昨日の報道ステーションの、∞君たちの映像。
細かくうなづいているすばる君に、キュンキュンしてました。
いやん、可愛い
そんなすばる君を相手の、妄想小説。
16話めの、後編になります。
続きから、どうぞ。
だから、
たまに会えたら、嬉しくて嬉しくて、
彼に抱きしめられるたびに、
幸せってもの、感じてた。
いくらケンカしても、
『ちィ兄』は私だけのもんで、
私は、『ちィ兄』だけのもんだと、思い込んでた。
彼が地元にいるときは、
一秒だって離れてるのはイヤだった。
親に嘘ついて外出して、
遊びまわって、
塾どころか、学校サボるんだって、なんとも思わなかった。
新しい仕事始めて、
慣れない場所で、精一杯頑張ってた彼にとって、
そんな私の存在が重荷になってるなんてこと、
頭の中に、
これっぽっちも、考えたこと、なかった。
私には、『ちィ兄』しか、見えてなかった。
彼の置かれた環境を思いやる余裕なんて、なかった。
彼の選んだ仕事は、けっこう弱肉強食の世界で、
他人に強制されることだって、多い。
『なんでや、どうしてや』
子供のときから、
自分の納得できないものに対して、
くってかかることの多かった『ちィ兄』にとって、
そんな状況が、辛くなかったはずはなかったのに。
今だったら、
そう、思えるのに。
あの頃の私は、
私のことだけを見てくれない彼にイライラして、
わざとケンカふっかけてみたり、
無理難題な我儘、言ったり、
メソメソ泣いてみせたり。
もっそい、うっとうしい女に、成り下がってた。
自分では、気付いてへんかったけど。
気付かせてくれたんは、
ほかの誰でもない、ママ、やった。
たまたま、家に遊びに来てたママと顔あわせたときに、言われた。
『あのコのこと、好いてくれるんは、親として嬉しいけど、
でも、私な、あのコのこと大切なんと同じくらい、
あんたのことも、大事やねん』
『せやから、生活荒れてるあんた見てたら哀しいし、
その原因が自分の子やったら、なお、ツライわあ』
『恋愛ってな、自分磨きの連続やで』
『昨日よりも今日、今日よりも明日の自分が、
どんだけカッコイイ女でいられるか、が勝負みたいなとこ、あるやん』
『オトコだけに頼ってたら、
この先、自分の道歩くんは、シンドイばっかしやで』
『鏡、見てみ。
笑顔の素敵なコのほうが、人生、得すると思うけど、な』
お説教は聞きたくなかった。
だけど。
ママは、笑ってた。
子供の時から変わらない、私の大好きな笑顔で。
だから、気付いた。
ママが微笑う、その笑顔の奥に隠されている気持ちに。
『ちィ兄』の前で、
笑顔すら見せてない、私自身に。
私を見るときの、
『ちィ兄』の、困ったような笑顔に。
私と『ちィ兄』の、これから、にも。
もう・・・アカン、のかな。
もう、嫌われてしまったんかな。
好きなんは、私だけ、なんかな。
ほんまに、好きやのに。
・・・でも、好きってだけじゃ、どうにもならんのかな。
迷って、迷って、
考えて、考えて、
出た結論が、ひとつ。
もとの、幼馴染に戻ること。
『ちィ兄』をキライになるんは、難しい。
好きって事実は、変えられない。
忘れることも、できそうにない。
けど、このまま、
恋人でいることは、できないんやったら?
好きでいても許される立場は、なに?
考えて、考えて、
考えるたびに涙が溢れて、どうしようもなかったけど、
でも、
いつか、その涙も、涸れた。
『ここらで、ちゃんと、終わらせよ。
もう、ふたりでは、会われへん』
彼の、最後の言葉を聞いたとき、
記憶の扉に、鍵が、かかった。
あの日、
私は、彼の前で、ちゃんと微笑えたかな。
今でも、私は彼のファン第1号だって、自分では思ってるけど、
もう、
彼は私のことなんて、
覚えていないんだろうな。
そろそろ、お時間でございます。
式場の世話係が、控え室に知らせてくれた。
さあ、
ここから。
私の、新しい日々の、始まり。
バイバイ、『ちィ兄』。
FIN.
細かくうなづいているすばる君に、キュンキュンしてました。
いやん、可愛い
そんなすばる君を相手の、妄想小説。
16話めの、後編になります。
続きから、どうぞ。
だから、
たまに会えたら、嬉しくて嬉しくて、
彼に抱きしめられるたびに、
幸せってもの、感じてた。
いくらケンカしても、
『ちィ兄』は私だけのもんで、
私は、『ちィ兄』だけのもんだと、思い込んでた。
彼が地元にいるときは、
一秒だって離れてるのはイヤだった。
親に嘘ついて外出して、
遊びまわって、
塾どころか、学校サボるんだって、なんとも思わなかった。
新しい仕事始めて、
慣れない場所で、精一杯頑張ってた彼にとって、
そんな私の存在が重荷になってるなんてこと、
頭の中に、
これっぽっちも、考えたこと、なかった。
私には、『ちィ兄』しか、見えてなかった。
彼の置かれた環境を思いやる余裕なんて、なかった。
彼の選んだ仕事は、けっこう弱肉強食の世界で、
他人に強制されることだって、多い。
『なんでや、どうしてや』
子供のときから、
自分の納得できないものに対して、
くってかかることの多かった『ちィ兄』にとって、
そんな状況が、辛くなかったはずはなかったのに。
今だったら、
そう、思えるのに。
あの頃の私は、
私のことだけを見てくれない彼にイライラして、
わざとケンカふっかけてみたり、
無理難題な我儘、言ったり、
メソメソ泣いてみせたり。
もっそい、うっとうしい女に、成り下がってた。
自分では、気付いてへんかったけど。
気付かせてくれたんは、
ほかの誰でもない、ママ、やった。
たまたま、家に遊びに来てたママと顔あわせたときに、言われた。
『あのコのこと、好いてくれるんは、親として嬉しいけど、
でも、私な、あのコのこと大切なんと同じくらい、
あんたのことも、大事やねん』
『せやから、生活荒れてるあんた見てたら哀しいし、
その原因が自分の子やったら、なお、ツライわあ』
『恋愛ってな、自分磨きの連続やで』
『昨日よりも今日、今日よりも明日の自分が、
どんだけカッコイイ女でいられるか、が勝負みたいなとこ、あるやん』
『オトコだけに頼ってたら、
この先、自分の道歩くんは、シンドイばっかしやで』
『鏡、見てみ。
笑顔の素敵なコのほうが、人生、得すると思うけど、な』
お説教は聞きたくなかった。
だけど。
ママは、笑ってた。
子供の時から変わらない、私の大好きな笑顔で。
だから、気付いた。
ママが微笑う、その笑顔の奥に隠されている気持ちに。
『ちィ兄』の前で、
笑顔すら見せてない、私自身に。
私を見るときの、
『ちィ兄』の、困ったような笑顔に。
私と『ちィ兄』の、これから、にも。
もう・・・アカン、のかな。
もう、嫌われてしまったんかな。
好きなんは、私だけ、なんかな。
ほんまに、好きやのに。
・・・でも、好きってだけじゃ、どうにもならんのかな。
迷って、迷って、
考えて、考えて、
出た結論が、ひとつ。
もとの、幼馴染に戻ること。
『ちィ兄』をキライになるんは、難しい。
好きって事実は、変えられない。
忘れることも、できそうにない。
けど、このまま、
恋人でいることは、できないんやったら?
好きでいても許される立場は、なに?
考えて、考えて、
考えるたびに涙が溢れて、どうしようもなかったけど、
でも、
いつか、その涙も、涸れた。
『ここらで、ちゃんと、終わらせよ。
もう、ふたりでは、会われへん』
彼の、最後の言葉を聞いたとき、
記憶の扉に、鍵が、かかった。
あの日、
私は、彼の前で、ちゃんと微笑えたかな。
今でも、私は彼のファン第1号だって、自分では思ってるけど、
もう、
彼は私のことなんて、
覚えていないんだろうな。
式場の世話係が、控え室に知らせてくれた。
さあ、
ここから。
私の、新しい日々の、始まり。
バイバイ、『ちィ兄』。
FIN.