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逗子・葉山へ行ってきた!

2010年05月31日 | 旅の記録

神奈川県立近代美術館 葉山
2010年5月29日。
葉山は曇り時々雨。







土曜日に、お友達の烏合さんと一緒に逗子・葉山のあたりへ遊びに行ってきました。あいにくの曇り空でしたが、電車に揺られて、バスに揺られて、海沿いの道をくねくね走っていくのは、とても気持ちがよかったです。このような小旅行というのは実に楽しいものですね。しかも海! そして友だちと! あー、楽しかった!


さて、なぜ葉山かというと、ただいま【神奈川県立近代美術館 葉山館】にて『ノルシュテイン&ヤールブソワ 話の話展』が開催されているからです。

 

私はノルシュテインの「霧の中のハリネズミ」が大好きなんですよね。この展覧会では、ノルシュテインのアニメーションの上映プログラムもあり、「冬の日」や「外套(部分)」の上映もあるということで、ちょっと行ってみたいと思いつつ、でも少し遠いかなとためらっていたのですが、烏合さんが一緒に行ってくださるとのことで俄然やる気が出た私。やはり連れがいるほうが楽しいですよね! 烏合さん、どうもありがとう♪


実は私はこの時まで葉山の正確な位置さえ知りませんでしたが(事前の烏合さんとのやりとりで「葉山って海が見えるの?」などというトンチンカンなことを言ってしまったのには、さすがの私も恥ずかしかった;)、横浜からだと一時間ほどで行くことのできる落着いた海辺の町で、海のすぐそばには小さな綺麗な美術館があり、なかなか素敵なところでした。やっぱり海っていいなぁ!


11:10に横浜駅の横須賀線の乗り場ホームで烏合さんと待ち合わせ、昼前にJR逗子駅に到着、バスに乗り換えて美術館へ向いました。土日の方がバスの本数が多いというのは珍しいですね。やはり週末に賑わう土地柄ということなのでしょうか。海ですしね、海。駅前でバスに乗り込むと、海辺の町らしく、商店街の入り口には青い庇のかかった魚屋さんがあるのが車窓から見えました。
この日は気温が低く、曇っていたのですが、海沿いの道ではやっぱり我々も興奮してしまいます。「海だよ、海!」と言い合ったりしました。

バスで20分ほど揺られて、美術館前に到着。
午後のアニメーション上映会は15時からなので、まずはレストランで昼食をとることにしました。このレストランは席数は少ないのですが、海側が大きくガラス張りになっていて、お食事をしながら海を眺めることができます。気持ちがいい。晴れていたらもっと美しい光景だったかもしれませんが、曇っていても充分、荒れていたって構わない。私は海が好きですね。ウィンドサーフィンや、ボートを楽しむ人達の姿が見えました。いいなぁ、舟とか乗りたいなぁ。

 


この美術館の敷地はさほど大きくないのですが、レストランの横の階段からは「遊歩道」へ下りられるらしく、私と烏合さんはとりあえず階段を下りてみました。砂浜へ出られることを期待して。
結局、「遊歩道」というのは、「遊歩道?」というほどの小規模のもののようで、波打ち際まであと100m弱くらいのところで仕切られていて、浜へは下りられませんでした(たぶん)。その階段を下り切ったところには、小舟を裏返した形のコンクリートだかモルタルだかで出来たオブジェが点在していて、我々はその上に立ち、植栽の間から見える葉山の海を眺めながらしばしおしゃべりを楽しみました。海というのは、水と波、あとは岩や砂くらいしかないのですが、ただそれだけでも何時間でも過ごせそうな場所ですよね、不思議。曇りの日の砂浜にはほとんど人影がありませんでしたが、釣り人のおじさんがひとりやって来て、えいやっと竿を投げました。

  海はいい、海は。


さて、いよいよ本日の目的の展覧会です。
ノルシュテインはロシアのアニメーション作家。今回の展覧会は、「話の話」というアニメーション作品を中心にした企画のようでした。15時からの上映会には整理券が必要とのことで、まずはそれを貰っておきます。

展示のおおまかな内容はこんな感じでした。
「キツネとウサギ」の絵本の挿絵、「話の話」のエスキース、スケッチ、マルチプレーンを再現したマケット、「霧の中のハリネズミ」のエスキース、コンテ、マケット、「25日――最初の日」「ケルジェネツの戦い」のエスキース(?詳細忘れ…)、「アオサギとツル」のコンテ、マケット、「外套」のエスキース、マケット、「冬の日発句」のスケッチその他。

 **注**
 ☆マケットとは:美術用語で「模型」というほどの意らしい。
 ☆エスキースとは:esquisse(仏)スケッチ、下絵のことだそうです。


という感じで、沢山の資料が並べられていて、アニメーション制作の様子がよく分かる構成になっていて、なかなか見応えがありました。


ノルシュテイン作品ではやはり「話の話」が代表作ということになるのでしょうか。展示品の量も展示室の広さもここがもっとも大きかったと感じました。「話の話」のマケットはいずれもすごく良かったです。雨の降る森の中に青い林檎が置かれてあって――という場面などは、「こういう風になっていたのかー」と感心してしまいます。こうやって、アニメーションの仕組みが分かるのは楽しいですね。

「話の話」も良いですが、私はこの人の作品では「霧の中のハリネズミ」が一番好きです。その「ハリネズミ」の展示もありました。やっぱり可愛い。絵コンテとエスキースが素晴らしかったです。ハリネズミは間抜けで可愛いなぁ。コグマくんの顔も、あらためて見ると、もの凄く丸くて魅力的。展示室の説明書きによると、ノルシュテイン監督はハリネズミの造形をめぐって美術監督を務める奥さんのヤールブソワさんにとても厳しい要求をしたと書いてあったような気がします。ヤールブソワさんの描くものはみな、柔らかい暗さのなかのユーモアとでもいうような独特の空気を含んでいて、心に残ります。しかもこの絵が動くというのだから凄い。

「アオサギとツル」のコンテも素晴らしかったです。このコンテは素晴らしい。コンテの段階ですでに面白い。こんなコンテを私も描きたい。

「外套」と「冬の日」の展示を残すところで15:00になりました。先に上映会を観ることにします。
15:00少し前に、整理番号順に上映会会場への入場が始まりました。我々は前の方の席に座って待ちます。
上映プログラムは午前の部と午後の部があるのですが、午後の部の内容は以下の通り。

 *「アオサギとツル」
 *「話の話」
 *「冬の日 発句「狂句 木枯らしの身は竹斎に似たる哉」」
 *「外套(部分)」

「冬の日」と「外套」は私ははじめての鑑賞でした。他のものは持っているDVDで観たことがあります。でも「アオサギとツル」は久しぶりに観たら、内容をほとんど忘れていたのですが、やっぱり面白かったです。あの終わり方がいいんですよね。柵とか壊れちゃってて。
「話の話」は前回はかなり眠かったという記憶があったのですが、展示品の数々を見た後で鑑賞すると、印象がまるで変わりました。我ながら単純。けれども、アニメーションの手法について知ってみると、この作品の凄さというものを少し理解できたように思えます。オオカミが揺りかごを高速で揺らすところが好きですね。あと、雪の上に大きな青い林檎がいくつもゆっくりと落ちる場面も。どういう物語であったのかは、今回もやはり私には理解しきれませんでした。詩的すぎるのかなぁ。
「冬の日」はごく短いアニメーションですが、紅葉が舞い落ちる場面、風が猛烈に吹き付ける場面などが印象的。
そして、「外套」。いつになったら全編仕上がるのでしょうか。ノルシュテインさんはこれにあと何十年かけるつもりなのかしら、と心配になっていたのですが、この日、作品の出来上がった一部分を観ると、時間がかかるのも仕方ないと納得しました。というか圧倒されました。ほとんど狂気のような精密さ。音声はまだ付いておらず無音のままでモノクロのアニメーションが進行して行きますが、とにかく圧倒的です。目眩がしました。
雪の雑踏を人々が行き交うシーン、ぬかるんだ地面、アカーキイ・アカーキエヴィチのわびしい暮しぶり、靴下を脱ぐ仕草、骨張った小さな手の動き、スープをすすりパンをかじり、インクをインク壺に注ぐ描写、天上の梁の上を猫が歩いていくシルエット、ベッドに横たわり毛布にくるまるその毛布の薄さ――。ほとんど狂気のような精密さに、私は完全に圧倒されてしまいました。ちょっと具合が悪くなりそうな衝撃。うーむ、これは、どうにか完成してもらいたいものです。「外套」は非常に面白い小説ですからね!

「外套」を見終わって、フラフラと上映会場を出ました。アニメーションを観てから展示を見ると、迫力が増しますね。あれはあの場面、これはこれから制作する場面と思いながら見て行くと、凄さがよく伝わってきます。気が重くなるほど凄い。

「冬の日」の展示もなかなか面白かったです。


というわけで、私はかなり満喫しました。
面白かったです。やっぱりアニメーションって面白いよ! と興奮して出てきました。美術館のロケーションもよいですし、おすすめの展覧会ですね。







この日、移動や休憩の合間にも、烏合さんとは沢山お話ししました。すごく楽しかったです。以前、神保町でお会いした時の記録にも書きましたが、烏合さんはものすごく楽しい人なんですよね。この日の会話のなかにも知性がほとばしっていました。烏合さんのとても問題意識の高いところも私は尊敬しています。また、人の言ったことをよく覚えていて、私の過去の記事のことや、「ヒャクボルコ」のこと(←いずれも私は自分では忘れているようなこと;)を取り上げてくれるところには、本当に感謝しています。ありがたいなぁ!

一方私の方からは、なんの拍子でその話になったのか忘れましたが、私自身の蹉跌と挫折にまみれた逃走の半生について語り、とにかく「数学がどうにもならないほどに苦手だった」ということだけはしつこいくらいに伝えられたかと思います。でも、久しぶりにしゃべったので、口がうまくまわらず、声も少し嗄れてしまう貧弱な私。な、なさけなや!

帰り際、烏合さんは往きのバスの中から見たお魚屋さんで、お土産にお魚をお買いになりました。遠方から来られたので、小さな保冷ボックスに入れてもらいます。「すっかり大荷物になってしまった!」と嘆いてらしたのですが、そう言えば、私が関西にいた頃、京都で烏合さんとお会いした時にも、旅先だというのに烏合さんは書店で大量の本をお買いになったのでした。あ、こんなところに書いてしまってゴメンよ。でも、私は烏合さんのこういうところがたまらなく好きなのです。しっかりしてそうなのに、面白いよなぁ!

色々とお話を伺ううちに、烏合さんちの姉妹関係と、私のうちの姉妹関係はよく似ているようだと分かりました。烏合さんはお姉さんで、私は妹なのですが、なんかすごく分かった。妹気質ってありますよ。姉の言うことはとりあえず無条件にきいてしまうというように仕込まれているというか(^_^;) 烏合さんの妹さんはどこか私に似たところがあるそうで、もの凄くお会いしてみたい気持ちになりました。ふと考えてみれば、私の友人はほとんどが「お姉さん」「お兄さん」なんですね。私はそのせいで心地よいのかもしれません。「妹」とは、結局は甘やかされる立場ですからねー。


というわけで、大変に楽しかった一日。
烏合さん、どうもありがとう! とても愉快な一日でした(´∀`*)
おつかれさま!!







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『ウーノ氏の哲学』

2010年05月30日 | 自作まんが





別館に『ウーノ氏の哲学』を掲載しました。

 →→ 不透明記録:層


原案は部分的にK氏によるものですが、なんか最初に面白いと思ったほどには面白く仕上がりませんでしたね…(/o\;)テヘヘ でもとにかく仕上がったのは良かった!!

今回は、実業家ウーノ氏(ラッコ)のお話。



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できた

2010年05月29日 | 自作まんが


『ウーノ氏の哲学』、できました。
明日公開の予定。



今回も誰得マンガ……(/o\;)
あ、でも、ちょっと社会派なところもあります!
私のマンガにしては珍しくテーマらしきものがあるのですが、ウーノ氏の信念が正しいものなのかどうなのかは分からないですねー。

それにしても、もうちょっと面白くても良かったよな(←毎度のことながら)。




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『虫と歌―市川春子作品集』

2010年05月28日 | 読書日記ー漫画

市川春子(講談社 アフタヌーンKC)



《収録作品》
*星の恋人
*ヴァイオライト
*日下兄妹
*虫と歌


《この一言》
“ ひとのくずと
 ほしのちりの兄妹だ
  はなれるな 行くぞ ”
  ――「日下兄妹」より





びっくりしました。

以前友人が面白いと言っていたのを聞いてからずっと読みたかったのを、ようやく買って読んだのは先週の土曜日のことでしたが、夜になってからこの本を読み始めた私は、目の前を通り過ぎて行ったはずの多くの画面が、いつまでもチラチラと閉じた眼に浮かんでくるので、明け方まで眠ることができませんでした。この世界に触れた感想を一言で済ますことはきっとできないな、ということを思いながら、うんうんと唸っておりました。
一週間経ちましたが、この作品は透明で鉱物のようにしっかりとしているのに、それでいて薄く柔らかいようにしか見えないという、私はやはりまだどう捉えていいのか分かりません。私の言葉は足りませんが、この作品には溢れるものがあります。なにか圧倒的なものがあることだけは、よく分かります。これは凄い。


フリーハンドで、サッと一本の、細い柔らかい線で描かれた漫画です。ところどころのコマがとても装飾的ですが、その装飾はきわめてシンプルで美しい。この本自体の装丁も、作者の市川氏がご自身でなさっているとのことで、綺麗な緑色のカバーの下の本体には、真っ黒な地に白い細い線で虫と花が描かれてありました。また、緑色の表紙カバーには、よく見ると本体と同じ虫と花の模様の、光沢のある透明なプリントがしてあり浮き上がっています。
とにかく、ひたすらに美しい絵が満載の美しい本です。私はここでまず驚きました。

そして、ストーリー。
正直に言うと、私には4つある物語のうち、3つまではどうもハッキリとは理解できませんでした。幼い頃にうっかり切断してしまったさつきの左手の薬指から生まれた女の子つつじをめぐる「星の恋人」、墜落した飛行機から救い出された少年と電気(?)との交流(??)「ヴァイオライト」、昆虫の設計とデザインという秘密の仕事に従事する兄とそれを手伝う弟妹のお話「虫と歌」、の3作品はいずれも悲しみをたたえた美しい物語でしたが、この感じを私はうまく説明できそうにありません。不思議な話、というだけでは足りない気がします。不思議で幻想的、というのでもまだ足りないような。とりあえず、「星の恋人」では、つつじが自分で腕を剪定してしまう場面には死ぬほど驚きました。あと、私は昆虫というものが苦手なので、実は「虫と歌」は表題作なのに、意識の中心をちょびっとずらしながら読んだので、なおさら分からなかったのかもしれません。「ヴァイオライト」はとても悲しいけど綺麗なお話だったなぁ。でも、どういうことなのかよく分からなかった。
しかし、どういうことなのかよく分からなくても、しっかりとその世界観を伝える力が確かにあります。この力強さにはとても驚かされました。


さて、最後に「日下兄妹」。
このお話は私には一番分かりやすかったのかもしれません。不思議な始まり方は他の作品と一緒でしたが、いつの間にかスッと深くまで入ってきて、私は涙がこぼれてこぼれて仕方がなかったですからね。単純な私にもよく分かる美しい、そして気持ちが温かくなるような再生の物語だったかと思っています。

野球部のエース、モテモテの日下雪輝(ゆきてる=ユキ)は肩を壊して寮を出る。両親はおらず、妹は母とともに生まれることなく死んでしまった。世話になっている遠い親戚のおばさんの家に帰るが、おばさんもどこかへ行ってしまっていて、ユキはひとりで暮すことにする。古道具屋を営むおばさんの店のタンスを何気なく開けたところ、取っ手が外れてネジあてがひとつ弾けた。意志を持ったかのようにユキの手から逃れるネジあては、部品を継ぎ足しては日に日に成長して姿を変えてゆく。小さな女の子のように成長したそれを、ユキは死んだ妹と同じ「ヒナ」と名づける。

と、あらすじを書こうとしても、うまくいきませんね。けれども、この作品はものすごい傑作短篇であると言えましょう。短篇漫画にこんなにも心が震えたのは、久しぶりのことです。2度目に読んだ時には、途中から(しかもかなり早い段階で)画面が曇ってしまって、よく読めないくらいでした。

部品を吸収して女の子のような見た目になったヒナは、勉強して覚えた言葉を書き話し、あるだけの本を読み、家事だってこなすようになりますが、顔らしき部分には目も鼻も口もありません。それなのに、あれほどまでの「妹らしさ」を描き出す作者の描写力には、心の底から感心してしまいます。このヒナの可愛らしさは異常です。とにかく猛烈に可愛い。



以下、激しくネタバレしておりますので、これから読もうという方は、どうか作品をお読みになってから下の文章をごらん下さいませ。



************


親を知らず、妹を知らず、他の誰をも知らない孤独なユキ。孤独を恐れると同時に、孤独を星に願い続けたユキに寄り添ったのは、星のちりだった。分からないことだらけの、95%は人間の理解の範囲外にあるという宇宙のなかで、分からない故に孤独だったユキに寄り添ったのは、よく分からないところからやってきた星のちり、それに孤独を願ったと同時にユキが憧れ続けた星の、その塵のヒナだった。そしてヒナはユキテルの願いを叶え、彼の肉体と精神の一部となって寄り添い続ける。

ヒナと一緒になったユキテルは、もう知らないことはヒナのように知ろうとすればよいのだということを学び、自分自身や他人についての知らなかったことを知り、孤独ではなかったことを知り、今度は別の事を願うようになります。すでに涙で全然前が見えませんけれども、ユキはもっと遠くへ、ヒナにとっては懐かしい場所へ行きたいと願うようになるのでした。ユキは最初の願いを取り戻し、孤独も絶望も、もうない。


************


美しい、美しい不思議で優しいお話。




こういう人は、いったいどこからやって来るのでしょう? どうしたら、この世界をこんなにも透明に描くことができるというのでしょう? そしてまた、描かれた透明で美しい世界が、ひょっとしたら確かにあるのではないかと私にも思えてしまうのは、どうしたわけなのでしょう。

そうだ。
この世界は私が日常的に感じているよりもずっと不思議で美しいものなんじゃないか、静かで悲しみに満ちた、けれどもとても優しく美しい世界があるんじゃないか。あるかも知れないことを教えてくれるこの人の、私は新しい目を手に入れたような気持ちです。







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suicaなお土産

2010年05月27日 | もやもや日記

ノートブック
キャラメル
チョコクリームカステラ




八重洲に用事があるというK氏に頼んで、東京駅のsuicaショップへ行ってきてもらいました。で、買って来てくれたのが、上の写真の品々。

 おお~、やっぱ可愛いなぁ~~(´∀`*)

suicaペンギンは可愛い。うへへ。





ついでなのか何なのか、K氏は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』のブルーレイディスクも買って来てました。そういや、「ペンペン」という利口なペンギンが出てきますもんね。


で、早速観た。てゆーか、K氏はこの映画を劇場で観てきたはずなのに、ブルーレイまで買うなんて、そんな熱心なファンだったのかと「君、これ観てきたのに、すごいね」と言ったら、「え? 観てないよ!」と返されました。いや、観たよ。観に行ってたよ。(証拠資料=『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』2009年7月27日の当ブログ記事に「現在公開中の『破』を観てきたK氏によると、そちらもいっそう面白い作品だったそうですし…」との記述あり。日記は付けておくもんですねー)

終わりの方で「そういえば、観たような気がしてきた……」と言っていました。ほらね、やっぱり。


suicaペンギンのノートブックは私にくれるそうです。わ~い、カステラの方もヨロシク! キャラメルは別にいいから(私はキャラメルがあまり好きじゃないので。つーか、最初からK氏は自分用に買ってきたみたいですが…;)。







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最近のこと

2010年05月26日 | もやもや日記

新宿西口の高層ビル。
時々新宿周辺の映像に入り込んでいる、このタケノコのようなビル。
前からすごく気になっていたのですが、
なんか「東京モード学園?」みたいなのが入っている建物でした。





新宿へ行ってきました。
昨日は暑かった……。
Kさんとお昼をご一緒し、その後書店廻りに繰り出しました。楽しかったー。
西口はビル風強し。タケノコビルの地階にはブック・ファーストがありますが、携帯の電波は届かないようでした(←わりとどうでもよい情報)。そして、1階にはブック・ファーストのカフェがあり、こじんまりとした店内は、しかしいかにも新宿らしく都会風近未来風の雰囲気で、PCで作業している若者がちらほら見受けられました。うーむ、新宿ってましたね。
私は書店でダヌンツィオの『死の勝利(下巻)』を購入。(上巻)はあとで買おう。


夜。
米国から一時帰国している友人夫妻とその息子(もうすぐ3歳)に会いに、もう一人の友人Aちゃんとともに赤坂の高級ホテルへ。私には一生縁のない高級ホテルのロビーで、しばし佇み。
当初は奥さんの方とだけ会う予定でしたが、結果的に家族全員と合流できて、私は満足でした。元気そうで何よりです。ちびっ子のH氏は、前回会った時はまだ1歳半くらいでふよふよした感じでしたが、昨日はもうすっかり大きくなっていて、一人で踊ったり喋ったりして可愛かったです。滝のようにヨダレを垂らしてご機嫌でした。本場仕込みの train! の発音には、お姉さんはビックリしちゃったぞ!(注:「お姉さん」というのは、私と友人を指す。無理矢理呼ばせたのではなく、向うがそのように呼んでくれるのです。3歳未満ながら空気の読める賢い子)

Aちゃんが「涙もろくなるのは老化のあらわれ」とか言うので「私は子供の頃から涙もろかったのだが…?」と訊いたら、「それはその頃から老化が進んでいたんだよ」ということで話が落着きました。そろそろ私の涙もろさも老練の域に達しようとしているのかもしれません。嬉しいこととか美しいこととか悲しいことでならシクシクと泣きますが、苦しいとか悔しいとかいうことでは泣かなくなりましたしね。あとは泣き言を言わなくなれば、もうちょっとマシになれそうかも。老化っていうよりも成長と考えたい!



実は軽く気落ちしていたところでしたが、昨日は友だちに会って、色々と心が晴れました。やっぱ友だちってありがたいですね~。Kさんにも、akikoさんにも、I氏にも、Aちゃんにも感謝です! あれこれ詰まらないことでブツブツ言ってた私ですが、なんだか急にスッキリしました(^_^) さ、マンガでも仕上げるか!






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「サキノハカといふ黒い花といっしょに」

2010年05月24日 | 読書日記ー日本

宮沢賢治詩集 天沢退二郎編(新潮文庫)









いつまで人の言葉にすがり続けるのだろう。
どうしてひとりで立てないのだろう。
どうしてだか、すぐに砕け散ってしまう。

雨の音を聴きながら、しばらくそうしていようと思っていたら、
雨あしが弱まって、雨音が絶えてしまった。

そこへ美しい言葉がやってきた。


****「サキノハカといふ黒い花といっしょに」

 サキノハカといふ黒い花といっしょに
 革命がやがてやってくる
 ブルジョアジーでもプロレタリアートでも
 おほよそ卑怯な下等なやつらは
 みんなひとりで日向へ出た蕈(きのこ)のやうに
 潰れて流れるその日が来る
 やってしまへやってしまへ
 酒を呑みたいために尤もらしい波瀾を起すやつも
 じぶんだけで面白いことをしつくして
 人生が砂っ原だなんていふにせ教師も
 いつでもきょろきょろひとと自分をくらべるやつらも
 そいつらみんなをびしゃびしゃに叩きつけて
 その中から卑怯な鬼どもを追ひ払へ
 それらをみんな魚や豚につかせてしまへ
 はがねを鍛へるやうに新しい時代は新しい人間を鍛へる
 紺いろした山地の稜をも砕け
 銀河をつかって発電所もつくれ



****「生徒諸君に寄せる」
 (略)
 新しい時代のコペルニクスよ
 余りに重苦しい重力の法則から
 この銀河系統を解き放て


 (中略)
 新たな詩人よ
 嵐から雲から光から
 新たな透明なエネルギーを得て
 人と地球にとるべき形を暗示せよ
 
 新たな時代のマルクスよ
 これらの盲目な衝動から動く世界を
 素晴しく美しい構成に変へよ

 諸君はこの颯爽たる
 諸君の未来圏から吹いて来る
 透明な清潔な風を感じないのか

 今日の歴史や地史の資料からのみ論ずるならば
 われらの祖先乃至はわれらに至るまで
 すべての信仰や徳性はただ誤解から生じたとさへ見え
 しかも科学はいまだに暗く
 われらに自殺と自棄のみをしか保証せぬ、

 誰が誰よりどうだとか
 誰の仕事がどうしたとか
 そんなことを云ってゐるひまがあるのか
 さあわれわれは一つになって
(以下空白)
****(「詩ノート」より)


冷たく透き通り、たしかな美しい言葉の連なりは、
こわれものの心を一瞬で満たしたけれども、
割れたところからすべて流れ出てしまった。

私は
せめてこのひび割れも
透明なものを通過させたことで、ついでに透き通ってゆかないだろうかと
浅ましいことを考える。

けれど、冷たく透き通ってたしかな美しいものは、
私を通過する間に生ぬるい不確かな別のものへと変わってしまった。



未来圏から吹いて来る透明な清潔な風を、
卑怯な鬼どもとして追い払われることを、
おそれている私は
いつまでこうやって立ち尽くすつもりなのでしょうかね。
いえ、別に今日も元気なんですけれども。
透明で確かなものへの憧れを、少し、持て余しています。






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『のはらのはらの』

2010年05月22日 | 読書日記ー漫画

雁須磨子(大洋図書)




《あらすじ》
暑い暑い夏の日、具合が悪くて動けなくなった西戸崎は、同じ高校の先輩・糸島に親切にされる。腰を傷めて野球をやめてしまった糸島。西戸崎は糸島が気になってしかたがない。ずきずきして、くらくらして――この気持ちはなんなのか?


《この一文》
“ なりふりかまわず
  身も世もないほど。   ”





こ、これはヤバイっ……



す、すす、スミマセン、なんか最近マンガばっか読んでてアレかなーとか、でもちょっと逃避したい気分っていうか、私も色々あるんですけど、そういう気持ちを抱えて今日ちょっと別の用事のついでにブックオフに寄ったらこの本と目が合って「そういえば、このマンガは面白いよって教えてもらってたんだー」とも思い出したりしたので、ちょっと買ってみたんですけど、あががが、面白すぎて私はどうにかなりそうです。
ハアハア。


なにこれ、なんなのこの面白さは……


おもしろーい、おもしろいよーー、なんて面白いの! 何がどのように面白いのかまだ分からないのですが(とりあえず5回ほど読み返してみた。でもまだ読むよ)、とにかくツボった。ツボりました。まいった。もうだめ。なんだろ、この作品全体の雰囲気がいいのかな? てか、第1話の最初の数ページからして面白すぎますね。こういうとぼけたユーモアが、まず私の心を打ち砕きました。もう粉々のバラバラですよ、はい。

第1話。高校1年生の西戸崎くんが炎天下でバスを待ってて日射病で倒れそうになっていると(←ここまでの描写がまず猛烈に面白い。灼熱の太陽にニッコリした顔が描いてあったりする表現が私を瞬殺)、そこへペットボトルの水を差し出してくれる可愛らしいレースの日傘の人物が現れるという、そしてその人物が同じ高校の男の子で、しかもボウズで、みたいな! 

で、その糸島くんはボウズで男の先輩なんだけど、西戸崎くんは彼のことがなんか気になって気になって仕方なくなってしまって、夏休みについ糸島くんが住むという街(←聞き取り調査の成果)へふらふらと出かけて行き、これって何て「ストーカー」? と自問してへたりこんでしまったり、運良く知り合うことが出来た糸島くんから電話番号を教えてもらったりしたら、話すこともないのに電話をかけたくなって「イタ電とかする奴のきもち超わかる」とか思ってしまうとか。

……ぐはっ、う、うまいなぁ、この人! だめだ、私はこういうのに弱いんだ。

というわけで、あれよあれよという間に物語の中へ引きずり込まれてしまいました。手が震えたぜ!


この作品には全編を通してほのぼのしたユーモアが漂っているのではありますが、その一方でものすごく真剣な恋愛も描かれていたりして、なんかもうとにかく闇雲に面白かったです。私はこの「真剣な部分」をもっと掘り下げたい気持ちはあるものの、今はまだダメだ、無理だ! ああ、でもここがこのお話の肝心なところなのになぁ。私って奴ぁ……。

あと、主人公の西戸崎くんがなんか死ぬほど可愛かったのですが、糸島くんのお友達の吉井くんという男の子のおとぼけぶりがまた、私にはたまらなく面白かったです。だめだー、おもしろいーー。



うーむ。私はBL漫画を読み始めたのはごく最近になってからなんですが、この領域にはこんなに面白い作品が沢山あることを知らずにいたなんて迂闊でしたねー。てゆーか、知って良かった! 面白い! 私は面白い漫画が読みたいのです!! よ~し、張り切ってもっと探しちゃうぞ~~☆




作者の雁須磨子さんは、白泉社とか他のところでも、BLだけでなく色々描いてらっしゃるようです(たしか)。私はいきなりなんですけど、すっごく好きになってしまいました。『いばら・ら・ららばい』とかいうのも最近出てたような。『のはらのはらの』とか『いばら・ら・ららばい』とか、タイトルの響きが良いですね。大島弓子の『つるばらつるばら』を思い出してしまいます(あれは怖かった…いい意味で)。
よし、今度買って来よっと。へっへっへ☆





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あつい!

2010年05月21日 | もやもや日記







ちょっと前まで寒かったと思ったのに、今日は急に暑かったですね。晴れているのはいいけれど、あんまり暑いのは嫌だな~。寒いのも暑いのも嫌だという私はなんとワガママなのか。でも今日のところは湿気があまりなかったので、気持ちの良い暑さではありましたね(^_^) しかし、今日も風が強いなー!


画像はコウテイペンギンの群れ。
今描いているマンガの1コマです。私は同時に複数の物事を処理することができないので、マンガを描いている間は、他のことがほとんど手につきません。あー、あれの感想とかも書く予定だったし、さっそくウテナを観たりしたいのだがなぁ! とっとと仕上げねば!(←別に誰に頼まれたというわけでもないので、急ぐこともないのですが…)1日1ページ仕上げるつもりが、1日半ページしか仕上がりません。でも全部で5ページしかないので、あと数日で終わるハズ! 地道にガンバレ!


コウテイペンギンは頭が小さいですね。並んで海まで歩いてゆく後ろ姿は、どう見ても通勤途中のサラリーマンのようです。例外的にヒナの姿形が可愛らしいペンギンの仲間。




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絶対運命黙示録―ウテナがやってきた!

2010年05月20日 | もやもや日記

傑作アニメシリーズ:『少女革命ウテナ』
DVD 全8枚。





 世界を 革命する力を!!



ということで、とうとう買ってしまいました。『少女革命ウテナ』のDVDを。注文してたのが、今朝届きました。ぐへへ。これでいよいよ、いつでも、いくらでも、好きな時に好きなだけ観られる! う~れ~し~い~~!!
これは、私が好きで好きでたまらないアニメシリーズなのです。ようやく手に入って嬉しくて倒れそうです。あー、もっと早くに決断しておくべきだったよな。でももうこれからは「ほしい、ほしい」と呟かずに済みますよ! ワ~イ!

私が買ったのは、最初に出た全8枚のDVD(バラ売り)。このバラのDVDよりも画質が向上、映像特典および特別ブックレットが付属しているという11枚組のBOX上下巻にすべきかどうかで1年近く悩んだのですが、結局バラの方にしました。だって……、BOXはおそろしく高価なんですもの!(セットで5、6万くらい?)

   *制作中のマンガ「ウーノ氏の哲学」より


ってことですわ。ふぅ。
BOXは、いつか私が金持ちになったら、その時にまた買い直そうっと。つか、その頃にはDVDも廃れているかもしれないけど。つか、そもそも私が金持ちになる日なんてどうやっても来ないかもしれないけど……ほら、2012年には人類が滅亡するっていうマヤの予言があるらし……(´・ω・`)





さて、この『少女革命ウテナ』ですが、『少女革命ウテナ』というタイトル、キャラデザインは少女漫画家のさいとうちほさんということで、思い切り女の子向けのアニメなのではないかと思われるかもしれませんが、まあそういうところは確かにあるかもしれませんけれど、しかしこのシリーズに描かれた世界は、映像的にも物語の内容的にもあまりにも美しく完成度の高いものなので、もっと幅広い層に鑑賞されるべきアニメではないかと私は常々思っております。


*** あらすじ ***

幼い頃に助けてくれた見知らぬ男の子(王子様)に憧れ、自分も王子様になりたいと願うようになった天上ウテナは、入学した鳳学園で「薔薇の花嫁」と呼ばれる少女・姫宮アンシーと出会う。エンゲージした者に「永遠」に至る「世界を革命する力」を与えるという「薔薇の花嫁」をかけて戦い続ける生徒会役員(デュエリスト:決闘者)たちは、ウテナがかつて王子様から貰った指輪と同じ「薔薇の刻印」を持っていた。ウテナもまたこの決闘ゲームに巻き込まれ、その背後にある「世界の果て」へと迫っていく…。

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とあらすじを書くと「なんのこっちゃ」な感じもしますが、あー、これが面白いのですよ! 私は観るたびに、人生について考えてしまいますね。世界を革命する力とは何なのか。気高く生きるとはどういうことなのか。深い、深いよ! 大風呂敷を拡げてみたものの回収できなかった、なんてことはないんですよ! 素晴らしい結末!! あー、だめだ、好きすぎる。

記憶によると私は上京した1年目に、テレビ東京で夕方6時くらいから放送されていたのをリアルタイムで視聴していたわけですが、いや驚きましたね。全部で39話のシリーズなのですが、第25話あたりからの描写(性的な)が過激で! 私は唖然としてしまったのを、今でもよく覚えています。よくあんな時間に放送していましたよね; 大胆な時代だったなぁ。

大胆と言えば、このアニメは演出の大胆さも見所です。どこか舞台演劇的な、非常に美しい画面が延々と続くのですが、時々ギャグ的演出が挿入されているので、かなり笑えます。そういうところも好きです。
それからこのアニメで特徴的なことのもうひとつには、音楽。もの凄く特徴的な音楽で有名ですよね。たとえば作品中に挿入されているJ・A・シーザーによる合唱曲なんかは、もう何を言っているのか全然分からないのですが、とても耳と心に残る楽曲です(ちなみにこのシーザーさんは、寺山修司主宰の演劇実験室・天井桟敷の座付き音楽家だったそうです)。
もうとにかく好き。好きすぎる。



そのうち数日ひきこもって、39話を一気に鑑賞したいと思います。
それで、今度こそ私の「ウテナ愛」について、本気で語りたい。

  ワナワナしてきたぜ!!





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