殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

100回記念・最終回

2009年01月27日 11時28分38秒 | 不倫…戦いの記録
今日でこのブログは100回になります。

そして、どうしたことか今日…1月27日は結婚記念日です。


今朝、心から夫に言いました。

「二十○年間、夫婦でいてくれてありがとうございます」

おまえはマゾか?と言われそうですが、そうではありません。

アマチュアスポーツと国技との違いをわきまえず

優勝パレードに自国の旗を振る相撲取りのようになりたくないだけです。

どんなに祖国が大事でも、今日本で金儲けをしているのです。

我慢、抑制からにじみ出る日本の美学を大切に生きて参りたいと思います。


このような夫と添えばこそ、珍しい体験をさせていただき

強く鍛えていただき、そしてなによりブログのネタになっていただいたから

こうして皆さんとお会いできたのです。

感謝せずにはいられませんとも。


いつも楽しいコメントを寄せてくださる皆さん

立ち寄ってくださる皆さん

本当にありがとうございます。



さて、U子は小さなビンを手にとって

私の顔を馴れ馴れしくのぞき込みます。

「このクリームはね、お肌がとってもうるおうんですよぉ!」

          知っとるわい…

          ちっともうるおわんかったわい…            

          
     「おや、私の肌がカサカサということですの?」

「いいえ~!そんなことは…。あ、こっちの化粧水なんかどうです?

 うちのは、すごくいいんですよ」

     「うちのって…あなたがお作りになったの?」

「キャーハハハ!面白いかた!」

この女、元ホステスだけあって、客あしらいは多少知っているようです。


「これはね、お肌の調子を見ながら必要な水分を調節して

 今お肌にベストな水分量を空気中から取り込むんです」

     「まあ、すごい。化粧水がそんなことをするんですか?」

「そうなんです。これは業界でも新しい…考える化粧水なんですよ」

     「化粧水のぶんざいで、人間様の肌を見て考えるなんて。

      …知能がありますの?」

「アハハ…ほんと面白いわ!

 知能というか…それほどすごい成分が配合されているということですね」

  
   「まったく素晴らしい。ぜひ学会に発表して、人類を救うために

    活用なさったらよろしいのに」


「いえ~、そんなことをするより、お客様をキレイにしてあげるほうが

 いいんですよぉ」   

    「ほぉ~。なんと奥ゆかしいこと」

            川口浩か…


嘉門達夫の歌です。

俳優の川口浩は、昔、探検の番組を持っていました。

私たち子供は、ジャングル奥地や秘境を探検する彼の一挙手一投足を

固唾を飲んで見守ったものです。

未知の原住民や、あらたな生物を毎週発見するのですが

決して学会に発表しないのです。

その奥ゆかしさをたたえる?歌でした。

「やらせ」という単語がまだ無かった時代です。


私が厄介な客だということでしょう。

個人情報記入で接触した若い男も、ヘラヘラと近づいて来ました。

「○○様~!ちょっと手につけていただいたら

 良さがわかってもらえると思いますよ~」

こいつは私の名字を知っているのです。


名字を聞いたU子の動きと愛想笑いの声がピタッと止まりました。


         「けっこうです」

「おぉっと!そんな淋しいことおっしゃらずに…

 わざわざ遠くから来ていただいてるのに~」

       何が淋しいだ。日本語は正しく使え!

       バカタレが… 


「遠くからですか?どちら?」

    「あなたがサロンを開かれるという○○市ですよ」

「…へぇ~。じゃあ…開店したらぜひいらしてくださいね」

    「ほほほ。もしもつつがなく開店されましたら…ね」


この女、かなりの負けず嫌いのようです。

不屈の精神で、化粧水のフタを開けました。


私の手を取って、化粧水をつけようとするので…

     「やめておいたほうがいいと思いますよ」

「え?」

    「私、病気ですの。感染するかもしれません」


「また…ご冗談を…。元気そうじゃないですか。

 もし体調が良くないなら、いいサプリメントもありますよ」


      「いえ、現代医学ではどうにもなりませんから」


「それって…」


      「ご想像にお任せしますわ」


U子とおちゃらけ男、それに両隣にいた「梅仲間」が飛び退きました。

      「ちなみに…主人から感染しました。

       あなたのパートナーの!」

             ニヤリ


固まっているU子たちを尻目に

私はそのままゆっくりと会場を出ました。

外に出ると、夫が車の中にいました。

呆然と見つめる夫の横をすり抜け、家路に着きました。


のちほど私が書いた負債うんぬんも、U子の耳に入るでしょう。

みじんもパートナーを疑うことなく

ぜひとも真実の愛を貫いていただきたいものです。


その後、二人がどうなったのかはわかりません。

ただ、「サロン」が町に開店することはありませんでした。 



               ~完~ 


    長らくご愛読くださり、まことにありがとうございました。
         
コメント (13)
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