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もやもや日記

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乗り換え失敗

2012年06月30日 | もやもや日記






プロバイダの乗り換えに失敗しまして、来月はしばらくネットに繋げられそうであります…(/o\)
まあ、大阪は計画停電を実行するかもとか言ってますし、うちで常時稼働している家電というと冷蔵庫とパソコンくらいしかないですが、さらに節電することにしましょうか。夏はあまり暑くならないといいなあ。ここ数日はわりと過ごしやすいですね。


というわけで、しばらくブログもメールも音信不通になるかと思いますが、1週間くらいで復活する予定です。久しぶりに外界の音に耳を澄ましたりして、積み上がった本を読んで過ごそうと思います(^_^)


あー、スイカ食べたい!







『LUPIN the Third~峰不二子という女~』(全13回)

2012年06月29日 | 映像(アニメーション)

監督:山本沙代
シリーズ構成:岡田麿里
キャラクターデザイン:小池健
美術監督:田中せいき


《あらすじ》
ある秘宝を狙い、孤島に侵入するルパン三世。そこでルパンは美しくも妖しい女と出会う。その女の名は「峰不二子」と云い、流行りの謎多き女怪盗である…。甘美で危険な2人の邂逅が、この物語の始まりを告げる。不二子の前に現れる4人の厄介で型破りな男達…。神出鬼没な世紀の大泥棒「ルパン三世」、早撃ち0,3秒の天才ガンマン「次元大介」、剣の道に生き、時に殺しも請け負う「石川五ェ門」、ルパン逮捕に強い執着を持つ男「銭形警部」。決して交わってはいけない5人が、予測不能な軌道を描きながら、ぶつかりあい火花を散らす!
 (日テレオンデマンド(番組概要)より)






面白かった…!!


『峰不二子という女』が終わりました。正直言って、初回と第2回目が面白かった以降は、第6話を除けば微妙な出来で、これは終わりまでもちこたえることができるのかと心配でしたが、第10話からは持ち直しましたね。最終回にこんなどんでん返しが用意されていたとは、ちょっと想像できなかったな。これはお見事! 見直すことはない作品になるかと思っていましたが、がんばって観てみるもんですね。最後の最後できちっと締めてくれたおかげで、もう一度観たいと思えてきました。これまでは日テレオンデマンドでしか観られなかったので、関西での放送が楽しみだな。



この『峰不二子という女』というシリーズはタイトルの通り、ルパン三世に登場する不二子ちゃんという女性にスポットを当てたものです。私はこれまで不二子ちゃんという人はいったいどういう人物であるのかについて深く考えてみたことがなかったので、これは面白い作品になりそうだと期待していたわけです。

そしてアニメが放送され、初回は素晴しいものでした。最終回までに何度か引用されることになる初回のあのシーン。教祖のてのひらから白い花のようなものを巻き散らすのに合わせて視点がグッと近づいたり遠ざかったりするところ。あの場面に私は脳天が痺れるような思いでした。こいつは凄いものが始まったぞ! とワクワクしましたが、結局その後は終盤に至るまであれほど気合いの入ったシーンにはお目にかかれなかったのは残念。ところどころ「紙芝居かよ!」と言うほどに、キャラがスライドしてるだけの場面があったりする手抜き感には別の意味で痺れましたね。不二子ちゃんの顔も「誰だよ!?」って叫んじゃうくらいのときがありましたし;

しかし、それでもまずこの作品の素晴しいところのひとつには、ビジュアルが非常に美しいことがあります。全13回を通してみても、途中あからさまに手抜きの場面もありましたが、要所要所にハッとするような美しい画面が挿入されてくるのです。独特の色使い、太い線描のタッチ、幻想的な表現のその幻想性。つい見入ってしまうような美しさがありました。

それから最初にも書きましたが、最終的にはストーリーも良かった。途中のエピソードには余計なものがあったのは否定できませんが、「峰不二子」とはどんな女なのか? というテーマをそこそこうまく掘り下げていたのではないかと思います。余計だった、と言えば、このシリーズのオリジナルキャラクター「オスカー」はいささか中途半端だったでしょうか。完全なる美貌を誇り男からも女からも愛されずにはいられない「峰不二子」という存在に対抗しうる人物になるかと期待しましたが、ちょっと惜しかった。ていうか、最後はもうちょっとしっかりと退場させてほしかった。でも第6話が素晴しかったから私はこのキャラを許すわ。


峰不二子とはどんな女なのか?


一分の隙もない美しさ、知性、狡さ、欲しいものを手に入れるためなら惜しげもなく誰にでもその肉体を与える女。第1回では不二子の露出度の高さが話題になりましたが(オープニングからして全裸)、これは不二子ちゃんが目的のためならばためらいもなくいつでも裸になって、その肉体を武器に仕事(泥棒稼業)をこなすのだということを強烈に印象づけることに成功していたと思います。彼女の肉体は、器としては完全なものであり、それを前にすれば男でも女でも惹き付けられずにはいられないほどに魅力的なのです。

しかし、彼女の完全な器の中身、心ということになると、どうなのだろう? 物語では不二子の内面、心の奥底に閉じ込められた過去の記憶について語られることになります。彼女はどういった理由で彼女であるのか? それに迫るにつれて、不二子は脅えて心を閉ざしていくと同時に、肉体もまた隠されていきます。中盤では不二子自体があまり登場しなくなる。彼女が不在のまま、ルパンや次元、五ェ門、銭形にオスカーらの行動によって、不二子の過去について少しずつ明らかになっていくというつくり。

不二子が閉じ込めた記憶。幼い頃の記憶。フクロウ頭と伯爵との日々。頭に冠のようなものをかぶせられて、そこに電流が……。残酷で残虐なこの一連のシーンが、しかしとても幻想的に、青く、美しく描かれていたのは本当に素晴しかったです。その姿をつかまえようとすると、無数の蝶になって消える、とかね。

峰不二子は過去にトラウマを抱え、それを乗り越えられないような女なのか?

過去のトラウマとか(その内容的にも)ちょっと安直じゃない? とか実は第12話までずっと思ってましたけれど、こんなふうに着地するとはな。いや、恐れ入りました!


欲を言えば、物語と人物についてもっとしっかりと構築、構成してくれれば、もう少し安心して観ることができたのにと思います。が、この不安定感があったからこそ、最終回であれだけスッキリすることができたのかと考えれば、まあそれもよかったのでしょうか。


さて、そんなわけで『LUPIN the Third~峰不二子という女~』は、良作と言えるかどうかはほとんど個人の好みでハッキリ分かれるところだと思いますが、私にとっては悪くない作品となりました。オープニングの「峰不二子という女」という題字が出るところなんか、何度観てもかっこいいですしね。ともかくも、やっぱり作品は最後まで観てみないといけないなという反省を促してくれるものでした。出だしはいいのに最後で大爆死するアニメもありますが、やっぱり最初から最後まで観てみないとですね……別に評論家になりたいわけでもないけどさ。「お、これは!」と最初に手応えを感じた作品くらいは、完走すべきだな。うむ、がんばってよかった。



不二子ちゃんは、やっぱり不二子ちゃんでした。
スッキリした!!






2012夏アニメ

2012年06月27日 | もやもや日記




『Fate/zero』が終わった。『めだかボックス』も『ヨルムンガンド』も終わった(が第2期ありとのこと)。『モーレツ宇宙海賊』もあとちょっとで終わる(これこそ2期切望)。それから『つり球』『這いよれ!ニャル子さん』『謎の彼女X』もあとちょっとで、『峰不二子という女』もようやく最終回。うーむ、寂しいなあ。


春アニメは、少なくとも数の点ではものすごく充実していたせいか、来月から始まる夏アニメはなんだかずいぶんとしょんぼりして見えます。気のせいかしら。全然心魅かれる作品がないような気もするんだけど、大丈夫かしら。


しかし、今のところの視聴予定はこんな感じ。

*『輪廻のラグランジェ』(第2期)

*『人類は衰退しました』

*『氷菓』(春から継続)

*『エウレカセブンAO』(春から継続)

*『アクセル・ワールド』(春から継続)


「春から継続」組に救われていますかね。『ラグランジェ』も冬に第1期を放送していた続きです。ようやくどうにか面白くなってきたかな?というところで途切れていたので、今度こそ最初から真剣にストーリーを進めてほしいところですね。

まったく新しいのは『人類は衰退しました』くらいか。これはラノベが原作だったかと。タイトルが魅力的ですが、内容は全然知りません。どんなお話なのかな?

ま、いっか。夏はちょっと休憩して、旧作でも観るのにあてようと思います! こないだ先を越されて全巻借りられてしまっていた『四畳半神話体系』をそろそろ借りてこようかな。よし、そうしよう!







【トロピカルマンゴー50%】

2012年06月26日 | もやもや日記






隣町のカルディで、3種類のマンゴージュースの中から悩んだ末にこれを買ってみました。決め手はやはり優雅にバカンス中のワニのイラスト。それから原材料が、マンゴー(キューバ産マンゴーピューレ)、レモン、砂糖とシンプルなところもいい感じでした。


しかしマンゴージュースにどうしてワニのイラストなんだろうと思ったら、パッケージの裏にこんな説明がありました。


“かつてコロンブスは、キューバ島を「世界で最も美しい島」と賞讃しましたが、島の形がカイマン(ワニ)に似ていることから、「緑のカイマン」とも呼ばれています。 ”


はあ~、なるほど!


まだこのマンゴージュースは開封していませんが、マンゴーっておいしいですよね。私はマンゴーが好きであります! 一度思う存分マンゴーを食べ尽くしてみたいものです。

やあやあ、そろそろ夏だなあ。フルーツの季節だなあ。あ、おかげさまで昨日まで悩まされていた胃痛はおさまりました。日曜日が一番ひどかった。飴玉嫌いの私が、食べても食べてもおさまらない空腹感を紛らわすために四六時中飴玉を舐め続けるところまで転落しましたが、その甲斐あってか今日はすっかり快調です。天気もいいし、ほどよく飯もうまいぜ! 桃でも買ってこようかなあ。







攻防戦

2012年06月25日 | もやもや日記





Macの「ことえり」が馬鹿過ぎてまともに変換できなくなってきたので、自動学習辞書を編集しています。ああ…こんなことやってたらもう半日が過ぎているよ…(ヽ´ω`)


私の変換方法がマズいこともありますが、「ことえり」は、たった一度の変換ミスをなぜかしっかりと記憶していて、その後いくら正しく選択しようとも、執拗にただ一度のミスを最優先候補として挙げてくるんですよね。イラっ☆ その上よく使う単語に限って間違ったりしているので、毎度毎度過去の過ちをみせつけられて、それはそれは苦痛なのであります。

「このとき」→「子の時」って何なんだよ!!
それから「じぶんのかおをみて」→「時分の顔を見て」などと変換され続けるのにも、そろそろ限界。。。ぐふぅ……


「ことえり」に正しく覚えさせるためには、長い文章を一気に変換して覚えさせるのが吉だそうです。ふうむ、わかってはいるんですけどね。そうはいかない場合も多いんですよ(いま、「おおいんですよ」はなぜか「大井んですよ」と変換された。。。こんな変換したことねーゾ!!怒)。…融通がきかないっていうかなんていうか。


うんざりしながらやっていますが、もうすぐその辞書の再編集も終わりそう。これでしばらくは(再度私が変換ミスをするまでは)快適に使えるようになるはずです! もうちょっとだ! がんばれ!!



変な陽気で胃の調子も悪い。しかし胃がぐるぐると気持ち悪いのは、どうやら空腹のためらしいと気がついたので、ここ数日は絶え間なく食べ続けています。ようやく調子が上がってきましたが、これは激太りの予感。望むところだぜ! 胃との戦いには勝てそうですね。「ことえり」はもういいか……

曇りばかりの梅雨には飽きたので、さっさと夏にならないかなあ。(ため息)=3




『謎の彼女X』(第1巻)

2012年06月23日 | 読書日記ー漫画

植芝理一(講談社アフタヌーンKC)



《あらすじ》
“よだれ”でつながる僕達の“絆”!! “正体不明”の恋愛漫画。
ある日、高校2年生の椿明(つばきあきら)のクラスに転校生がやってくる。彼女の名は卜部美琴。椿は、この風変わりな卜部と奇妙な絆で結ばれることになる。


《この一文》
“その晩 僕は 夢を 見た 
 どこなのか知らない
 ーー奇妙な街で
 ーー僕と卜部がーー

 二人で踊っている夢 ”





ぐはぁぁ~~~っ!!
たまらん!!!!


というわけで、『謎の彼女X』の第1巻です。ただいまテレビアニメシリーズが放送されていますが(あとちょっとで最終回…(´;ω;`))、その原作を読んでみました。作者は植芝理一さん。月刊アフタヌーンにて連載の漫画です。

この作品についてはアニメ化以前から聞いていた評判通り、なるほど面白い。私はアニメの方から入ったので大筋は既に知っていましたが、原作には原作なりのインパクトと魅力とが当然あって、面白かったです。17歳の椿くんと卜部さんの恋愛模様を描いているのですが、ここにはえも言われぬ「謎の」魅力が満載です。


まず、椿くんと卜部さんの恋愛が始まるきっかけが凄い。謎めいた転校生の卜部さんは学校の休み時間にはいつも机に突っ伏して寝ているような女の子です。ある放課後にもそうやって眠りこけていた卜部さんをみかねて隣の席の椿くんが起こしてやります。顔を上げた卜部さんは盛大に「よだれ」を垂らしていて、卜部さんが帰った後、椿くんは何故かその机の上にこぼれていたよだれを舐めて、「あまい…」。という、驚くべき始まり!

そして、椿くんはその夜、不思議な夢を見る。どこか知らない町で、椿くんと卜部さんが二人で踊っている夢を。

この後、椿くんが高熱で寝込むのは「卜部さんのよだれの禁断症状」であり、それは「恋の病」であり、結局二人は交際を始めることになって、卜部さんは指先につけた自分のよだれを椿くんに舐めさせるのを日課とするようになるのでした。


と、わりと変態的な恋の始まりですが、これが妙に爽やかなのです。二人は「よだれ」を介してさらに互いの理解を深めていく、という私などはこの謎めいた展開だけで完全にノックアウトされてしまうわけですが、やはり「よだれ」が二人を繋ぐキーワードであることから、好みは分かれるかもしれませんね。アニメ版のほうも、第1回では忠実に原作を再現してありましたが、椿くんが机の上にこぼれた卜部さんのよだれを舐めちゃうシーンで脱落者が続出していたようですし。しかし、ここを乗り切れば、あとは悶絶するほどに清々しい二人の純愛ドラマが待っているのでした。これはとても癖になる物語なのです。


ストーリーは純粋なラブロマンスであると思うのですが、この特殊性はどこからくるのかと言えば、やはり設定の奇妙さでしょうね。卜部さんという女の子のキャラクターが絶妙に謎めいています。不思議すぎる。「よだれがものすごく甘い」というのは椿くんの恋による効果であるとしても、必殺技を持っている女子高生っていうのは、ちょっと普通のラブストーリーではないでしょう。卜部さんの特技は「ハサミ」。前髪で顔が隠れていてどんな表情をしているのか不明、無口、そして実はいつもバンツにハサミを仕込んでいて、時折シュバッと構えては様々なものを細切れにしてしまうのです。なんという「謎」さ。

対する椿くんの方は、(よだれなどに対するフェチズムを含めても)いたって普通の男子高校生。生まれてはじめて女の子と付き合うことになってどうしたらいいか分からない、素直で可愛い性格。このバランスが良いのかもしれないですね。

それから、この作品の舞台がいったいいつ頃の年代に設定されているのか分かりませんが、かなり懐かしい感じがするところも良いです。携帯もなく、カメラもデジタルではなさそう。1990年代の香りがそこはかとなく漂います。ちなみにこの作品の初回は2004年発表、連載開始は2006年です。


まあ、とにかく面白い作品です。他人と繋がりを持つとはどういうことなのか、特別な相手と繋がりを持つとはどういうことなのかについて考えさせられる、しかも奇妙に面白く爽やかに練り上げられた優れた物語です。まだ第1巻しか手もとにありませんが、ここはぜひ続きも揃えたいところですね。

アニメ版については、最終回を迎えたらあらためて記事を書いてみたいと思っています(できれば終わらないでほしいけれども…)。








『石黒正数短編集 探偵綺譚』

2012年06月20日 | 読書日記ー漫画

石黒正数(徳間書店)



《内容》
〈嵐山歩鳥&紺双葉〉おなじみ先輩後輩コンビが友人失踪のミステリーに挑む! ファン待望の表題作を始めとして…石黒正数の多彩な魅力を満喫できる全11作品+α収録の傑作短篇集!!





『それ町』の石黒さんの短編集です。いろいろな出版社の雑誌に掲載された短編をまとめたもののようですね。

普通に面白かったです。表題作の「探偵綺譚」に登場する歩鳥と紺先輩のコンビは『それ町』とはやや設定が違うようですが、この二人が出て来るとやっぱりなんだか安心して読めますね。面白かった。
石黒さんの漫画はときどき恐ろしく冷たくてブラックになるので、私はどこに地雷が仕掛けられているやら分からないぞとビクビクして読みましたが、この短編集では全体的に笑えるものが多かったです。いくらかしんみりするものもありましたけれど。
表題作のほかには、体に爆弾を埋め込まれて生活する少年をめぐる「スイッチ」、ハードボイルドとは?に迫る「気の抜けたビールで…」が面白かったかな。




『それ町』の最新刊もそろそろ出るようなので、そちらも楽しみです(^_^)







台風前夜のアキレスと亀

2012年06月19日 | 学習





低気圧のせいか、カタツムリのようにヌメヌメとへばっている私です。しかしカタツムリはあれでへばっているわけではなくて、むしろ元気いっぱいな姿なんですよね。私はカタツムリが好きです。あの角とか殻の渦巻きとか。ついでにナマコやウミウシなども好きです。彼らが動いていると、ついまじまじと眺めたくなる。


さて、台風が近づいていた昨晩。K氏と私は湿気に唸りながらも、夕食時に「ゼノンのパラドックス」について話し合いました。K氏はこれが好きらしく、そのなかでも「アキレスと亀」についてはこれまでにも何度か話題に上ったことがあります。飯時にこんな話題を笑いを交えて持ち出すことのできるK氏という人を、私は素直に尊敬しちゃいますね。そして、普段のように世をはかなんで嘆くばかりの時よりも、こんな時のK氏は百万倍も魅力的なのです。


それはさておき、私は昨日の対話によって、ようやく「ゼノンのパラドックス」を理解しました(という気になれる段階に到達しました)。なるほど、そういうことだったのか。では、どういうことを理解した(つもりになっている)かというと、こういうことです。

以下はWikipediaより「アキレスと亀」について引用。

_________________________________

あるところにアキレスと亀がいて、2人は徒競走をすることとなった。しかしアキレスの方が足が速いのは明らかなので亀がハンディキャップをもらって、いくらか進んだ地点(地点Aとする)からスタートすることとなった。

スタート後、アキレスが地点Aに達した時には、亀はアキレスがそこに達するまでの時間分だけ先に進んでいる(地点B)。アキレスが今度は地点Bに達したときには、亀はまたその時間分だけ先へ進む(地点C)。同様にアキレスが地点Cの時には、亀はさらにその先にいることになる。この考えはいくらでも続けることができ、結果、いつまでたってもアキレスは亀に追いつけない。

_________________________________


「いや、普通にアキレスがあっさり追い越すでしょ^o^ ゼノンさんは、どこかちょっと具合悪かったんじゃね??」と言い切ってきた私は、これまで何が問題なのかを理解していませんでした。

要は「アキレスと亀との間の差を無限に切り分ける」と、「亀はその地点でアキレスのさらに先にいる」という前提がある限り、「アキレスは亀に追いつけない」ということだったんですね。なるほど。分かったよ。極限の話を出されたのでよく分かった。そういうことだったんだね。


で、何が分かったかを説明しようと思いましたが、えっと、それは…K氏とWikipediaにおまかせ☆ え、私? 分かってるよ。本当だよ。運動の話でしょ。連続を切り分けて見ることはできるけど、その断片を繋ぎ合わせてみても連続にはならないっていうんでしょ。でさ、普通に考えるとやっぱり、アキレスは亀に追いつけるよね。そうか、つまりはそういうことなのだ(ほんとうか!?)。

 →詳しくはこちらから:「ゼノンのパラドックス」-Wikipedia




世の中を、「普通」を飛びこえた眼差しで見つめ直そうとする人々というのは美しいものです。どんなに奇妙に思えても、どんなに馬鹿げた試みに思えても、彼らが示すのは膨大な可能性の物語なのです。世界を取り囲む壁を押しやり、乗り越え、私たちの認識の領土を拡大しようとしている人たちがいる。たぶん今もどこかに。であるがゆえに、そういうものに少し触れられた時、私やK氏の胸のうちには緑がかった金色の炎が明るく燃えさかるのでした。さまざまな試みのあとが、さまざまな思考の痕跡が、どこでどんな風に活用されるかはまだ分からず、それがこれからの世界にどんな影響を与え得るのだろうと考えると、心が躍るようですね。まあ、私はそういうのを遠くから眺めるだけで理解すらできないでしょうが、人類全体のことを考えると、やっぱり楽しくて仕方がないのでありました。

私にもなにか人類に貢献できることがあればいいのにとは思いますが、とりあえず何も思いつかないので、ひとまずは「アキレスが亀に追いつけない」などと言うゼノンさんとその一派をちょっといかれた人たちだと思っていたことに対して詫びておこうと思います。
ごめんなさい <(_ _)>
あなた方のような人がいなければ、この世界は面白くないですね。さあ、その意気でこれからも頑張れ!

と、偉そうに終わる。ハハハハ! あー、台風来た~~?







ザク切りの日曜日

2012年06月17日 | もやもや日記





本日は少し晴れ。

昨日は少し熱があったので、額に冷えピタを貼って過ごしましたが、ちょっと、あれ! 凄いですね! ものすごく冷える。いやー、現代科学の勝利ですね! 頭が重くてかなりぼんやりするので困っていたのですが、冷えピタを貼ったあとはいつもくらいのぼんやり加減まで戻ったので助かりました。



ところで、こないだの手術痕が衣類の摩擦によって皮膚の表面を刺激してしまうのか、なかなか消えないのでしばらく保護のために絆創膏を貼っていたのです。しかしここ数日は妙にその接着部分がこそばゆいと思っていたら、さっき剥がした時にいっしょに皮膚もはがれてしまいました。すりむけた。痛い。ていうか、傷を増やしてどうする。Oh……
しばらくはもう何もしないでそっとしておこう。あ、そういや昨日でちょうど術後半年が経過したや。無事にここまで来れた。ありがてー、ありがてー!

そして、お腹をすりむいてガックリきた気分を盛り返そうと思って、今度はだいぶ伸びていた髪を切ろうとザクザクやってたら、もちろん失敗しました。部分的に虎刈りってます。Oh……
出かける時は帽子をかぶっていけばいっか。しかし、こういう日は何をやってもうまくいかないものですね。



せっかく少し晴れたのに冴えないことばかりでさっそく腐っているわけですが、楽しいこともありますよ。

まずは、アニメ。
『氷菓』がいよいよ楽しくなってきました。これまではどのあたりに面白味を見出せばよいのかいまひとつ分からなかったこの作品ですが、ようやくじわじわとその魅力が分かるようになってきたかと思います。登場人物への愛着が定着してきたせいもありますね。えるさんが可愛すぎてやばい。でも里志くんの動きはいちいちなんか鬱陶しいですね。ていうか、このアニメは人物の動きが相変わらず変態的に細かく動かしてあるので、ときどき会話に集中できないですね。まあ、でも、面白い。非常に美しく描かれた背景、とくに高校の校舎の様子など、「ああ、ああいう部屋あったなあ! 渡り廊下とか!」と、自分の学生時代を思い出させてくれるところもいいですね。EDが気に入らない以外は楽しい作品です。


あとは『謎の彼女X』が、やっぱり面白い。高校生カップルの日常を描いたなんてことのないお話のような気もするのに、あれだけ面白く描くのは凄いなあ。何と言っても「謎の彼女」卜部さんが魅力的すぎていちいち身悶えします。これはまだ一度もOPとEDを飛ばしたことがありません。次回予告も含めて最初から最後まで好きすぎる。やべーな。


それから、もう6月も終わりに近づいて、TVアニメの各シリーズも終盤に入っています。『モーレツ宇宙海賊』『Fate/zero』もいよいよ終わるのかと思うとしみじみしちゃいますね。夏アニメはどうなるのかなあ。そろそろ調べておくか!





『闇の聖母』

2012年06月16日 | 読書日記ー英米

フリッツ・ライバー 深町真理子訳(ハヤカワ文庫)



《あらすじ》
ド・カストリーズという謎の人物が書いた『メガポリソマンシー』と、クラーク・アシュトン・スミスのものとおぼしき日記。この色あせた二冊の書物を、ダウンタウンの風変わりな古本屋で買い求めたのがそもそものきっかけだった。古ぼけたその日記に記されていた〈ローズ607〉という謎の言葉に魅せられた怪奇作家フランツは、霧に包まれたサンフランシスコを彷徨するうち、やがて恐るべき出来事に巻きこまれていく……。
摩天楼の建ち並ぶ幻想都市サンフランシスコを舞台に、言葉の錬金術師フリッツ・ライバーが綾なす世にも不思議な物語。1978年世界幻想文学大賞受賞作!


《この一文》
“ きみの話を物語や小説のように考えるということについて言えばだ、いいかねフランツ、おもしろい物語であるということは、わたしの場合、それが真実であるということの最高の基準になるんだ。現実と空想、あるいは客観と主観とのあいだに、わたしは区別をつけない。すべての生、すべての知覚は、もっとも強烈な苦痛や死そのものを含めて、窮極的にはひとつのものなんだ。 ”





ようやく読み終わりました。最後の10頁は終わらないんじゃないかというくらいに遅々として進みませんでしたが、どうにか到達。進まなかったのは面白くなかったからではなくて、単に体力的な問題です。雨の季節は疲れるなあ。


さて、フリッツ・ライバーの『闇の聖母』を読んでみました。ライバーはシカゴ出身のSF作家。私はこれまでにこの人の2、3のSF短篇を読んだことがありましたが、古典的な雰囲気のなかに幻想とユーモアを感じさせる作風だったのでとても気に入り、一度長篇も読みたかったんですよね。しかし、この人がアメリカ人だとは知らなかった。なんとなくイギリスの人かと思っていたのですが。

この『闇の聖母』は、SF作品というよりは、オカルト小説でした。発表された当時はものすごく売れたそうで、幻想文学大賞も受賞しています。霧のサンフランシスコ、謎の書物、謎の日記。

主人公フランツはアルコール依存症から抜け出たばかりの怪奇作家、サンフランシスコに住み、どこかの古本屋で偶然に2冊一緒にくくりつけられていた古書を購入する。その中身は謎に満ちていて、フランツはどうにかその謎に迫ろうとするのだが、事態は意外な方向へと彼を導いていき…というようなお話。

いわくありげな古書という題材がいいですね。階下に住む音楽家の恋人、仲の良いアパートの住人たち、人と物とを取り込んで果てしなく巨大化する大都市サンフランシスコ、部屋の窓からビルの隙間に見える丘、双眼鏡、踊る長衣の人影、黒い呪文。読んでいくうちに物語のなかに引き込まれていきます。

結末については、実を言うと、いささか拍子抜けしたところもあるのですが、よく考えるとじわじわと考え込まされるようです。フランツは自分から闇の世界を、不可思議の領域を、死と恐怖のもつ力に魅かれておきながら、同時にそれをひどく恐れてもいるのです。当たり前の反応と言えばそうかもしれませんが、ここでそれを恐れるか、それとも逆に勢いよくそれに飛び込んでいくかで何かがはっきりと分かれてしまいそうですね。ちょっと今は頭が痛くてこれ以上考えられないですが、この結末の持つ意味については、ちょっと考えてみなくては。人は恐れながら、どうしてそれに魅かれてゆくのだろうか。フランツは自分から魅かれていったのか、それともやはり呼ばれて動かされていたのだろうか。オカルトって面白いですよね。



全体的に読みやすく、盛り上がり、実在の作家たちやその作品の名前が出てきたり(ラヴクラフト、クラーク・アシュトン・スミス、ジャック・ロンドン、アンブローズ・ビアスなどなど)、幻想的な都市としてのサンフランシスコの街を行ったり来たりするのはとても楽しめました。フランツが十代で読んだというラヴクラフトの「異次元の色彩」は私も読んだ!(詳細は忘れたけど!)と思ったりして、その作家や作品をよく知っていればなお楽しめたに違いありません。やっぱりそろそろラヴクラフトはまとめて読んでみるかな。あと、ジャック・ロンドンも読みたいな。

ただ、一息に読んでしまえばよかったのに、ブツ切りに読んでしまったためか、本来なら恐怖を感じるべき場面だったかもしれない場面が、どうにも笑えてしかたがなかったです。自分の部屋を出て、遠く離れた丘の上から双眼鏡を覗いてみると、この丘の上にいるのではと恐れていた謎の人物が自分の部屋の窓から手を振ってた、とかね。だめだ、ちょっとおかしい! ハハハハハ!

ああ、でも、フランツが訪ねたバイヤーズという人物はよかったですね。この二人が対話する章、バイヤーズの話す内容はもの凄く面白かったです。実に幻想的。怪しげな、暗い光がぴかぴかと滑らかに輝くようでした。


怪奇と幻想に彩られた一冊。
ライバーの別の作品、魔術が科学にとってかわった暗黒の未来を描いたという『闇よ、つどえ』も読んでみようと思います。