息子が道すがら「これこれこういうディストピア小説があるらしく、ロシアの、何とかいう作家ので、ちょっと僕それを読んでみたいんだよね」と、唐突に私に告げました。
…もしや、その時が来たのか…?
その時の息子からの情報では要領を得ず誰の何という作品か見当がつかなかったので、あとでちゃんと調べてみるようにいったところ、「えーと、ザミャーチンの『われら』っていう小説」とのこと。
おお…神よ…!
なんという偶然の一致!
私がアンチ・ユートピア小説にのめり込むきっかけ、ロシア文学への最初の入り口となったのは、まさにこのザミャーチンの『われら』でありました。
神保町の古本屋の店先のワゴンのなかで、400円で売られていた『われら』。
息子よ、知らず知らず君もここへ惹かれて来たのか。感慨深い、実に感慨深い…ついでにチャペックの『ロボット(R.U.R)』も添えてやろう…『山椒魚戦争』もあるよ…
というわけで、血は争えないのか、別に私がそのように導いたわけでもないのに息子もこういう物語に興味を持つようになった様子です。
読むかどうかはともかく渡しておきました。
ついでのついでに久しぶりに素敵なブックガイド『幻想文学1500』を開いて確認すると、ロシア文学の「ユートピア」の項目にはまだ読みたいけど読んでない作品がいくつもありました。
私もいつかの情熱を思い出して、ディストピア小説コーナーをさらに充実させないとな!
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