あいつに、これ、買ってやりたかったんは、なんでやろ。
クリスマスのせいか?
店員さんに頼んで、
そばにあった、ディスプレー用の、
小っちゃな、サンタのろうそくまで、中に入れてもろうて。
オレも、浮かれてんのか?
ちゃうわ。
絶対、浮かれてんのと、ちゃう。
せやって、クリスマスやから買うたんとちゃうもん。
いやいや、サンタは、クリスマスやけども、や。
サンタは、口実や。
あいつの喜ぶ顔、見たかっただけやねんな、きっと。
最近忙しくて、ろくに会えてもないし。
電話やって、メールやって、
疲れてると面倒で、
愛想もないもんばっかし返してた気、するからや。
あいつ放っといて、後輩とばっかし、ツルんで遊んでたから、
淋しがらせてるんは、判ってんねんけど。
自由にさせてほしいって、
どうしても、思ってしまうねん。
あいつに甘えてるんやろな、きっと。
アカンよなあ。
そんな甘え方、通じんよなあ。
判ってくれ、言う方が、無理があるよなあ。
普通、甘えんのは、女の特権やからな。
あ、そういえば。
あいつが甘えんの、あんまり、見たことないわ。
そのせいかな。
あいつやったら、どんな無理も、ムチャも、やんちゃも、
許してくれるような気になってるんやろな。
あいつやったら、オレが自由に息できる場所、
作って、待っててくれてる気がすんねん。
そうや。
今日は、ちゃんと、あいつを甘えさせてやらんと。
そのために、無理してでも、時間作ったろって思ったんやから。
まだ、待ってる、かな。
待ってるよな、きっと。
頼むから、待っててくれよ。
オレ、
おまえのこと、
好きやからな。
ずっと、そばにいてくれよな。
FIN.
ああ、長かった。
お付き合いくださった方、ありがとうございました。
自分でも、打ち込んでて、こんなに長くなるなんて思ってもなかったんです。
書き溜めた元の原稿はあるんですけど、
ちょいちょい言い回しを書き直したりしたもんだから、
時間もとってしまったし。
このお話、
書き始めるときは、二人は別れる方向だったんです。
そのつもりで、話を組んでたし。
でも、なんか、違う方向、違う方向にいってしまって。
ああ、また、主人公が、
特に、彼の方が、勝手に動き出しちゃったなって((笑
物書きとしては、致命的ですよね。
予定どおりに、話を作れないなんて。
そんなわけで、
ちょっと、補足的なおまけを、続きで。
待ち合わせの場所に向かう車の中での、
彼の、ひとりごと、です。
おまけ
やばい、やばい、やばいっ!!
あかんがな、遅れとる。
約束の時間から、もう一時間以上も過ぎてるやん。
なんでこんなに道が混んでんねん。
さっきから、ちっとも前に進まへんやんけ。
あ、クリスマスやからか。
どないする?
もう、待ってへんのと、違うかな。
オレ、時間過ぎたら帰れ、言うたしな。
大体、なんで、今日みたいな日に会いたがるねん。
今日が最終日やねんから、終わりが延びるくらいのこと、
想像出来るやろ、っちゅうねん。
はけて、ソッコー、シャワー浴びて、着替えて出ても、この時間やねんぞ。
まあ、普段から、そうは我儘も言わん、あいつのことやから、
こっちも安心して仕事も出来るし、羽根も伸ばせるんやけど。
ほんでも、
今日の約束するときは、ちょっと、様子が違った気、するんだよな。
クリスマスって行事は、女にとって、そんなに大事なんかな。
別に、ただの、キリストさんの誕生日やろ?
仏教徒には、関係あらへんのと違うか?
浮かれすぎやねん、どいつもこいつも。
まあ、そういうオレも、あいつにプレゼントなんか、
いっちょまえに用意もしたけど、やな。
気に入るかな。
ブランドもんとかとちゃうし、
石、偽モンの、安っすいヤツやしな。
けど、これ見つけたとき、
真っ先に、あいつの顔、浮かんだからな。
似合うやろなあ、思うて。
これ、買うんに、どんだけ勇気がいったか、
考えてほしいわ。
店員さんに、『これ下さい』が言えんと、
延々、一時間も、店ん中、うろうろして。
見ようによっては、不審者やん、オレ。
結局、一回店出て、気を落ち着けて、
勇気振り絞って、もう一回、行ったんやから。
そうまでしてでも、
あいつに、これ、買ってやりたかったんは、なんでやろ。
クリスマスのせいか?
店員さんに頼んで、
そばにあった、ディスプレー用の、
小っちゃな、サンタのろうそくまで、中に入れてもろうて。
オレも、浮かれてんのか?
ちゃうわ。
絶対、浮かれてんのと、ちゃう。
せやって、クリスマスやから買うたんとちゃうもん。
いやいや、サンタは、クリスマスやけども、や。
サンタは、口実や。
あいつの喜ぶ顔、見たかっただけやねんな、きっと。
最近忙しくて、ろくに会えてもないし。
電話やって、メールやって、
疲れてると面倒で、
愛想もないもんばっかし返してた気、するからや。
あいつ放っといて、後輩とばっかし、ツルんで遊んでたから、
淋しがらせてるんは、判ってんねんけど。
自由にさせてほしいって、
どうしても、思ってしまうねん。
あいつに甘えてるんやろな、きっと。
アカンよなあ。
そんな甘え方、通じんよなあ。
判ってくれ、言う方が、無理があるよなあ。
普通、甘えんのは、女の特権やからな。
あ、そういえば。
あいつが甘えんの、あんまり、見たことないわ。
そのせいかな。
あいつやったら、どんな無理も、ムチャも、やんちゃも、
許してくれるような気になってるんやろな。
あいつやったら、オレが自由に息できる場所、
作って、待っててくれてる気がすんねん。
そうや。
今日は、ちゃんと、あいつを甘えさせてやらんと。
そのために、無理してでも、時間作ったろって思ったんやから。
まだ、待ってる、かな。
待ってるよな、きっと。
頼むから、待っててくれよ。
オレ、
おまえのこと、
好きやからな。
ずっと、そばにいてくれよな。
FIN.