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『ケイン号の叛乱』

2015年04月30日 | 映像

1954年 アメリカ


監督:エドワード・ドミトリク
原作:ハーマン・ウォーク
出演:ハンフリー・ボガート/ホセ・フェラー/ヴァン・ジョンソン/フレッド・マクマレイ



《あらすじ》
新米士官キースが配属されたのは真珠湾で任務に就く掃海船《ケイン号》。キースにはこの船での日々が特に規律も重要な任務もなく泥のように過ぎていくように感じられ、だらしなくしか見えない艦長がなぜ船員達の信頼を得ているのかが分からない。しかししばらくするとその艦長が下船し、新しい艦長が着任した。次の艦長は非常に過酷な戦闘を経験した規律に厳しい人物であった。キースはいよいよ《ケイン号》も海軍の船らしくなるだろうと期待したのであったが…



なにげなく観始めたこの作品、驚くべき名作でした。昔の映画は凄いなあ。まさかあんな結末が用意されているとは想像もできませんでした。派手な演出も演技もなし(だが素晴らしい演出と演技)に、心をぐっと掴まれるような、なぜか涙さえ滲むようなお話でした。それにしてもなんとしっかりした筋書きなんだろう。びっくり仰天しました。やっぱ過去の名作を観るといいことあるなあ。


ネタバレを避けるために詳細は書きませんが、本作では特に「人はどうあるべきなのか?」ということを問われているようです。たとえば絶対に逆らえない権力者が自分の正義感や安全を脅かすような行動をし始めたとする。そんな時、果たして人はどうあるべき、どう行動すべきなのでしょう。ひとまず私が見終えて考えたことは、簡単に誰かを糾弾してはいけないということですね。どうしてそうなのか、なにがそうさせるのか、そこへ行き着くまでに自分にやるべきことは他になかったのか。それをじっくり考えることを放棄して簡単に誰かの責任にして終わらせてはいけないんだ。けれども、それが難しい。人間の弱さをどう理解するのか。人は自分では望まなくても弱さを露呈してしまい、その弱さのために誰かを危険な状況へと導くことがあるかもしれない。そういう時、人はどうあるべきなのか。生命がかかっているような局面で、人はどうあるべきなのか。私は、誰かに泥の様に汚くて辛い仕事を押し付けていることも知らずに高いところから見下ろしてはいないだろうか。あるいは、そのために弱くなってしまった誰かの弱さに正しく向き合い、それに寄り添うことができるのだろうか。


ハラハラするようなドラマの後で華やかな達成感が得られますが、その直後に苦い、とても苦い後味を味わわせられる作品です。これは良いものを観ました。それにしても新しい艦長が嫌な役なのに無駄にいい男だと思ったらハンフリー・ボガートでした。この人は『カサブランカ』では死ぬほどかっこ良かったな。どういう役をやらせてもインパクトがあるということでしょうか。ろくに配役もチェックせずに観ましたが、いつまでも忘れられないのはやっぱりあの艦長のどこか悲しげな眼差しです。悲しみに沈んだ男なんていないほうがよくて、みんな誰でも満たされてほしいけれども、哀愁を帯びた瞳を持つ男にこそどうしようもなく惹かれてしまう私でありました(どうでもいい情報)。






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たんちゃんとかーしゃん

2015年04月29日 | もやもや日記

「たっちゃんの影がうつっているよ」と言ったら

「たんちゃん」「と」「かーしゃん」と切れ切れの文章で返してきた。






2歳2ヶ月の息子、いよいよ日本語らしきものを話すようになってきました。まだまだ片言ではありますが、やっぱりしゃべるようになると可愛いものです。朝から晩まで「イチュゴ(苺)! イチュゴォ!」と叫ぶ息子に、毎日のように私が「苺はナイナイですよ…(悲しそうな顔)」と応えていたら、苺やリンゴを要求する息子に対して悲しそうな顔を向けるだけで、「イチュゴ、ナイナイよ!」と代弁するようになったのもたまらなく可愛いです。すまんね、バナナしかなくてな。

他にも、「階段」「本」「ブロッコリ」など、これまでは一音で済ませていた単語をちゃんと言えるようになってきました。ある日突然言えるようになったので驚いています。それから「暗い」「重たい」という状態を表す単語を話したりもします。いやー、なかなか遠い道のりでしたが、やっとしゃべるようになったなあ! この調子だ、がんばれ!! 早く一緒にSF映画でも観て議論しようよ!!










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『FLIP-FLAP(フリップフラップ)』

2015年04月28日 | 読書日記ー漫画


とよ田みのる(アフタヌーンKC 講談社)



《あらすじ》
自身を「普通」、カギカッコが付くくらい本当の「普通」であると認めている深町は、高校最後の日に心の中の反逆児を総動員させ「変化」を試み、山田さんに「付き合ってください」と申し込む。すると山田さんからは意外な返答があり…。深町は山田さんの出した交際の条件を満たすため、【ピンボール】というゲームと出会い、そしてのめり込んでいくのであった。

《この一文》
“「ゲッ……なんてスコア出してんだ!! こりゃギャラリーもわくわ……」
 「違いますよ。本気でやってる人間は それだけで人を魅きつけるんです!!」 ”




いくつになっても青春の爽やかな風のただなかで成熟し続ける人間というのが存在するのかもしれません。とよ田みのるさんの作品を読むと、いつもそう感じてしまいます。この人はおそらく私と同世代の方なのでしょうが、デビュー作『ラブロマ』以来ずっと変わることのないこの爽やかさと朗らかさは一体なんなんだっ! 登場人物たちとともに過ごしていると、世界をまるで明るく美しく、ただただ楽しくまっすぐに、どこまでも歩いていけそうな気持ちになってしまうではないか! この私でさえ! 溢れかえる熱くて透明なエネルギーに、どこまでも駆け出してしまいそうになるんだ。


というわけで、とよ田みのるさんの『FLIP-FLAP』です。上にも書きましたがピンボールをめぐる青春の物語です。爽やかだー。キラキラ輝いて眩しいほどに明るいんだー。詰まらないことで腐っているのがバカらしくなるほどに健全なんだー。世界はいつだって美しいんだー!!! と、普段は暗黒塊そのものの私ですらポジティブエネルギーで満ちあふれるくらい、とよ田さんの作品は素敵なのでありました。どこれもこれも素敵。きっととよ田さんは人間の善性や可能性、ありきたりに見える普通の人間の価値というものに対して常に肯定的でいらっしゃるのではないかと。この世界には辛いことや苦しいこと、嫌なことや詰まらないことだってたくさんあるけれど、他人にはくだらなくても自分は心から楽しめる、心から愛せる何かを見つけてそれに全力でぶつかることができたなら、「それ」と「自分」が向き合う世界はもはやそれまでに考えていた世界とは全く別の世界となり得る。それは孤独であったとしてもきっと素晴らしい世界でもあるんだ。と、まあ、こういうお話でした。はあ、素敵だなあ。

私自身はピンボールをやったことがないですが、たとえばピンボールじゃなくても、何かに夢中になってそれに情熱を注いでいる人々の姿には心を打たれます。人生にはままならないことも多いけれど、自分の力で、ささやかなところからでも人生を喜びと楽しさで彩ることはできるのです。好きなことをもっと好きになっていく人生は美しいですね。なんの役にも立たなくても、誰にもその楽しさが分からないとしても。私自身はこのところそういう情熱を失って久しいのが寂しい限りですが、けれどきっと遠くない日に取り戻せるさ。『FLIP-FLAP』を読んで燃え上がるものが私の中にまだたしかにあるんだからさ。


明るくて爽やか。きっと人は誰でも青春のあのまっすぐさと熱さのなかで、いつまでも成熟し続けることができるはず。そう信じたくなる。そう信じるよもう私は。






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『楽園まであともうちょっと』(全3巻)

2015年04月27日 | 読書日記ー漫画


今市子(花音コミックス 芳文社)



《あらすじ》
借金取りの浅田貴史と斜陽の旅行会社「楽園企画」社長、川江務の恋は遭難必至!? 浅田はローン会社社長、菊池と不倫中だし、奥さんは勘付いてるし、さらに…。もうこうなったら三~五角関係に突入か!?



気持ちが沈んだ時はコメディを読むに限る!!! ということで、今市子さんの『楽園までもうちょっと』などを読んでみました。今市子さんと言えばたぶん一番有名なのは『百鬼夜行抄』だと思いますが、あのシリーズのあれほどの恐ろしさから、この『楽園』その他のBL作品でのお笑いぶりまでの幅広さは凄いと言わざるを得ません。SFファンタジーみたいなのもお描きになりますしね。私はホラーが苦手なので断言できるわけではありませんが、恐怖物を得意とする漫画家さんはギャグやコメディを描かせても凄い人が多いような気がしますね。笑いと恐怖とは意外と似たところにあるのでしょうか。


それはさておき、『楽園までもうちょっと』のあらすじを書くと上のようになってなんだかドロドロと生々しいような感じもしますが、実際には徹頭徹尾明るくてさっぱりとした借金苦コメディでした。元嫁・小百合ちゃんの親父さんが死んでその会社と借金をなぜか引き継ぐことになってしまった川江(男)と、彼の元へ借金の取り立てに来るローンズ菊池の社員・浅田(男)との恋が物語の主軸になっているはずですが、なんかあんまり恋愛はどうでもいいというか、借金を返すために繰り広げられるドタバタ喜劇の方が面白過ぎて、正直BLはほんのおまけといった感じでしょうか。いやもちろん恋愛部分も面白いんですけれど、今市子先生のBLはどれもそんなふうで恋愛はどちらかというと二の次で、別の筋でもお話が愉快に進むことが多いような気がしますね。けれどもそこが私はとっても好きです。

また、この『楽園まで~』もそうですが、今市子先生の作品は登場人物のキャラクター設定がしっかりしていて、どのキャラもとても魅力的です。特にBL作品ではしばしば世界に男性しか存在していないかのような世界観が多いのに、今市子作品においてはむしろ登場する女性キャラが強烈で物語に欠かせない存在として登場するところがいいのです。私はそういう作品が好きです。『楽園まで~』では、川江の元妻・小百合ちゃんがものすごく愉快で楽しい人物でした。見切り品の2玉50円のキャベツから目が離せなくなるところとか面白過ぎて苦しい、笑いが止まらない…!

川江と小百合ちゃんがどのように借金を返していくのかも面白いのですが、この作品では「登山」についても扱われています。川江は元々は山登り用品の店の店長で、月に2度は山に登る山男という設定。元義理の父から受け継いだ旅行会社でも登山がらみのツアーを企画して、もちろん実現したツアーの先でもドタバタが巻き起こるのでした。この登山の部分では、実際に今市子先生の登山体験が元になったエピソードや、役に立つ登山知識などが盛り込まれていて勉強になりますね。


全3巻ですが、とても読み応えがあって万人に勧めたい作品です。でも、BL要素は薄いとは言えたしかにBL作品にも違いないので、「なんかおすすめがあったら貸して」とちょうどいまK氏から言われている私ですが、ちょっとためらっているところです^^; この程度の描写でも受け付けない人は受け付けませんからね。いちおう断りを入れてから勧めるか。





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眠れない

2015年04月23日 | もやもや日記




ここ10日間ほど、どうしたわけかうまく眠れなくなってしまいました。寝ても寝ても寝足りなかったのに、いまは眠りが浅くて夜中や明け方に目が覚めてしまう。不思議なことに私がハッと目を覚ますと、連動しているのか息子も寝ぼけて起きてくることが多いのでした。しかも真夜中に大声で喚き散らして「でんしゃ!」と鉄道の映像を見せろと要求してきたりする。しょうがないので真夜中にDVDを流して息子が寝るまで付き合うと、気が付けば午前3時になっていたこともありました。息子はと言えば、そんな時間になってもウトウトするだけで深く眠らず、朝はいつも通り6時前に起き出すのでありました。

眠くないけど寝不足なせいか、気持ちは沈みがちです。ささいなことで落ち込んだりしています。たとえば息子がスーパーで中身入りの牛乳パック(1リットル)を欲しがるので買って持たせてやったら重くて運べずと言って私に渡すのも嫌で、泣きながら道ばたをパックをボコボコにして転げ回って抱えて歩き、最後は家の玄関に入ったところで箱がつぶれて中身が流出した事件に、私が落ち込んで夕飯も食べられなくなったりしています。さらに、おととい息子が児童館で女の子からおままごとセットを強奪してその子から「またコイツか」とこれまでの人生で遭遇したこともないほどの冷たいまなざしを向けられたり、昨日息子が図書館で突然走り出して書棚の本を叩き落して騒いで職員にたしなめられて奴を脇に抱えて全力で逃げ帰ってきたりしたことに、地面にめり込みそうなくらい落ち込んでおります。些細なこと過ぎるな。いや、人に迷惑をかけるのはいけないことだけど、問われているのは私の常識と責任能力であって、落ち込むべきところではないよな。必要なのは反省であった。


今日も暖かくて良い天気。連休中には友人に会えそうでもあるし、この先には楽しいことがたくさんあるぞ!




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奈良マンドリンギター合奏団 スプリングコンサートに行ってきた

2015年04月18日 | 音楽




今日は息子を連れて、奈良市西部公民館のホールで開催された「奈良マンドリンギター合奏団」のスプリングコンサートに行ってきました。以前私が主催していた同人誌に参加してくださったCOLOCさんが出演なさるというので。開始10分前に会場のホールへ入ってみると既に満席に近く、私は最前列の右端の席をなんとか確保することができました。マンドリンギターの演奏というのを私は初めてまともに聴きましたが、なんというかとても柔らかい音色で、たくさんの奏者による波の様な、震える木の葉の様な心地よい響きが会場を満たしていました。素敵でしたー。

というわけで他にも書きたいことはありますが、まずはお詫びから…。すみません、やっぱり2歳の悪魔っ子にはコンサートはまだ少し早かったようです。極力静かにしていたつもりですが、ときどき「(ホールの)ドア!」とか「(ホールの)かべ!」とか「(プログラムに描かれた楽器の絵と実際の楽器の形が)いっしょ!」とか叫んでいました。。。す、すみません…!!! 第一部の途中でこらえきれず席を立ったりしてさらに迷惑でしたね。本当に申し訳ありませんでした。

第二部(COLOCさんご出演の)あたりからはますますソワソワしはじめ、もう私は生きた心地がしませんでした。第三部はロビーの方で2曲目までは粘ったのですが、息子がエレベーターへ突進しはじめたので断念してそこで会場を後にしました。COLOCさんのご尊顔は第二部でバッチリ拝見しましたが(おそらく真ん中のあの眼鏡の素敵な紳士かと)、お会いすることができなくて残念。出待ちしようと思っていたのに、演奏会が終わった頃はおそらく私はパラディの床に転がる息子を引きずっていましたよ…。あーーー、超残念、お目にかかりたかったのに。


さて、肝心の演奏会の感想はといいますと、はじめにも書きましたがとても素敵でした。マンドリンギターが演奏される様子もはじめて間近に見たので、あんなに手が細かく動くなんて凄い! それから、プログラムについて私は音楽的素養がないものですからタイトルを見てもピンとこなかったのですが、聴いてみたら「あ、聴いたことある曲ばかり」でした^^;

COLOCさんがお出になっていたからこう言うわけではありませんが、第二部はすごく良かったです。「口笛吹きと犬」の最後で「ワッハッハ!(ワンワンワンかな?)」と奏者の一部の方々が声を上げられたのでビックリしましたね。そこでみなさんがはにかんでらっしゃるのがまた可愛かった☆ また別の曲では「ラララー」と歌声も混ざったりして、とても楽しかったです。たしか2曲目はどこかメランコリックな心に響くメロディで、息子はやたらノリノリで私の膝の上でユラユラしていると思ったら、なにやらフンフンと歌っておりました…(重ね重ね騒々しくてスミマセン! 私は滝汗;)


もともとあまり音楽に縁のない私ですが、幼児と閉鎖的な暮らしを送っているとますます縁遠くなっています。今回のコンサートはとても良い刺激になりました。次回の10月の演奏会もぜひ伺いたいです!(落ち着いて聴きたいので次こそ息子は夫に預けて行きたい!) 息子はジタバタしつつも予想していたよりは遥かにおとなしく、しかも興味深そうに演奏に見入っている場面もあったので、もしかしたら生演奏が好きなのかも。幼児向けのコンサートもチェックしてみるかー。

ともあれ、COLOCさん、お誘いいただきどうもありがとうございました! 素敵な演奏会でした^^







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サーカスに行ってきた!

2015年04月16日 | もやもや日記


4月15日、散歩の途中でサーカスのテントがあった場所まで来ると、もうだいぶ解体が進んでいました。奈良での公演は終わり、次はどこへ行くのでしょう?


さて、さかのぼることおよそ一週間。4月10日(金)、一家揃って【木下大サーカス】を観に行ってきました。当日はあいにくのザーザー雨降りでしたが、昼1時からの公演は、開場するなりたくさんの人がテントの外に並んでいました。並ぶ人々の頭上には通廊状のテントが延びていて、みんなその下でじっと待っています。2歳の息子(暴れん坊)を連れて行かなくてはならない我が家では、私が抱っこ紐で完全に息子を抱きかかえて(ホールド)逃げられないようにして12時過ぎに既に長くなりきった列に加わりましたが、雨垂れを眺めるのが楽しいのか息子は意外にも大人しく待っていてくれました。すると、前に並んでいた老婦人が「静かに待ってていい子やなぁ~~、飴ちゃん食べる? あ、喉つまらせるかな…」と、飴玉をくださります。飴は私がいただくことにして、時々ご婦人とお話ししながら入場時間を待ちました。

列はだいぶ長いと思われましたが、会場にはかなりの人数を収容できるようで、私たちが入った時にはまだ半分ほどの空きがありました。しかし、その後もどんどん人が増え、最終的には満席に。老若男女さまざまなお客さんで溢れて、ざわざわとやはりわくわくした雰囲気も満ちていました。

場内は撮影禁止だったので写真は一枚も撮っていませんが、2時間弱の公演はひたすらエンターテイメントの連続で、とにかく絶え間なく次々と目を見張る様な光景が繰り広げられました。私もK氏も生まれて初めて観るサーカスでしたが、わーわーきゃーきゃーと心の底から楽しめました。ちょっと疲れるくらいに演目が目白押し。覚えているだけでも、ロープを使ったいくつかの美しいダンスや、フープを自在に操る美少女、並んで走るお茶目なシマウマたち、愉快に失敗してみせる大道芸師、シーソーの様な形の巨大な車輪をグルグル回しその上を駆ける若者、串刺し・切断される美女と箱の上で入れ替わるおじさんの手品、球体の内側を猛スピードで交差しながら疾走する3台のオートバイ、華麗でスリリングな空中ブランコ、お客さんの手から直接餌を貰うお利口なキリン、後ろ足で立ち上がる器用なゾウ、そして目玉は大きな大きな8頭(6頭だったかもしれない)のライオン、爆音ときらめくライト、熱気と興奮の連続です。

それにしても居並ぶライオンたちの低い唸り声を聞くにつけ、よくあれほど調教できたなぁと感心しきりでした。雄ライオンが最後はちゃんとオチまでつけるんですよ。賢いなあ!! アナウンスでもありましたが、よほどの忍耐と愛情がないと、あのような大型獣を手懐けることはできないでしょうね。イギリス人の大柄なおじさんが調教していましたが、その大きなおじさんの体が小さく見えるほどにライオンの迫力と大きさが凄い。いつ食われるかとヒヤヒヤしました。調教は、シマウマも難しいんだそうです。キリンは餌を貰って食べているだけでしたが、いるだけでもう可愛い。ゾウはめちゃくちゃ器用で賢かったです。もちろん人間によるパフォーマンスもすべて凄まじかったですよ。なんか凄過ぎてなにがどうなっているのやらという感じでしたね。狭い球体の内部を猛スピードで行き交う3台のバイクの演技のところでは私は絶叫しまくりました。「ムリムリムリ! あぶないって!! キャーーー、あっ…ぶ、ぶつかるって!! つーか真ん中に人も立ってるじゃん、事故る! 事故るよっ…!」と、その夜はうなされるほどのスリルを味わいましたね。もちろんぶつかりませんでした。凄い技だなあ…

というわけで、2部構成で途中に15分の休憩がありますが、あっという間の息つく暇もない盛りだくさんのサーカスでした。
演目の合間に登場する背の高い二人組のピエロも人気がありましたねー。前半はおとなしかったけど後半は疲れてジタバタし始めた息子を抱え込みながら観ていましたが、油断していたら、眺めさせるだけのつもりで買ったオレンジジュースのペットボトル(前に座ったお客さんのボトルを執拗に狙う息子の注意をひくため)の中身をほとんど息子は飲んでしまっていました…おぅ、糖分とりすぎだわ…気逸らし用のラムネも食べさせたしな; 飴と鞭をうまく使い分けないとあのライオンさんたちのようにお利口になれないな。難しいぜ。
ちなみに息子はまだ2歳なのでサーカスそのものにはまだピンとこなかったようですが、綺麗な女の子が出てくる時だけガン見していました。いや、いいんだけど…あと、私があんまり騒ぐのでオートバイの演技も印象に残った模様。数日経っても「ぶーんぶーん」とバイクの音の真似をしていました。



午後3時に終了。外はまだ雨でしたが、歩いて帰ります。歩いて帰れる距離にサーカスが来ることなんて、この先もうないだろうなあ。残業また残業という激務の中をあえて有休を取ってサーカスに連れて行ってくれたK氏にはマジ感謝です。ありがとう、ありがとう!




翌週、奈良公演は終わり、敷地の門は閉じられました。近くを歩いていたら、通りすがったオジちゃんが「ボク、見えるか? キリン、見えるか?」と指差すので、息子を抱き上げてサーカス跡地(解体中)の方を見やると、キリンがまだいた!! 長い首を上下させているのが遠くに見えました。キリンはいるだけで可愛いのう。



さようなら、サーカス。サーカスがいる間、ずっとワクワクできました。いつかまた観に行けることがあるといいなぁ。







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おつきさま

2015年04月15日 | もやもや日記




夕方、薄暗くなってきたので部屋の明かりを点けて息子と食事をしていたら、カーテンを開け放しにしてあった窓に電灯が映っているのを見て息子は「んしゃま!」と言うのであった。「んしゃま」というのは「お月様」のことである。なんて可愛いんだろう。言い方も可愛いけれど、お月様(と思われるもの)を見つけて、それを私に報告してくれるというのがなんとも可愛いのであった。

朝5時から連日ギャーギャー騒ぐので、日中は気の済むまで歩かせ、気の済むまで遊ばせ、気の済むまで電車を見、気の済むまでおやつを食べさせてみたら、雨で出かけられなかったここ数日の息子の鬱憤は少し晴れたのかもしれません。一日中歩き回って私はへとへとですけれど。でも、今日初めて窓に映った電灯が月に似ていると知りました。思いつきもしなかったことが、今日また一つ明らかになりました。明るい。暖かい。ありがとう。おやすみ。




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2歳1ヶ月のおでかけ

2015年04月10日 | もやもや日記




先日、2歳2ヶ月になった息子ですが、2歳1ヶ月の間には富山へ行ったり静岡の祖父母と従姉と奈良公園へ行ったりと、あちこち出歩きました。そのまとめ。

 京都駅でサンダーバード待ち。

私の富山の実家近くには遊び場がたくさんあります。公園がいくつもあり(しかも綺麗で空いている)、海も近いのです。いいところだったんだなあと帰るたびに実感。



トンネルくぐり。

体育館の中にも遊び場が。

デパートの近くでは木製品のイベントをやっていた。

海。

海辺の植栽に紛れてみる。かくれんぼ好きな息子はハマってなかなか出てこない…

キャンプ場。

その松林。広さに浮かれて駆け回る。

浄水場にある公園。「あいの風とやま鉄道(元JR)」がすぐそばを通っているので、電車も見られるポイント。

池がいくつかあって、スリリングな橋が架かっている。もちろんダイブしようとした。全力で阻止。

遊び道具や人口の滝などもあって、夏に来れば楽しそう。


そして先週の土曜に奈良へ日帰りで静岡からおじいちゃんおばあちゃんと従姉のHちゃんが遊びに来てくれたので、みんなで春の観光シーズン真っ最中の奈良公園へ行ってきました。混んでましたね。大混雑。あんなに混んでる奈良公園は、ここへ移住してきてから初めて行ったかもしれません。しかもこの日はまさかの夏日で汗だくになりました。でも、鹿におせんべいをやってキャッキャと喜ぶHちゃんが可愛くて和みましたよ。




どこへでもリュックを背負ってお出かけしました。



気分が乗っていれば自分で歩くようになったので、ずいぶん楽になりましたかね。まあでも、帰り道はだいたい力つきて私が抱えて帰ってくることになるわけですが…

今月もどこかへ連れてってやれるといいなあ。とりあえず、今日は昼からサーカスへ行ってみます!!!





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四月

2015年04月08日 | もやもや日記



先週末のあれほどの暑さ(土曜の奈良市は25度)のあとで、この寒さ。体調崩しますわ。いや、まだ大丈夫だけど。

この2ヶ月ほど朝7時に出て夜9時か10時に帰宅していた社畜のK氏は、今週は夜7時過ぎには帰ってきます。「それでも社畜か!」となじると「俺に社畜はムリだったわー」と返されました。そうかね、じゃあ有給取ってサーカス行こうか。もうすぐ終わっちまうよ。

さて、暖かくなったら息子がよく寝るようになったのに、寒さが戻ってまた朝から不機嫌に唸るようになりました。どうやら安眠の秘密は気温にあったようです。でも、寒いならどうして布団から飛び出して行くのかなあ…。

四月は色々な物事が行ったり来たりする季節。この振り幅を、今年も楽しめるかな。




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