あるカフェのオーナーから、「お気に入りの粉引きのコーヒーカップが欠けたので、修理できないものなのだろうか!?」、と。
「粉引き」とは、一般に赤土で形成した器に白い化粧土を掛け乾燥後、素焼きしたものに石灰透明釉を掛け、還元焼成したものです。この場合、釉薬とウツワの間に化粧土を掛けていますので、どうしても水分を含んでいくとモロくなる傾向があります。
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外見的には大きな欠けた部分は見あたりませんが、
よく見るとー。
~メンテ箇所とメンテの方法~
❶ 口の部分(2箇所)➡化粧土を塗り+3号釉を塗ります
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➊の修正後
②取っ手の部分➡化粧土を塗り+3号釉を塗ります
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❸の修正後
➂ 高台の欠け➡サンドペーパーで削ります➡焼成で元の色に
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➂の修正後
❹ 底のひび割れ➡3号釉を塗ります
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❹の修正後
透明釉を掛けたところです
本焼きした結果はー
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メンテ完了!です。
ーということで、粉引きの場合、案外簡単になおすことができます。本体にヒビの入ったものや破損したものは、昔から「金つぎ」という方法がありますが、若干面倒です。
粉引き(一般の陶器でも)の場合、水の中に長時間浸けると、モロクなりやすいので扱い方に注意しなければなりません。また、陶器と陶器が軽くぶつかっても欠けやすいので慎重にー。