ついにバレンティンがシーズン最多本塁打の日本新記録となる56号、さらに記録を伸ばす57号を打った。大変めでたい。今年一番うれしかったこと、かもしれん。台風が近づいてきたので、打った後は試合が成立するかどうかでハラハラした。
なかなか感動的な56号ツイート。
これからは誰も踏み込んだことのない領域を行く。
喜ぶ人がいる一方で、いちゃもんをつける人もいるので予防線を張っておこう。
王氏の55本は130試合制で、今は144試合だが、今日は126試合目なので、試合数は関係ない。まあ、55号を130試合前に打ってる時点で無問題なのだが。
さらに言えば、バレンティンは怪我で開幕から12試合を欠場しているので、今日は114試合目ということもできなくもない。
神宮球場は確かに狭くて本塁打が出やすいが、王氏も両翼89mの後楽園球場だった。まあ、Wikipediaによると「55本塁打のうち24本は飛距離400フィート (約122m) 以上という大リーグの球場でも十分にスタンド中段に届く大型ホームランであり、決して球場の狭さに助けられた記録ではない、と宇佐美徹也は評価している」らしいけど。
「飛ぶボール」に代わったからだと言うが、セリーグの2位ブランコが37本でかなり多いが、パリーグは1位でも中田翔の28本。今年のボールは「飛ばないボール」ではなくなっただけだ。
道具による飛ぶ・飛ばないでいえば、王氏の頃は圧縮バットだった。飛ぶと言われていた圧縮バット、今は禁止されている。
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他の球団のファンからは化け物とかレジェンドとか言われているが、我々ヤクファンの見方は少し違う。
去年までは「春ンティン」と呼ばれるほど、春だけ打って後はダメだった。フライドチキンをかじりながら監督の話を聞くとか、試合中にtwitterしてるとか、あんまりいい子とは言えない。気まぐれで好不調の波が激しく、また怪我も多く、去年までは1軍と2軍を行ったり来たりしていた。期待に応える率より、期待を裏切る率が高い選手だった。夏以降は「
糞ンティン」と呼ばれていた。強肩だが守備は危なっかしく、ミレッジがレフトしかできないので必然的にライトを守ることになり、まともな外野手はセンターの上田だけ。本当にハラハラさせられたし、正直今のウチのディフェンスはバランスが悪いと思う。
そんなバレンティンが、今年もWBCで怪我をして出遅れ。彼はサボり癖があるので、複数年契約を結んだ1年目でどうなることかと心配してたら、あっという間にブランコを追い抜いて8月は
月間18発の新記録。そして今日の記録達成&更新。相変わらずスイングの軌道が安定せず、高めの糞ボールを打ったかと思えば、左足首に当たる寸前の球をゴルフスイングしたりで、正直何が良くてここまで来たんだかわからない。
バレンティン本塁打新:パワー・技・そして努力
先日の試合で、解説の小久保が「ステップが小さいのでフォームを崩されにくい」と言っていた。あれだけ小さいステップであそこまで飛ばすのは凄い、自分のパワーでは無理、とも。
梨田は「ボールを追いかけなくなった」と言ってた。確かに外に逃げるスライダーにクルクル回ることはなくなったと思う。
確か与田だったと思うが「打つ瞬間に上体を後ろに倒してボールを上げるようになった」と言ってた。言われてみれば、今年のバレは打った瞬間のけ反ることが多く、フォロースルーで後ろにいったバットが捕手の頭を直撃したりしてた。
僕が気づいた点としては、相手の投手が交代するとき、すかさずスコアラーにクリップボードのようなものを見せてもらってること。投手別の球種表だと思うのだが、その辺も去年と違って落ちる変化球に手を出さなくなった理由かもしれない。
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さっき「すぽると!」で宮本が「スコアボードの56という数字を見て、こいつは凄い奴だと思った。56以上の数字は誰も見たことがなかったんですからね」と言ってた。イチローのときもそうだったが、誰も到達したことのない領域を突き進む人間の姿はかっこいい。とにかく怪我にだけは気を付けて、最低でも60本以上打って欲しい。
先月、スワローズのCS出場の可能性を探る記事をアップした翌日、その対象チームであるカープに連敗した。バレンティンのことは書きたくてしょうがなかったのだけど、書くと怪我しそうで書けなかった。ようやく書くことが出来てうれしい。
ちなみに、シーズン50本以上打った打者がいるのにチームが最下位なのは史上初である。もう最下位でもいいよ。最下位だから警戒されなくて本塁打が出やすいというのもあるし。
ちなみにちなみに、首位打者と打点王と最多勝がいるのに最下位になったチームがある。2007年のスワローズだ。