ニヨ・トマム 須磨虎寅訳(韜晦社)
《あらすじ》
開かれるたびにその魔力が世界を変える――。伝説の書物の封印が解かれると聞きB・S邸に集まった15人の読書家たち。贅をこらした晩餐のあとに出された毒入りゼリーによって、彼らは次々と倒れてゆく。
絶えず顔を変え続ける水色の女主人、紅い森全体にはり巡らされた無数の書庫塔、紫色に硬直した地下の巨大水族館、夜空を自在に飛びまわる黄色い秘密結社、屋根をすり抜ける半透明の碧猫、そして裏返ったままの白い表紙………。数世紀ものあいだ隠されていた「彼」の目的とは……?
期待の超新星が放つ初の長篇ミステリ登場!!
《この一文》
”君はいったい「透明」であるということを、どのように理解したつもりかね? 君が言うのは「透明」などではないよ。そんなのは違う。「透明」というのは、つまりだ………ああ…それは……………。
彼はそこまでしか話すことができなかった。だが息絶えた彼の言えなかった言葉は、見開かれたままの菫色の瞳から流れ出していた。
それは明るい夜の静寂だった。それは誰にも見られていないときの彼女のあるいは彼の微笑だった。空から一瞬で地上に達する稲妻の中心だった。初めて覚えた言葉だった。暗い海に射し込む明け方の虹だった。触れなかった指先だった。この丸い天球を、太陽を、宇宙を満たしつづけるものだった。
「透明」だった。
残された者のひとりが、それをそっと手に取ったのを、私は扉の向こうから覗いていた。 ”
……ふぅ~~。
本のあらすじを考えるのって、けっこう大変ですね。
あらすじだけでも大変なのに、ましてや内容を考えるなんて想像もつきません。ええ、ええ、ニヨ・トマム著『Dive into the Sea』なんて本はないですよ。面白そうだと思ったのにダマされた!という方がいらしたらスミマセン。って、いないか。
ニヨ・トマム氏はどこの国の人なんでしょうか。それはあからさまな私のアナグラム(NYIO TOMAMU)。本名とさほど変わらない間抜けな音感が気に入っています。「期待の超新星」って何だ、安っぽいな。ぷぷー。謎の翻訳者は須磨虎寅(スマトラ虎)氏です。天王寺動物園トラ科を卒業後、独学で語学を習得したらしいです。しかし、ふざけたつもりの韜晦社ってのは意外とありそうだな……;
ありもしない物語のあらすじを考えてどうするのかと問われると、困惑してしまいますが、あのー、昨日描いたゼリーの絵があんまりだったので手直しをしてみました。

昨日の状態(/o\)
→ さらにこうなったが

まだ直す
(こんなでも、「アヴァンギャルドでいい」と言ってくれる心根の美しい友人が)
(いる私は果報者であります)
(あれ? 待てよ? これでも良かったのかな…?)
(そのあたりの判断がつかないあたり)
(私の色彩感覚はほんとうに限りなくゼロに近いのであります)
とにかく、爽やかさを追求して色々とやってみましたが、どういうわけか毒々しさはさっぱり変わらず、むしろ悪化。でも、なんか「ちょっと本の表紙っぽい………?」と思ったので、あらすじを捏造。ついでに、タイトルなんかもいれてみました。
印刷したらもうちょっとマシに見えるような気もしてきたので、そのうちに作りたいと思っている私の同人誌の表紙にでも使おうかな。ひとりでも同人。いったい何の同人なのかさえ定かではありませんが…。そんなこともあるさ。私はくだらないことを考えている時が、超タノシイんですよ。ウフフフ…。