殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

不幸選手権

2009年01月13日 10時36分48秒 | 不倫…戦いの記録
父の死で香典や列席など

院長から同僚まで良くしてもらったので

請われるままにもう少し仕事を続けることにしました。

またまた「お礼奉公」というやつです。


女郎じゃあるまいし…とも思うのですが

辞めようと思っていた時期にこういうことになるのは

やはり意味深いものがあるような気がしていました。


私が病院の厨房に行ったのは

不幸のメカニズムに気付くためだったのかもしれません。


まず「綱吉」。

あみきちではありませんよ、つなよしです。

ニックネームは私が付けました。

ペットの犬が命で、暴君だからです。

離婚して実家に帰ったものの

老後が心配になってきた綱吉は、皆に離婚を勧め

そのうち「なかなかしない!」と一人で怒りだします。


誰かを同じ境遇に引きずり込もうとする執念は

すごいものがあります。

人は、ひとたび出口の無い不幸の迷路に迷い込んでしまうと

どうにかして仲間を増やし、安心したいという本能があるようです。


そして「ドルジ」。

見た目がそっくりだからです。

家族の病気、犯罪、金銭トラブルなど

息つく暇もないほど次々と不幸に見舞われますが

本人はいたって明るく

「こういう時のために市役所や社会保険事務所がある」

と豪語します。


「大変なんです。困ってるんです」

と訴え、あわれと思ってもらえれば、必ず道は拓ける…

いや、蛇の道はヘビ、公務員が拓いてくれるのだそうです。

家にこもって「大変」と言っているだけではダメで

その機関へなんとしてでも出向いて直接訴えることがコツだそうです。


おおかたの人間は、その「敗北宣言」をしたくないばっかりに

無いものを無いと言えず、必死で踏ん張っているのではないでしょうか?


「無いんだから、税金で助けてもらうのは当たり前」

恥ずかしい…情けない…そんな感情を取っ払ってしまえば、確かに楽です。

ある意味、甘え上手?


医療費貸付け制度のことや、年金より生活保護の金額のほうが多いことなど

ドルジから教えてもらいました。

将来困るようなことになったら、ドルジの指導を仰ごうと考えています。

      
この綱吉とドルジ…ものすごく仲が悪いのです。

というより、ほとんど憎しみ合っていました。


綱吉は「ドルジのような病人だらけの貧乏人とは違う」と言い

ドルジはドルジで「うちには金は無いが愛がある」と負けてはいません。


お互いの不幸をあざ笑う目くそ鼻くそ…ではありますが

すぐ人がバカに見える私には、そこで自分も他の者と同じなのだと

思い知る必要があったのだと思いました。


夫から愛されてない私は、ずっと不幸なのだと思って生きてきました。

しかしその代償として与えられた多くのもの…

自分や家族の健康、なんとか人並みの生活

困らされることのない身内などなど…

そのありがたさに気付かず、足りないものにこだわり続けた結果

どんどん悪い方へ悪い方へ落とされて

とうとうここまで来てしまったと心底痛感していました。

でも、まだ足りなかったようです。


他にもいろいろ出入りがあり、それぞれに個性的な人がいました。

「マダム・リー」

自己中で理不尽なことばかり言うのですが

憎めないサバサバした人だったので、そんなニックネームをつけました。

その心は…

「りふじん」「りーふじん」で美しく「マダム・リー」。


中でも圧巻は「コロちゃん」です。

長年の姑仕えで人間が出来ており

することが何でも早いのですが、雑なのが玉にキズでした。


ある日、元気が無いので「どうしたの?」と聞くと

「今朝、車を車庫にバックで入れたら…」

「…?」

「車庫に犬をつないでいたのを忘れていて…」

「い…犬は…?」

「死にました」

殺し…のコロちゃんです。


コメント (10)
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