殿は今夜もご乱心

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老後破産

2016年06月22日 09時13分16秒 | みりこんぐらし
テレビをつけたら、老後破産というのをやっていた。

現役時代、何不自由ない暮らしをしていた人でも

年金生活になるとお金が回らなくなり

困窮するケースが増えている‥

それを老後破産と呼ぶそうだ。


医療費や、香典などの交際費も年金をおびやかすが

老後破産の大きな原因は、持ち家の維持費だそう。

修繕費に固定資産税、一軒家だと光熱費も多い。


わかるわ‥身につまされるわ。

その上、庭なんかあってごらんなさい。

水やりの水道代は万単位。

定期的な剪定や消毒は、すでに美観のためではなく

近所迷惑にならないための

義務的出費になり下っている。

若い頃にはご自慢だったヤカタが

先で老夫婦の首を絞めることになったわけよ。


4年前、我々夫婦は確か

両親の病気が発端で同居するようになった。

しかし実際に行なったことといえば

病人の面倒を見るより

生活費を始めとする各方面への支払いを

肩代わりする方が頻繁だった。


何かおかしい‥どこか間違っている‥

時折、そう思わないでもなかったが

病人達のホッとした顔を見ると

それが何よりの看病のような気がした。

慣れて落ち着いた今は、だまされたような気分だ。


このような状況はうちだけかと思っていたら

そうでもないらしい。

隣の一人暮らしのおばさんは、時折こぼす。

「一人分の年金で、家に庭に

浄化槽のおもりまでするのは厳しいわ。

早く息子夫婦に帰ってもらって交代したい」

寂しくて同居を望んでいるのかと思ったら

厳しくて同居を望んでいる口ぶりだ。


反対側の隣に住む未亡人のおばさんや

定年後に帰って来た息子夫婦とは

お金について話すほど親しくはないが

年に2回行っていた庭木の剪定と消毒を

1回に減らすと言っていた。

いずこも‥とまでは言わないが

少なくとも、うちと両隣は似たようなものらしい。


ただし、1回飛ばしたら

次の回で2倍の費用がかかることを

彼らはまだ知らない。

1回飛ばすと、枝は数倍に増える。

切った枝の廃棄料は高い。

庭師に廃棄場まで何往復もさせたら

日当よりずっと高くつくことを

我々はすでに経験済みであった。


この3軒のお爺さん達は

高度成長期の恩恵で、ひとまず男の夢を叶え

ワンマンの限りをつくしたあげく

広い庭と住みにくい屋敷を遺して

先に死んでしまった。

「あると便利な物は買わない。

無いと困る物だけを買いましょう」

テレビの人は、老後破産回避の心得を唱えるが

老後破産が増えているのは

もしかしたら、こういうお爺さんが

たくさんいたからじゃないのか。

そう思うと、何だか腹立たしい。


ともあれこの数年

我々夫婦が日々いそしんでいたのは

介護やお世話なんかじゃなく

老後破産の始末だったことは、よくわかった。

老後誤算で老後悲惨、それが老後破産。

ああ、納得。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
思い出 (みりこん〜婆姫さんへ)
2016-07-19 21:15:01
老人の庭木への執着は
若い者の想像を超えるものがあるみたいですね。
1本1本が大切な思い出であり、人生そのもの。
切ることは、死ねと言われるのと同じウェート。
うちだけかと思っていたら
隣の若夫婦もそう言ってました。

そうよ。
あの木さえ切れば、車が入るのに‥
あの木さえ無くなれば、庭掃除が楽なのに‥
こんなのばっかり(笑)

実家の母は草取りをあきらめ
草刈機の「草刈ケンタロウくん」を
通販で買いましたが
「音ばっかりでちっとも刈らん。
ケンタロウは仕事せん!」と言ってました。
返信する
実家 (婆姫)
2016-07-18 14:39:38
実家が草ぼうぼう

手が出せないよ

そのでかい木を切れば・・・・

車の出入りが楽なのに・・・

そこは長年の経験と技術でカバーせねばならぬらしい・・・

木を切ると何か悪い事が起こると信じている・・・

一本、一本 思い出があるらしい

困ったものね
返信する
ありがとうございます (みりこん〜婆姫さんへ)
2016-06-29 09:49:32
木はヨシコ亡き後には全部切り倒して
駐車場にする所存ですが
何年先になるかわからんもんね。
とりあえず増やさない、伸ばさないを
肝に銘じます。

老人と庭って、関係が強いみたいですね。
口を出すと人格が変わる。
行動範囲がだんだん狭まる中
庭が最後の砦なのかも。
返信する
対策 (婆姫)
2016-06-28 08:32:37
最近、友人とやって対策

背の高さより高いものは切る
手が届かないと切れなくなる
脚立にのれない

草対策に蔦を植える
高速の緑地帯などに植えてあるやつである

やたら、鉢を買わない、袋栽培にする
片付けが簡単

一角に堆肥製作所と称する草捨て場を作っておく

老後対策は維持費がかかる物は減らしておくがいちばんよね。
返信する
二輪の草刈り! (みりこん〜モモさんへ)
2016-06-24 10:25:50
そんなのがあるんですか。
そりゃ、広い平地じゃないと使えませんね。
普通の草刈り機より安全そう。
二輪の芝刈り機ならうちにもありますが
木が増えて芝生の居場所が無くなり
ハゲ果てた今や無用の長物。

やってきたことが無駄じゃないと思える瞬間
ありますね。
長く苦しい旅をしてたどり着いた
本当に自分が居るべき場所‥
旅は、そのための養成期間だった‥
あの人も、この人も、今はありがとう‥。

そしてそこからまた、新しい旅が始まる。
今度はあてどなく愛を探す旅じゃなく
愛を与える旅。
そのための力の準備はできている。
そんな瞬間。
返信する
Unknown (モモ)
2016-06-23 23:26:34
だだっ広い敷地は、田舎のせいか季節のせいか、直ぐに草ボウボウに。それも胸元までの高さ。(^^;
お天気と相談しながら、朝30分だけと決め、小まめに草刈り。
二輪の草刈りを両手で押しながら、バチバチバチ~!!と、草を刈り散らしています。

父よ…やるだけやって、後片付けは?

仕事を手伝うようになって、「わからん!」「知らん!!」(# ゜Д゜)に、何とか折り合いをつけながら、手伝っていますと、少しは楽になったのか、確かにホッとしたような顔を見かけますが、ボケるのではないかと、ヒヤヒヤです(^^;

広い敷地の草刈りに、残骸整理に、整理整頓、事務系の仕事…結構肉体労働が多いようで。

鍛えといて良かった~♪

この頃、自分の半生を振り返り、何となく無駄なく辻褄が合ったような気がしています。(笑)
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