大川原有重 春夏秋冬

人は泣きながら生まれ幸せになる為に人間関係の修行をする。様々な思い出、経験、感動をスーツケースに入れ旅立つんだね

孫以降の世代にもガンを起こす

2013-12-23 18:35:45 | 原子力関係


NPO法人食品と暮らしの安全基金(旧称:日本子孫基金)




>>ウクライナ調査報告

野村大成・大阪大学名誉教授に放射能の危険性をインタビュー
孫以降の世代にもガンを起こす

放射線がマウスにどのようにガンを発生させるのか、 国際的な指標になる実験を行い、
世界の専門家から抜群に高く評価されている 野村大成・大阪大学名誉教授に、
フクシマと放射能による次世代への 影響についてお聞きしました。
「注意しても、しすぎることはない」と話された 野村先生の偉大な業績と考えを、
ぜひお読みください。

野村大成(のむら たいせい) 大阪大学名誉教授。
1942年、名古屋市生まれ。専門は放射線基礎医学。
1986~2005年大阪大医学部教授。現在は医薬基盤研究所・野村プロジェクト・プロジェクトリーダー。


聞き手:月刊誌『食品と暮らしの安全』小若順一編集長



●安全神話で責任感がなくなっていた

野村  原子力の安全神話?(特に省庁再編後)のもとに、安全審査の独立機能をなくした国は、 東大を除き原子力工学を廃止し、また、原子力の人体影響を研究する放射線基礎医学講座も研究費のためなのか、 大阪大学医学部を除いて自然消滅しました。 工、医ともに安全性の教育、研究の場を日本はなくしたわけです。
 すなわち、目先の利益優先に終始し、安全性の基本理念がなくなっていたところに、今回の事故が起きたのです。

 放射線障害の歴史と事実をまったく無視した政府のアナウンスメントに、記者は質問もコメントもできない。
今回の事故が起こるはるか前から、このような状態になっていたので、原子炉の保存が優先し、人命どころか原子炉自体の安全性まで無視し、それが大きな原発事故に結びついてしまいました。
 共同通信社にベテランが残っていたので、あまりの状況を見かねて、人は早く避難させなければいけない、放射能汚染は風向き、降雨により離れたところにスポットで起きる、 汚染物の移動厳禁、とこれまでの経験から最低限の常識を書いたメモを送ったら、そのまま配信されたのが昨年3月22日です。

小若 私も遺伝毒性から手を引いてから20年ほどたっていて、毎年、著名な遺伝学者が亡くなり、 遺伝がわかる記者も退職していたので、誰を頼ろうかと思っていたのですが、その記事で「世界のノムラ」先生がご健在だとわかりました。

野村 取材もいっぱい来ました。「君は記者か」と聞くと「ハイ」と。 「記者なら、あの発表はどういうことを言っているかわかるはずや。質問したのか」と言うと、 「もう放射線をやっている人は誰もいません」。
大手のテレビ、新聞は「安全と言ってほしい」と言うので、取材は拒否しました。

週刊誌はまだマシでした。過剰に反応しすぎたとも思えない。
特に女性記者は、本能的に危機を察しているようでしたので、できるだけ丁寧にお答えしました。
こういうことは過剰に反応してトントンです。
2000年の別冊宝島『これから起こる原発事故』に専門家の緊急警告が記載されています。
当時は書きすぎではないかとも思ったのですが、地震、津波、規模、発電所名等々、何もかも今回の事故が当然起こると予想したものでした。

●除染で被曝し、放射能が拡散する

小若 除染にも問題がありますね。

野村  除染することの怖さをよくわかっていないのです。
除染のためには誰かが汚染地に入らなければなりません。その作業者はどんな格好をしていますか?
除染すれば、その作業者が被曝することは明らかで、膨大な数の被曝者を出すことになります。
汚染した今となっては、いかに放射能を拡散させないかが重要です。

小若 そのとおりのことを、私も体験しています。
昨年6月、福島へ取材に行ったのですが、二本松から伊達市まで30㎞を走りながら、山がすべて汚染されたので、 除染しても山から汚染が下りてくると感じていました。
伊達市で小学校に行くと、今度、原子力規制委員会の委員長の候補になった田中俊一氏が、除染の実践と研究を行っていたのですが、 田中氏は私の防塵マスクを指さして「そんなの意味ないよ」と言ったのです。もちろん、作業している人は誰もマスクを付けていませんでした。
校庭のアスファルトの汚染はグラインダーで削らないと線量が減らないと説明し、校庭の土手とプールを掃除していたのですが、この学校の裏にも山があり、 その後、除染しても元に戻った例がたくさん出てきています。

●日本人の良心を完全に否定した政府

野村 1993年に、ソビエト連邦が原子力潜水艦の放射性廃棄物を日本海に投棄したとき、 日本政府は国際問題だと言って、猛烈に非難しました。そのときの調査では、日本海の海底土から最大7ベクレル/㎏の放射性セシウムが検出されています。
 福島では4月1~6日の6日間で、セシウム940兆ベクレルを海洋に漏出したと東電は話しています。 6日間でセラフィールド核燃料再処理工場の1年間の海洋漏出量の放射性物質を放出したことになり、ヨウ素を含めると4700兆ベクレルになります。 福島の海底土では、30㎞圏外でも8000ベクレル/㎏を超える放射性セシウムが何度も検出されているのに、 自分のところが放出したら「希釈されて安全になるから、どんどん食べてください」と、政府、メディアは宣伝しました。
 国内のみならず、外国に対しても「日本の農産物は安全です」とやりましたから、これで日本人の良心は完膚なきまで、国際的に否定されたのです。
そのことを日本人は思い知らなければいけません。かつて、放射線廃棄物をコンクリート封入、
ガラス化などすれば安全だから、フィリピン沖の公海に廃棄したいと日本政府が申し出て、それなら東京湾に捨てたらどうかと言われたことを思い出します。
 腐っている。日本人の魂が疑われているのです。

●発ガン物質と放射能は、孫にも発ガン

小若 野村先生は30年以上前に、放射線や化学物質が、世代を超えてマウスを発ガンさせることを実証し、 国際的に大反響を呼んだ「大阪レポート」を発表されています。
この実験は、どのように行われたのですか。

野村 まず、ウレタン(カルバミン酸エチル)で確認しました。
ウレタンをオスのマウスに注射し、しばらくしてメスと交配させると、ほとんど元気で生まれますが、 その子たち4千匹余にガンが出るかどうかを見ていくと、有意差が出てきましたので、
1975年1月に「キャンサー・リサーチ(米国癌学会誌)」に発表しました。

小若 1979年に新聞で「発ガン物質・孫にも影響」と出たときは、すごいことが実証されたものだと思いました。
ただ、ウレタンになじみがなかったので、人に注射されているとは知りませんでした。

野村 僕も鎮静剤の一つだったとしか知りませんでした。それが、非経口医薬品の溶剤として大量に使用されていたのです。

小若 記事の中にはウレタンと放射線の実験結果が出ていましたが。

野村 遺伝的な影響を証明するのに一番大切なのは、
確実にDNAをやっつけるものがいいので、
ウレタンに代わって放射線を使いました。
放射線は瞬間的に作用するので、オスに一発当てて、しばらくしてから正常なメスと交配させ、
受精率や流産、奇形を見て、それから、いつになったらガンが発生し、 その頻度がどのくらいかと。

●量に応じてガンが出る

小若 ずいぶん詳しく調べられたのですね。

野村 遺伝学者は遺伝子の変化を調べますから、 生まれた直後の形態、機能の違いを調べるところまででした。
突然変異については、膨大なデータがありましたが、人類によく見られる疾病(ガン、形態異常、生活習慣病等)はどうなのかは誰も調べていませんでした。
私は外科医でしたから、すべての疾病に対し、先の世代がどうなるか臨床のかたわら、我慢してやっていました。

小若 だから、国際的な発見をされたのですね。
論文の表を見ると、先生は1970年代から、被曝量の多さと、ガン発生数の関係がわかる実験をされていたことになりますが。

野村 70年代までは、ガンが出るか出ないかしか実験しなかったのですが、 発ガン物質を1000分の1の低量まで投与量を変えて追いかけると、きれいな線になりました。
 私の1975年10月のキャンサー・リサーチの論文は、世界で初めて「化学物質で用量効果関係」を描いたもののようです。
実際、この曲線から、注射薬に含まれているウレタンの量を計算できました。
後日、化学的に定量したのと完全に一致していました。

●国際的な大反響

小若 そんな前に、今でも通用する精密な発ガン実験を行われていたとは、すごいですね。

野村 1978年にイタリアの古都ペルージアで開かれた国際学会で発表すると、 有名な遺伝学者がすぐに奇形で追試確認をしてくださったので、ガンも含めて「ネイチャー」にまとめの論文を出しました。
ヨーロッパでは、日本と違って遺伝に関して非常にセンシティブです。 何か悪いことをすると三代たたるという考え方があり、だから悪いことをしない方がいいというのです。
最初の論文では、親に放射線を当てて、子どもから孫まで影響したのを出したので、非常に反応が強かったですね。

小若 すごい評価でしたね。

野村 ネイチャーの論文をイギリスの新聞「ガーディアン」もトップ記事で紹介してくれましたし、 多くのテレビ座談会がなされたようです。アメリカの「サイエンスニュース」でも紹介されました。

小若 当時、日本人が「ネイチャー」に出るのはまれでしたね。

●人は影響が出やすい

野村 論文審査では何も指摘されず、関連論文が4本載りました。
当時、ネイチャーは1誌しかなく、すべての自然科学分野を含めて週20論文くらいしか載りませんでしたので、多かったのかもしれません。 その中で大事なことがあります。放射線を一度浴びただけで、子や孫にガンが発生しますが、突然変異に比べたら100倍以上高く増加したのですが、 それでも、せいぜい10~20匹に1個ガンが増える程度でした。ところが、生まれた子どもにも微量のウレタンを打つと、子どもはガンだらけになりました。 2回目に有害物質をかけると、影響が数倍に上がりました。多くの追試確認がなされました。放射線も同じです。

小若 それは、福島で被曝した人が、後で放射能や化学物質で汚染されたものを食べたら、ガンが出やすいということですか?

野村 マウスの実験はきれいな状態で行いますが、人間は違います。
放射線を浴びた後、親も子どもも、発ガン物質や放射能を含む食べ物も食べる可能性があります。
そうすると、ガンにかかりやすいということです。

小若 シンプルな動物実験の結果よりも、ヒトの方が危ないと考えられるわけですね。

●再処理工場の従業員の子どもに白血病

野村 ヒトでは、イギリスの核燃料再処理工場セラフィールドの例があります。
ここは、海洋汚染もあったし、シースケール村など周辺の汚染もありました。住民は、直接被曝している上に、家庭では放射能汚染食品による被曝があります。
それで、全体的に白血病の頻度が高かったのは、間違いないのです。1990年に、ここの男性従業員の子どもに白血病のリスクが7~8倍高いという論文を サザンプトン大学のガードナー教授が出したのです。
 これは、まさに私のマウス実験と同じことが、ヒトで調査された結果で、精子被曝が子どもの白血病の原因として大騒ぎになり、すぐに被害者による裁判が起きました。
しかし、患者は4人なので、裁判にはもともと無理なところがあり、夜中の3時頃に、5mものファックスで質問が来るのに閉口しました。
 裁判の結論は「統計学的には有意差が出たけど、わずか4例のことなので、すぐに人間には当てはめられない」ということでした。
ところが、珍しく裁判長のコメントが付け加えられたのです。「子孫への影響をみるこの研究は極めて大事であるから、今後、世界中で研究が推進されることを望む」と。

●チェルノブイリ原発事故

小若 チェルノブイリの汚染地では、どうなっているのでしょうか。

野村 事故後10年近くたち、国際機関が調査をやめ、国際援助もなくなったころ、 ユネスコと現地の要請で、文部省(旧科技庁は関与せず)と、民間助成金の支援を受け、生態系への汚染と遺伝的影響を調査しました。
 地上の放射能は減少しても、動植物には、恐れていた強度の汚染、生物濃縮が起こっていることをいち早く証明しました。 事故直後に、放射性ヨウ素で汚染された牧草を食べた乳牛のミルクを飲んだ子どもの甲状腺に、放射性ヨウ素が大量蓄積し、それが原因で甲状腺ガンが高発していました。 放射性セシウム等の内部被曝による影響については、ガンが発生するまでの年数が足りないのだと思いますが、徐々に増加しているとの報告があります。
 遺伝的影響に関しては、英国のグループが、汚染地域の子どもで、放射線等で変化の起きやすい配列のDNAに突然変異が増加していると1996年に報告しました。
汚染を除去した作業者の子どもでは、突然変異の増加が疑問視されていたので、マウスで確実に検出できている突然変異を、 ルカシェンコ大統領の協力も得て、除染作業者の子どもを調査しました。 陽性にはなりませんでしたが、これは、被曝量が50ミリシーベルト以下と少なかったからだと思います。
 ところが、ベラルーシとイタリアを行き来しているツバメの子どもを調べた報告では、反復配列したDNAの突然変異が3.6倍も増加し、有意差が出ています。 ウクライナのツバメとの比較でも2倍くらい増加しています。
 これからも調査は必要ですが、放射能が大量に放出されたのですから、ヒトに異常が出ることは確実です。

●大きな影響がある内部被曝

野村 私が実験したのは瞬間の外部被曝で、外部被曝でもじわじわ被曝すると、ガンと奇形の頻度は落ちます。
だから、環境から受ける慢性被曝のときは、ガンと奇形が少し出にくい可能性はあります。
 しかし、食べると放射能が体内に留まって内部被曝になるので、様相は一変すると思います。
この内部被曝の実験はほとんどないので、チェルノブイリで影響を調べることが大きな課題なのです。
 福島は、チェルノブイリのミニコピーです。

小若 福島でも内部被曝の影響が心配です。
1970年代には、病気になりやすくなる「弱有害遺伝子」が増えると言われていましたが、
遺伝子がよくわかるようになった今では、先生の実験結果は、どのような原理だと説明されるのでしょうか。

●遺伝子の変化が蓄積

野村 1978年に最初の論文を発表したとき、 なぜガンが、子どもに、通常の突然変異に比べて100倍以上もの高頻度に発生したのか、二つの可能性を書きました。
 一つは、たくさんのガン遺伝子があり、そのどれかに変異が起こった可能性です。
例えば、マウス肺腫瘍発生に関与する遺伝子は、免疫関係だけでも当時200以上の遺伝子がわかっており、
「それにヒットしたのなら、200倍の高い頻度で出てもおかしくない。1000倍出てもおかしくない。それで十分説明ができる」と、 多くの先生が支持してくれました。
 しかし、ガンになり易さの遺伝であること、しかも、親マウスが被曝すると、子どもに何百回もの細胞分裂を経ても伝わる変化があり、 そのマウスが生後に環境の有害物質に曝露すると、ガンが高発、促進されることがわかっていました。
 この論文は、1990年代後半になって、生殖細胞で遺伝的不安定性を示した最初の論文と言われたように、 とても、突然変異で説明できるものではありません。
 そこで、もう一つの原因として、通常の遺伝子の機能にわずかな変化が起き、
その蓄積でガンの頻度が上がった、と書きました。

小若 免疫機構がちょっと弱くなるように、とか。

野村 そうですね。健康状態が一番影響を受けるのは、免疫関係の遺伝子です。
 遺伝子は、「有害」でも「生体の正常機能に関与しているもの」でもよく、 その発現のわずかの変化が蓄積し、遺伝したので、何十代にわたってガンが発生しやすくなった、と考えたわけです。
 放射線に一度、被曝しただけで、何代にもわたり、肺腫瘍、肝腫瘍、白血病等にかかりやすいマウスになりました。

●全身の細胞で変化が起きていた

野村 このことを証明するため、遺伝子の働きと「発現」を調べています。
 親に放射線を照射し、子どもが生まれて、その子にガンが出た臓器を調べると、非照射対照群のマウスに較べ、ガン組織で遺伝子の発現が数倍、増減していました。
 遺伝子発現を分析してみると、ガン組織だけでなく、その臓器の正常部分の組織にも多かれ少なかれ、同じような変化がすでに存在していました。
 子どもの臓器でそういう変化が起きていたので、ガンにかかりやすくなっている、と説明したのが、2000年から2003年ごろのレポートです。

●注意しても、しすぎることはない

小若 食品の放射能汚染は減ってきましたが、今でも影響を受けないようにするのがいいのですね。

野村 放射線障害で最も恐れるのは、それが一瞬の被曝であっても、 細胞、遺伝子などに起きた傷が残り、将来のガンや遺伝的影響に結び付くことなのです。 ましてや、内部被曝の場合、放射能を出すもの自体が、長期に体内に残存するのですから、 注意しても、しすぎることはありません。

月刊誌「食品と暮らしの安全」2012年9月1日発行 No.281

<チェルノブイリ~福島>「パニックになって、もうモラルが崩壊している

2013-12-23 18:24:07 | 原子力関係
みんな楽しくHappy♡がいい♪

3<チェルノブイリ~福島>「パニックになって、もうモラルが崩壊している」12/9野呂美加さん(文字起こし)福島県猪苗代町




今でも分からないでしょ、長崎の医者にも分からない、広島の医者にも分からない。
みんな言いたくないんですよ、放射能との因果関係。

でも、私たち一般人にはわかるでしょ?
みんなが嘘ついているってわかるでしょ?

子どもたちだって、被害にあった子どもたちだってそんな話は聞きたくないですよ。
耳を覆いたくなるじゃないですか。
大人の責任を認めないで、「これは放射能のせいじゃないんだ」って言うけど、
病院に行ったら何十人も切った子どもたちがいるんですよ。
それで「放射能のせいじゃない」
事故の後急に出てきたのに「放射能のせいじゃない」
なにを言ってるんだ。

福島の子どもたちを去年ベラルーシの独裁の大統領が保養に招いてくれました。
これは、純粋な愛情とは言い難い。
ま、半分はベラルーシの自分の大統領のお手柄、
「私はどんなに心の広い素晴らしい人」というふうに見せたかったから、

でも行ったサナトリウムは最高でした。

世界中の子どもたちが切符を買って保養に来る。
なぜ私たちはベラルーシの子どもたちを保養に招いていたの?
保養する場所がない。
そういうプログラムがない。
でも彼らたちはですね、高級官僚の息子が集まる、子どもたちが集まる素晴らしいサナトリウムがあったんです。
北の方のクリーンなところに。

私たちの国だって、トップの人達は同じような事を考えているでしょ、おそらく。

ですから、「貧しい農民の子どもたちは助けなくていい」とハッキリ言っている官僚もいました。
「私たちは高級官僚の子どもたちを助けた方がベラルーシのためになる」
そして、こうやって順番が回ってこない。


ですから、福島のお子さんがベラルーシで甲状腺検査を受ける時に、
「なぜ日本の、チェルノブイリで救援していた医者達が率先して日本の子どもを診てあげないの?」

お医者さん達も病院も、病院にいる患者さん達もビックリしているんです。

「なんで、あの医療の進んだ日本から、甲状腺検査に来るの?」
「子どもの順番が回ってこない」
子どもを甲状腺の専門の医者がみてはいけないという、暗黙の通達みたいなものがあるわけですね。



こういうふうに甲状腺学会に山下さんがですね、出している訳です。
だから、札幌でも私は甲状腺の検査を受けましたけれど、
札幌で一番、北海道で一番の専門の先生は、
「いやいやいやいや・・・6歳以下の子どもは私は診たことがない、分からないから診れません」
って言うんですよ。

それは、医者として専門的には優秀かもしれないけど、私は人間としてクズだと思います。

そういうクズがいっぱいいるんです。

「ずいぶん汚い言葉だなぁ」と、ここに医療関係者の方がいるかもしれませんが、
人間としてどうなんですか?

同胞の子どもたちが今被害に遭っていて、
その原因がどうか議論している場合じゃないんです。
危ない所にいるんだったら、さっさと子どもたちを避難させて、
そこで本当に、徹底的に健康調査をしてあげなきゃ、
子どもたちが社会から守られているという実感を得られない。

昨日からですね、立て続けにお母さんたちからこういう話を聞いています。
そのリスクグループも大人も子供も全員甲状腺がんが増えていきますから、
私たちは大人も子どももみんな受けていかなきゃならないんです。


ただ精神的ダメージとかそういうものが大人は少ないから話題になっていないだけなんです。
全国民的に増えている訳ですね、事故の後。

そしてこれがですね、昨日あるお母さんがネットに書き込んでいたんですね、私のよく知っているお母さんが。

子どもが
「もう学校へ行きたくない。学校へ行ったらウソばっかりだ。
 大人が『放射能は安全だ』って嘘を付いている。僕は行きたくない」
 お母さんはそれまでずっと学校と交渉してきた。
 給食の問題であるとか体育の問題、いろんな被ばくする場面で
 『心使いして下さい』という事を丁寧に丁寧に交渉してきたけど、
 もう、嘘をつく大人の顔を見たくない。行きたくない」という事を言った。

これ、関東の子ですよ。
今日福島の子が「学校で大人がウソばっかり付いているから行きたくない」って言ってるんだよね、って、
別のお母さんから今日午前に聞いたんですね。

もうこれは子どもたちの中で我慢の限界が来ているんです。
日本人は子どもに、
「人を信頼しなさい」
「ウソをつくんじゃない」
「正しい人間になりなさい」というふうに教えていて、

今私たち大人がそのように生きているか?
だったらですね、それが実際に大人が行動できないんだったら、
子どもたちにこういうふうに教えるべきなんです。
大陸の人達はこういうふうに子どもを教育しますよ。
「ウソをついても生き抜け」
「人をだましても生き抜け」
「自分の命を一番大事にして生き抜け」
「人の事を信用するな」
「取れる物は取ってでも生き抜け」
そういうふうに中国は、大陸の人は、ロシアの人は教育されているんですよ。
「人を信じるな」
だからこんな事故があったって、誰も政府の言う事を信じませんよ。
私たちは信じるように教育してきたでしょ、子どもたちに。

これからどうやって子どもたちにこの社会のことを説明していくか?

価値が崩壊したんです。

原発って言うのは、こうやって事故が起こってみたらファシズムのようなものなんですね。

じゃあ、チェルノブイリ事故が日本に全く何かをもたらさなかったのか?って言ったら、
これは子どもの、女の子の小児甲状腺がんなんですね。

たいてい十万人あたり統計を出すんですが、これは実数です。
20人40人60人80人100人。
2008年の段階で15歳から19歳の子どもたちで1年間に40人。
1年間で40人の子どもたちが小児甲状腺がんになる。



これは日本全国ですから。
それでその子どもたちが20歳なってこういうふうに増えるから、
「検査したから、それが早く見つかったんだろう」って言ったって、せいぜい倍なんです。

福島県の子どもたちだけが甲状腺がんになるんですか?
おかしいんじゃないですか?
そんな事私たちだってわかりますよ。
じゃあ、このピンクの棒はなんですか?これはチェルノブイリ事故なんです。
ほんのわずかの放射能であっても、数年後にやっぱり何か日本にも変化が起こっている。
そしてこの子どもたちが、19歳の子どもたちが20歳に移って発症しているというふうに考えられますよね。


これは日本全国の甲状腺がんの増加ですね。女子。
10,20,30,40,50,55、っていうのは、原発です。



日本はチェルノブイリ事故の前も大人の甲状腺がんがこういうふうに上がってきている。
そういう図ですね。



そして室蘭沖マダラから汚染が出ていると。
これはお魚はもう、私は食べられなくなるなと。
これは北海道のお魚なんですが、
この時に漁師さんが北海道庁の水産課の人とやりとりしているニュースが流れていたんですが、
漁師さん達はなんて言ったかというと、
「安全だといってくれ」と。
道の水産課の人に懇願しているんですね。
「売りたい、売りたい!」

わたしは嫌ですね。
安全かどうか分からない自分が獲ってきた魚を人の口に入れたくない。

もう崩壊している、モラルが、パニックになって。

本当はいい人なのに、俺はもうそこで漁が出来ないんじゃないかと、いろんなパニックが起こっている。
もうおしまいですよ。
わずか事故から3年で100ベクレル出るんですよ。
これからどんどん汚染水を流すのに、
上がっていくばかりで下がるわけないじゃないですか。

それもしかもセシウムだけですよ。
ストロンチウムは測ってないじゃないですか。
どうすんだ、このおとしまえを。
もう北海道の魚だって出ているんですよ。
なぜ福島の魚から出ないんですか?

隠しているからでしょ。
それを全部九州に持って行って、養殖に使っているっていうところもあるんです。
九州の人が言っていました。
だから、九州産だから安全という事はもう無くなっている。
秘密特定法が必要な理由というのはそういう事なんじゃないですか?

もう北海道のシャケだとか、そんなものだって汚染されていますよ。
45とか50とか。
じゃあ、それは国の基準は100だから安全なのか?って言ったらですね、

第5福竜丸の時にマグロを捨てた。
みなさん覚えていらっしゃると思いますが、
あれがだいたい50~100ベクレルと言われています。

ペンキを塗って、食べられないようにして海へ捨てたと。
あるいは築地の中に穴を掘って埋めたと。

これはチェルノブイリ事故から13年後ですか、
「海のほ乳類に核汚染」と。
イルカ、アザラシ、筋肉に放射性物質という事で、セシウムが溜まっている。


チェルノブイリ事故は空中にパーッと巻き上げて、それが海面におりて、海中におりて、
汚染されるのに10数年かかっている訳です。

ところが日本の場合は直接海に流している、今でも。
そしてあの汚染水も流れていくと
コメントもともとモラルなんて福島にありませんでした。福島には馬鹿しか殆どいません。

「小児がん治療」推進 福医大病院、来春にも診療科新設  

2013-12-23 17:53:11 | 原子力関係

「小児がん治療」推進 福医大病院、来春にも診療科新設
 
 福島医大が福島市の同大付属病院に、小児がんの治療に特化した新たな診療科を来春にも開設することが4日、関係者への取材で分かった。小児がん専門の診療科の開設は県内の医療機関では初めてで、診療科名は「小児腫瘍科」が検討されている。同大は専門医の配置など開設に向けた最終調整を進めている。将来的には、同大が小児医療の拠点として整備を進める「こども医療センター」に小児腫瘍科を組み込む方針で、県内の小児医療の高度化、体系化を加速させる。
 福島医大は小児がん治療で高水準の医療技術があり、治療実績は全国的に高く評価されている。小児腫瘍科については小児科から独立する形で開設、現在は小児がん治療を担当する専門医らを配属するとみられる。入院患者の治療のほか、外来診療にも対応する。
(2013年12月5日 福島民友ニュース)

「復興予算」を「原発輸出予算」に流用 「被災地が潤う」だと…ふざけるな!

2013-12-23 17:52:00 | 原子力関係

「日刊ゲンダイ」チャンネル
「復興予算」を「原発輸出予算」に流用 「被災地が潤う」だと…ふざけるな!
2013-12-21 17:003



「ゼロとはいかない」。安倍首相がきのう(20日)のTBS番組で、小泉元首相が訴える「原発即ゼロ」に改めて反論した。

 安倍は「安くて安定的な電力を供給しなければ……」とシタリ顔で話していたが、もはや原発の発電コストが他のエネルギーと比べて「安い」と騙されている国民は皆無に近いだろう。福島原発を見ても、一度事故が起きれば廃炉や除染、住民避難……で莫大なカネがかかる。

 原発再稼働に突き進む安倍政権は24日に決定する来年度予算案で、総額3兆円の「復興特別会計」を計上する見通し。復興予算といえば、被災地復興と全く関係のない事業にカネがバンバン使われていたことが判明している。なんと、「原発輸出」にまで流用していたことが分かった。

「ベトナムと原子力協定を締結した日本側は09~11年度にかけて、ベトナム現地の調査費用として約25億円を日本原電に支出しています。驚くことに、この中で5億円が復興予算から支出されていたのです。ベトナムに原発をつくることがなぜ、被災地の復興になるのか全く分からないし、よりによって原発輸出のために使うなんて、被災者をバカにしているとしか思えません。国側は『原発の輸出で被災地の原発機器メーカーが潤う』と説明していたが、あまりにデタラメ過ぎますよ」(経済ジャーナリスト)

 政府が年内にもまとめる中長期的なエネルギー政策では、原発が「重要なベース電源」に位置づけられるという。大半の国民が原発に反対しているにもかかわらず、押し切るつもりだ。復興予算がまた原発関連事業に流用されるのも時間の問題だ。

武器三原則の例外として提供=政府

2013-12-23 17:28:03 | 学習
武器三原則の例外として提供=政府
時事通信 12月23日(月)15時33分配信
 政府は23日、国連南スーダン派遣団(UNMISS)に参加している韓国軍への陸上自衛隊の銃弾提供について「一刻を争う緊急事態であり、緊急の必要性・人道性が極めて高いことに鑑み武器輸出三原則の例外として要請に応じる」と説明した。菅義偉官房長官が同日中に談話を出し、政府のこうした立場を表明する。 
コメント
なし崩し、例外っていいことばですね。これからの流行語になりそう!

電気料金があがったのも、給料が下がったのも全部原発が停止したから

2013-12-23 16:16:17 | 原子力関係
2013年12月21日院長の独り言ブログ
電気料金があがったのも、給料が下がったのも全部原発が停止したから・・
 当初は、原発が停止すると停電になり、弱者が死亡すると全国民を脅していましたが、原発がとまっても停電などすることないことは、311以降明らかになってしまい、今度は日本国民を脅すのに最も効果的な「電気料金」で揺さぶりをかけてきました。私は、東電に勤めていた関係で、原発が一番高い電源であることはもう、重々承知なのですが、(原発安全神話のウソを告発し続ける東電出身の医師)残念ながら私の発進力がほとんどないために、いまだに火力発電だけだと電気料金が5割増しになるなどと言った、トンデモデマが未だに流れています。私に言わせれば、「単なる運転コストだけなら、原発は安いのかもしれないが、廃炉費用や、高レベル廃棄物処理費用を入れれば高くなる」と言っているグループさえも、御用学者に入ります。原発は、建設当初からコストが高く、総括原価方式でなければ、成立しえない発電方式なのです。なぜ、未だに役所が試算した原発発電コストが大手を振って、報道されているのか私にはさっぱりわかりません。

 従って、原発が止まっているから、電気料金が高くなる、給与が下がると言った記事は全部デマ。それでも天下のマスコミが垂れ流すので、全員が洗脳されてしまっています。

  
東電、10年後に1兆円の料金下げ計画 柏崎刈羽原発の再稼働を想定
2013.12.17 09:43
 東京電力が年内にまとめる新たな総合特別事業計画(再建計画)で、柏崎刈羽原発(新潟県)7基をすべて再稼働できれば、段階的に電気料金を値下げし、10年後には現在の水準と比べ、年間で最大1兆円規模の値下げを盛り込む方向で調整していることが17日、分かった。

 新計画では、原子力規制委員会が安全審査中の柏崎刈羽6、7号機を来年7月、1、5号機を27年春、2、3、4号機を28年度までに順次再稼働すると想定している。

 東電は福島第1原発事故による経営悪化で、昨年4月に企業向けの電気料金を平均14.9%、同9月には家庭向けも平均8.46%値上げし、値上げによる増収額は年間6千億円程度に上る見通し。

 一方、原発停止に伴って増大している火力発電用の燃料費を削減するため、老朽化した火力発電所を建て替えて効率を高める方針だが、自己資金が不足していることから、他の企業に出資を仰ぐほか、燃料の共同調達も視野に入れる。

 東電は、これらの施策で収益を改善し、今後10年間で電気料金を段階的に引き下げる方針という。
 そもそも、電気料金が乗しているのは、原発が止まっているからではなく、原発事故を起こして、フクシマの対応に何の利益も生まないことがわかっているのに多額の費用がかかっているからです。それを、さも原発が稼働していないからと言う簡単な理由に差し替えて説明しているのはなぜでしょうか。東電の値上げの理由にはどこにも「原発事故の対応費用がかさんだため」とは書かれていません。しかも、東電は止水壁の工事で、国から数百億円の借金をして、さらに国からも融資を仰いでいます。

東電融資枠、4.5兆円維持 国は支援増額へ


現在でさえも10兆円近い借金があるさらに10兆円も借金が増えたら、合計で20兆円。利息が1%としても年間2000億円。1日に10億円ちかい金利を支払わねばなりません。このような状況で原発が再稼働したところで、さらに借金が増えるだけ(原発の発電コストがもっともたかいのですから)なのに、なぜか電気料金が下がるという夢のような話がぶち上げられています。そもそも、放射能汚染の除染は不可能ですし、多大な健康被害が出ることはもはや確定していますから、東電が存続できるはずもないのは自明の理です。それなのに原発さえ再稼働できれば、電気料金を下げられるという上記記事をデマといわずして何というのでしょう。

 さらに電力会社社員自体も脅します。
九電社員、年収減で「娘にクリスマスプレゼントも買えない」 ネットでは「高給取りがふざけんな!」と非難の声

J-CASTニュース 12月20日(金)11時17分配信
 九州電力の社員の給与が引き下げられ、さらに今年は夏と冬のボーナスが支給されなかったためが困窮し借金するしかなくなった、などといった報道が流れた。ネットでは、「それでも高所得者だろ」「ふざけるな!俺は年収200万で暮らしているんだ」などといった批判の声が挙がった。

 九州電力は地元の超優良企業で、もともと年収が高いとされてきた電気・ガスなどエネルギー関連主要25社の中でも上位に位置しているといわれてきた。

■妻がパートに出ることになり自動車も売った
 産経新聞の2013年12月15日付けのウエブ版によれば、東京電力福島第1原発事故のあおりを受け、九電が管轄する玄海、川内の原発計6基がすべて停止し九電の経営が急激に悪化した。13年4月から社員の給与が5%カットされ夏に続き冬のボーナスも出ないこととなった。北九州市の新小倉火力発電所に勤務する42歳の男性技師は妻と大学生、高校生の娘との4人家族だが、娘の授業料や家のローンはボーナスで賄うことができなくなり「緊急用」に貯めた預金百数十万円は今冬にも底を尽く。娘にクリスマスプレゼントを買ってやることもできなくなってしまい、もし来年の夏もボーナスがゼロなら借金生活となる。これはこの男性だけでなく社員約1万3000人の多くが似たような境遇に追い込まれていて、妻がパートに出ることになったり、車を売った社員もいる。冬のボーナスが出ない代わりに給与1か月分の退職金の前払い支援策を打ち出した。
  「このまま原発が動かないならば、一体どうすればよいのか…」
などと悩む人が増えていると書いている。

 この記事に対しネットで「高給取りが貧乏人を装っている」などと怒りの声が挙がっている。一読すると超優良会社社員の転落であり同情を誘う内容なのだが、九電の有価証券報告書を見ると12年度は社員の平均年齢と給与が41歳で782万円と記載されている。また、4月に給与をカットしたりボーナスの支給をやめたのは、電気料金値上げを批判されたための対応だった。つまり、九電の社員は給与を「貰いすぎ」であり、それが経営悪化の一因とされているにもかかわらず電気料金を上げ給与水準を維持するのはけしからん、というもので、経産省の委員会は13年3月に一般社員の平均年収を28%減らすよう求めた。

 九電はこのとき、平均年収は826万円だとし、そこから21%減らした650万円を提示し電気料金の原価に算入し申請したが、委員会が示した28%カットという数字は大企業の平均年収と同じ596万円が妥当として出したものだった。


最もコストのかかる原発を喜んで建設し、社員の給与を上げ、それを総括原価方式の元で世界の中でもっとも高いと言って良い電気料金を設定して、優雅な生活を送ってきて、地域を支配してきたのが電力会社です。何の能力もなく、知識もなく、技術もない社員が、ただたんに地位のみで高給をむさぼることができる。入ってしまえば、なんと良い会社かと私自身思います。こういった記事を載せることで、九電社員自体も自分の給与が下がったのは、無知な市民が「安全な」原発の再稼働に反対しているためだという原子力真理教に喜んで入信するわけです。

 大半の東電社員は、この原発事故は原子力村が勝手に引き起こした枝葉末節の事故にすぎないと未だに考えているようですが、その東電社員自体にももう逃げられようのない運命が待ち構えています。

人間が起こした地震ノート

2013-12-23 15:59:51 | 人工地震
人間が起こした地震
人間でも地震の引き金を引けるときがあるのです


 阪神淡路大震災(1995年)のときに間一髪で被害を免れた評論家の小田実氏は、当時造られつつあった明石海峡大橋の工事が天に唾する行為で、それが兵庫県南部地震を起こしたに違いない、と書いた。地震直後の行政の対応や、かねてからの神戸周辺の開発行政に怒り心頭に発していたのであろう。

 また作家の野坂昭如氏も別の文章を残している。それには、戦前の大水害や第二次世界大戦での空襲の大被害からの戦後の復興がめざましかったばかりではなく、その後の市街地開発や山を削って海を埋め立てる国土改造の先兵だった神戸を兵庫県南部地震が襲ったこと、しかも季節が冬で、新幹線が通る寸前の明け方だったことに神の存在を確信する、と書いてある。

 もちろん、エネルギー的には、神ならぬ人間が大地震を起こせるわけではない。大地震のエネルギーは大きな発電所の何百年分もの発電量に相当するくらいだから、おいそれと人間が作り出せるエネルギーではないからである。

 しかし、人間は間接的には地震を起こせないことはない。つまり、地震が起きそうなだけ地下にエネルギーがたまっているときには、人為的な行為が地震の引き金を引くことは出来るのだ。

 米国コロラド州のデンバー市のすぐ北東で深い井戸を掘って、放射性の汚染水を捨てたことがある。米空軍が持つロッキー山脈兵器工場という軍需工場の廃液であった。それまでは地表にある貯水池に貯めて自然蒸発させていた。厄介ものの汚染水を処分するには自然蒸発よりはずっといい思いつきだと思って始めたのに違いない。井戸の深さは3670メートルもあった。大量の汚染水を捨てるために、圧力をかけて廃水を押し込み始めた。

 この廃液処理を始めたのは1962年3月のことだ。3月中に約16,000トンもの廃水が注入された。

 四月になって間もなく、意外なことが起きた。もともと1882年以来80年間も地震がまったくなかった場所なのに、地震が起きはじめたのだった。

 多くはマグニチュード4以下の小さな地震だったが、中にはマグニチュード5を超える結構な大きさの地震まで起きた。マグニチュード5といえば、松代での群発地震の最大の地震に近い大きさだ。もともと地震活動がごく低いところだから、生まれてから地震などは感じたこともない住民がびっくりするような地震であった。人々はこの工場での水の注入が地震を起こしていることに気づき、ちょっとした騒ぎになった。

 そこで、1963年9月いっぱいで、いったん廃棄を止めてみた。すると、10月からは地震は急減したのである。

 しかし、廃液処理という背に腹は替えられない。ちょうど1年後の1964年9月に注入を再開したところ、おさまっていた地震が、突然再発したのである。

 そればかりではなかった。水の注入量を増やせば地震が増え、減らせば地震が減ったのだ。1965年の4月から9月までは注入量を増やし、最高では月に3万トンといままでの最高に達したが、地震の数も月に約90回と、いままででいちばん多くなった。水を注入することと、地震が起きることが密接に関係していることは確かだった。

 量だけではなく、注入する圧力とも関係があった。圧力は、時期によって自然に落下させたときから最高70気圧の水圧をかけて圧入するなど、いろいろな圧力をかけたが、圧力をかければかけるほど、地震の数が増えた。

 このまま注入を続ければ、被害を生むような大きな地震がやがて起きないとも限らない。このため地元の住民が騒ぎ出し、この廃液処理計画は1965年9月にストップせざるを得なかった。せっかくの厄介者の処理の名案も潰えてしまったのであった。

 地震はどうなっただろう。11月のはじめには、地震はなくなってしまったのであった。

 こうして、合計で60万トンという廃水を注入した「人造地震の実験」は終わった。誰が見ても、水を注入したことと、地震の発生の因果関係は明かであった。

 地震の総数は約700、うち有感地震は75回起きた。震源は井戸から半径10キロの範囲に広がり、震源の深さは10キロから20キロに及んだ。これは井戸の深さよりも数倍も深い。これは井戸からまわりに水がしみ込んでいったためだろうと考えられている。

 もうひとつ同じような例がある。このときには、軍需工場での廃液処理の前例があったために、地震との関連をくわしく見るために、計画的に水の注入と汲み上げが行われた。井戸のまわりには多数の地震計が置かれて、地震を監視することになった。場所は同じコロラド州だが、西部にあるレンジリーというところで、実験に使った井戸は、使わなくなった油田の井戸だった。

 この油田で石油の深い井戸に水を注入したところ、やはり地震が起きた。じつは水の注入は原油の産油量を増やすためによく行われることだ。このときも、水を注入したときには地震の数は月に十数回になり、最大の地震のマグニチュードは四を超えた。また、水を汲み上げたときには、明らかに地震は減った。また、水を注入する圧力がある閾の値を超えると、地震が特に増えるようであった。

 では、水を人工的に地下に注入したときに、地下ではなにが起きていたのだろうか。十分正確にわかっているわけではないが、岩の中でひずみがたまっていって地震が起きそうな状態になったとき、水や液体は岩と岩の間の摩擦を小さくして滑りやすくする、つまり地震を起こしやすくする働きをするらしい。いわば、地震の引き金を引いてしまったのだ。

 つまり、人間が地下に圧入した水や液体が、岩盤の割れ目を伝わって井戸の底よりも深いところにまで達して、その先で地震の引き金を引いたのに違いないと考えられている。

 日本でも例がある。前に話した長野県の松代町では、群発地震が終わったあと、1800メートルの深い井戸を掘って、群発地震とはなんであったのかを研究しようとした。その井戸で各種の地球物理学的な計測をしたときに、水を注入してみたことがある。

 このときも、水を入れたことによって小さな地震が起きたことが確認されている。しかもこのときは、米国の例よりもずっと弱い14気圧という水圧だったのに、地震が起きた。

 このほか、意図して水を地下に注入したわけではないが、ダムを作ったために地震が起きたり、あるいは地震が増えたことが世界各地のダムで確認されている。

 米国のネバダ州とアリゾナ州にまたがるフーバーダムは高さ221メートルもある大きなダムだが、1935年に貯水を始めた翌年から地震が増え、1940年にはこのへんでは過去最大になったマグニチュード5の地震が起きた。地震の震源は地下8キロにあった。もちろんダムの底よりはずっと深い深さだ。しかし、これはダムを作ったために起きた地震だと考えられている。

 また、アフリカのローデシアとザンビア(ジンバブエ)の国境にダムを作って1958年からカリバ湖に貯水を始めた。高さが128メートルあるダムで、世界最大の人造湖が出来た。ダム建設前から近くで小さな地震が起きているところではあったが、貯水が始まってから満水になった1963年までに地震が急増し、2000回以上の局地的な地震が起きた。満水になった年には、マグニチュード5.8の地震が起きて被害が出た。松代群発地震での最大の地震よりは大きな地震だ。

 このほかギリシャのクレマスタ・ダムは1965年の貯水開始後に地震が起き始め、4ヶ月後には地震が急増、七ヶ月後にはマグニチュード6の地震が起きて、やはり被害が出た。
 また、旧ソ連のタジキスタンに作られた317メートルの高さがある巨大なヌレクダムでは、完成前に貯水を始めたとたんに近くの地震が増え始め、その後も小さな地震が起き続けている。このダムは世界で最も高いアースフィルダムである。

 そのほか、高さ105メートルの中国広東省にある新豊江ダムでも1959年にダムの貯水が始まったあと地震が増え、1962年にマグニチュード6.1の地震が起きた。この地震では幸いダムは壊れなかったものの、ダムの補強が必要になったほどの被害があった。この地震後も小さな地震は活発に起きていて、地震後10年で地震の数は25万回にも達した。中国ではこのほかのダムでも地震が起きており、いま作られている巨大ダム、三峡ダムでも地震の発生を心配している地震学者も多い。

 これらのダムでの地震は、幸いなことに、大きな被害は生まなかった。しかし、じつはダムを作ったために起きた地震が大きな被害を生んだこともあるのだ。

 1967年にインド西部でマグニチュード6.3の地震が起きた。177人、一説には200人が犠牲になったほか、2300余人が負傷した。この地震は近くにコイナダムという高さ103メートルのダムを造ったことによって引き起こされたものだというのが地震学者の定説になっている。

 ダムで貯水が始まったのは1962年だったが、それ以後、それまでは地震がほとんどなかったところなのに、小さな地震が起き始めた。これらの地震はせいぜいマグニチュード四クラスだったが、ダムとそのすぐ近くの25キロメートル四方の限られた場所だけに起きた。ダムの周囲はもともと地震活動がごく低いところで、100キロメートルで地震が起きているのはここだけだったから、目立った。震源の深さは6キロから8キロメートルだったが、ダムの高さは103メートルだから、ダムの底よりはずっと深いところで地震が起きていたことになる。

 そして貯水が始まってから5年目の1967年になって、まず9月にマグニチュード5を超える地震が2回起き、ついに12月にマグニチュード6.3の地震が起きて大きな被害を生んでしまったのであった。

 その後もマグニチュード5を超える地震が数回起きているが、いずれも、ダムの水位が1週間あたり12メートル以上と急激に上がったときに起きた。

 なお、ここでは貯水開始以来ずっと地震の観測が続けられていて、雨が降ると小さな地震が増えるという関係も見られていた。雨が降ると貯水量が増え、それが地震を増やすのだろうと思われている。

 雨といえば、大西洋のまん中にあるアゾレス諸島では、雨が降ると地震が起きる。

アゾレス諸島はポルトガル領の島で、島民は漁業や農業で暮らしている。日本とは地球の反対側だが、日本との縁は浅くない。この島に上がったマグロの多くは遠く日本まで運ばれる。いちばん高く買ってくれるのは日本だからである。

 アゾレス諸島は7つの島からなるが、そのどれもが火山島で、島にある山頂上に登ると、足下に深い火口がぽっかり口を開けていて足がすくむ。ここでは雨が降ると約2日後に、被害は起こさないが人間が感じる程度の地震が起きる。つまり火山のカルデラに雨がしみこんで、その地下水が地震を起こすのである。

 ところで、ダムが起こした地震には限らないが、地震でダムそのものが壊れて大きな被害を出したことは、幸い、いままでのところはない。しかし、1971年に米国カリフォルニア州ロサンゼルスのすぐ北の郊外にあるサンフェルナンドでサンフェルナンド地震が起きたときには、ひやっとする事件が起きた。

 震源から10キロも離れていないところにロアーファンノーマンダムというダムがあった。このダムは地震の30年ほど前に造られたものだったが、地震でダムの内部に大きな地滑りが起きて、ダムがもう少しのところで決壊するところだったのである。

 この地震のマグニチュードは6.5だったが、直下型として起きたために、大都市ロサンゼルスの交通をはじめ、ガスや電話といった都市機能が大幅に麻痺してしまった。ライフライン工学の研究が進められるようになったきっかけになった地震である。死者は65名、うち45名は老朽化した病院の建物が壊れたために犠牲になったものだった。

 この地震のときには、たまたまダムの貯水量が少なかったからよかったものの、ダムの厚さがわずか一メートルを残すところまで崩れて、人々の肝を冷やした。下流の住民約8万人があわてて避難したが、もしあと1メートル崩れてダムが決壊していたら、大惨事になっただろう。

 ダムが地震を起こすのは、ダムに溜められた水が地下にしみこんでいくことと、ダムに溜められた水の重量による影響と、両方が地震を起こすのに関係すると思われている。このため、ダムの高さが高いほどしみ込む水の圧力が高く、また水の重量も大きいだろうから、地震が起きやすいと考えている地震学者は多い。

 廃液の地下投棄やダムのほか、人類の活動が地震を起こした例は世界各地ですでに70ヶ所以上の場所で知られている。

 地球内部の研究をするためや、石油や鉱脈を見つけるために人工地震を起こすことがある。これらの人工地震は火薬を使ったり、圧搾空気を使って起こすのだが、本当の地震を起こすわけではない。

 しかし図らずも人間が起こしてしまったこれら「人造地震」は本物の地震だ。学問的には「誘発地震」という。この誘発地震の原因としては、鉱山、地熱利用、石油掘削、原油や天然ガスの採取、地下核爆発などが知られている。

 いままでに起きた最大の地震のマグニチュードは、ダムの地震では六を超えているが、その他の誘発地震ではもっと小さく、五を超えるものが知られている程度だ。地震の数からいえば、大抵のものは被害を起こさない程度の小さい地震である。

 しかし、これには異説もある。米国カリフォルニアで起きたコアリンガ地震(1983年、マグニチュード6.5)は大油田の下で起きたかなりの地震で、その余震域は油田の広がりとほとんど一致している。原油の汲み出しによって地殻にかかる力が減った分とちょうど同じだけ地震のエネルギーが解放されて地震が起きたという報告もあり、この地震も人造地震ではなかったかと考えている地震学者もいる。

 英国とノルウェーが石油を採掘している北海油田は海底にあり、いまのところ目立った地震は起きていないが、もし大きな地震が起きて原油の流出でも起きたら、大きな環境問題になりかねない。このため、ノルウェー政府は、北海油田の近くで起きるごく小さな地震の監視を始めている。

 しかし、これらの誘発地震については、まだ研究が進んでいない面が多い。たとえばヒマラヤ地方では、高さ200メートルを超えるダムをはじめ、ほかのダムでも地震が起きているようには見えない。どこのどういうダムで地震が起きるのかは、まだほとんどわかっていないのである。

 地震は自然にも起きるものだから、起きた地震がダムのせいであったかどうか、議論が分かれている地震もある。たとえば、1993年にインド南部でマグニチュード6.2の地震が起きて、1万人もの死者と3万人もの負傷者を生んだことがある。約10キロ離れたところに出来たダムからしみこんでいった水が起こした地震ではなかったかと考えている地震学者もいる。

 また、死者29名を生んだ1984年の長野県西部地震(マグニチュード6.8)も3年前から貯水を始めていた近くの牧尾ダムが起こしたダム地震ではなかったかという学説もある。また北美濃地震(マグニチュード7.0。死者8名を生んだ)も1年前に貯水を始めた近くの御母衣(みほろ)ダムとの関連を疑っている学者もいる。しかし、議論の決着はついていない。

 その他、ダムが出来てからすぐには地震が起きず、20年近くもたってから比較的大きな地震が起きたエジプトのアスワンにあるハイダムのような例もある。このダムで貯水が始まったのは1964年で、1978年に178メートルの水位に達したあと、1981年11月にマグニチュード5.6の地震が起きたのだった。貯水開始後17年もたってからである。

 エジプトの3000年以上の歴史の中で、このあたりに地震が起きたことはない。たぶん史上初の地震を起こしてしまったのであろう。いずれにせよ、このエジプトのダムの例のように、水を貯め始めてから、いつ、どのような地震が起きるのか、あるいは起きないのかには、まだ謎が多いのである。

 とくに日本のように、もともと地震活動が盛んなところでは、そもそも起きた地震が「自然に」起きたものか、人工的なものかを見分けることがむつかしい。また、政府や電力会社も、この方面の研究を好まない。それがこの方面の研究が進まない理由になっている。しかし、世界の他の国に起きていて、日本だけ起きないと言う理由はあるまい。

 人間が世界各地で行っている開発や生産活動は、これからも知らないあいだに、地震の引き金を引いてしまうかも知れないのである。

(イラストは『地震学がよくわかる---誰も知らない地球のドラマ』(島村英紀)のために、イラストレーターの奈和浩子さんに描いていただいたものを再録しました)

追記1:

 2004年に起きた新潟中越地震の震央から約20kmしか離れていないところに天然ガス田(南長岡ガス田)があり、地下4,500mのところに高圧の水を注入して岩を破砕していた。

坑井を「刺激」するために、深い井戸を通じて油ガス層に人為的な刺激を与え、坑井近傍の浸透性を改善することにより生産性を高めるために行われているものだ。 地下4,500m付近に分布する浸透性が低い緑色凝灰岩層に対して「水圧破砕法」を使って岩にひび割れを入れ、生産性を8倍も増加することに成功したと言われている。

  新潟中越地震の震源の分布図(東京大学地震研究所)によれば、余震分布の上限は4,000m程度、本震(ここでいう本震は地震断層の「壊れはじめ」で、本震そのものは余震域全体に拡がっていたと地震学では考えられている)の深さは13kmだから、震源に極めて近いところで「作業」をしていたことになる。

 南長岡ガス田は1984年に生産を開始していたが、21世紀になってから 「水圧破砕法」を使い始めていた。

 それだけではない。ここでは、経済産業省の外郭団体である地球環境産業技術研究機構が主体となって、2003年から、新潟県長岡市の地下約1100mに二酸化炭素を圧入する実証実験をやっていた。大量の二酸化炭素を地中に圧入する「実験」が行われていたのである。

 地球温暖化の元凶である二酸化炭素を将来、大量に処理するための実証実験だった。二酸化炭素の回収技術は、肥料生産工場などですで実用化されている。また、地中貯留は、石油掘削技術や、天然ガスの地下貯蔵や石油増進回収(EOR)等で蓄積された技術があり、それを二酸化炭素の圧入・貯留に応用できる、という意味で工学的には実用的な技術として期待されているのだ。

  圧入は2003年7月7日に開始、その年度は20トン/日で、2004年度は40トン/日で圧入した。その後、二酸化炭素供給工場の定期点検・整備や二酸化炭素の供給逼迫期の圧入休止、それに新潟県中越地震による圧入中断(2004.10.23~12.6)はあったものの、2005年1月に実験を完了した。1日に20~40t、約1年半かけて、合計10,405トンもの大量の二酸化炭素を地下深部に圧入したことになる。

 圧入された深さは1100mだが、背斜構造になっている、いちばん上部の場所だから、地層としては、ずっと深いところまで連続している地層である。簡単に言えば、液体を通さない層(キャップロック)が傘のようにある、その頂上部の内側に、圧入したことになる。

また、圧入した地層は、岩相から大きく5つのゾーンに区分されていたが、そのうちの浸透性が最も良好なZone-2(層厚約12m)を圧入する対象として選んでいた。つまり、圧入した二酸化炭素が、もっとも遠くまで行きやすい層を選んでいたわけだ。圧入された二酸化炭素は、「傘」の内側に沿って、下の遠くに運ばれていったに違いない。

 なお、実験が終わったいまは、地上設備も撤去されている。

 この実験期日からいえば、実験開始から1年後に新潟中越地震が発生したことになる。この圧入井戸は震源(壊れはじめの地点)から20kmしか離れておらず、地震学的には、ほとんど震源の拡がりの中にある。

  さて、そうなると冒頭の小田実さんの怒りも「邪推」として退けていいか心配になってくる。阪神淡路大震災の少し前に工事をしていた明石海峡大橋では、主橋脚のひとつを海中で作っていた。海底に穴を開け、岩盤をさらに掘り進んで橋脚の基礎を作っていたはずだからである。 橋脚は兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)を起こした野島断層から決して遠いところではなかった。

【追記の追記】:そして2007年に起きて、柏崎刈羽原発に甚大な被害を引きおこした中越沖地震も、この井戸から、(中越地震とは反対向きに)やはり20kmしか離れていないところに震源があった。

追記2:(島村英紀『地震は妖怪 騙された学者たち』から)

 日本の学会では不思議なことがある。世界的にはこういった「人造地震」の研究が重要とされていて、国際的な地震学会が開かれるときには、この人造地震(英語では誘発地震 induced seismicity という)が特別なセッションになっていることが多いが、日本では研究者がほとんどいないのである。

 科学技術庁の研究所に属するある地震学者がこのテーマで学会発表しようとしたら、事前に内容を役所に見せるように言われたうえ、役人が学会まで発表を見に来たことがある。政府や電力会社のような大企業の意に添わない研究はしにくいのである。

たとえば政府の公式見解はこちら

追記3:四川大地震(2008年)の原因もダム?

 四川大地震(2008年5月、10万人以上が犠牲になったといわれる)が、四川省に作られていた紫坪鋪(ジビンプ)ダムによるものではないか、と中国政府の一部の関係者や科学者が主張し、自然災害だとする人々と対立している(雑誌『Days Japan』 2009年3月号,、9頁)。このダムは震源からわずか5kmのところにあり、最大11億立米の水を蓄えることができるダムだ。

追記4:かつて世界一の高さを誇ったダムは、(地震と)地滑りで大事故を起こし、廃棄されました

 イタリアにあるヴァイオントダム(バイオントダム)はイタリアのヴェネト州ピアーヴェ(Piave)川の支川ヴァイオント(Vajont)川の深い渓谷に作られた、アーチ型のダム。1960年11月に完成した。当時、堤高262mと当時の世界最高だったダムである。

 しかし、このダムでは貯水開始後、ダムに起因すると思われる地震が頻発するようになり、そのために地盤が弱くなっていたのだろう、水深が130mとなった時点で最初の地滑りが発生した。この地滑りで貯水池が二分されてしまった。このため、二つの貯水池を結ぶバイパス水路が作られて、ダムとしての機能を維持した。

 しかし、その後の1963年、記録的な豪雨に見舞われ、9月には貯水量を下げるため放水が行われたが、10月9日夜、ダムの南岸の山が2km以上に渡って地滑りを起こして崩壊してしまった。

 このため、 2.5億立米以上という大量の土砂がダム湖に流れ込み、ダム地点で最大100mを超す津波を引き起こし、5000万立米の水が溢れた。

  この濁流はダムの北岸と下流の村々を押し流し、ダムの工事関係者と下流に住む人2125人が死亡し、594戸の家屋が全壊するという大惨事となった。しかしダム自体は、最上部が津波により損傷した以外はほとんどダメージは無く、現在も水が溜まっていないダムの本体だけが残っている。しかし、ダムとしては放棄されて、水は溜まっていない。

 2008年にユネスコは国際惑星地球年の一環としてバイオントダムの事故を技術者と地質学者の失敗による「世界最悪の人災による悲劇」のワースト5の一つに認定した。

追記5:米国では水圧破砕法で地震が起きたために、2012年に井戸を閉鎖しました(AFPの記事)

米オハイオの連続地震、天然ガス採掘が原因か 2012年01月06日 10:48 発信地:ワシントンD.C./米国

【1月6日 AFP】米オハイオ(Ohio)州で最近起こっている小規模な連続地震の原因は、「水圧破砕法」と呼ばれる天然ガス採掘の方法に原因がある可能性が浮上し、同州では関連が疑われる注入井を一時閉鎖している。
 
大みそかの31日には、最近同州で起きた中で最も大きいマグニチュード(M)4.0の地震が発生した。震源は同州北部のヤングスタウン(Youngstown)近郊で、米エネルギー大手D&Lエナジー(D&L Energy)が採掘している天然ガス井に近い。

この地域は「ユーティカ頁岩層(ユーティカ・シェール、Utica Shale)」と呼ばれる広大なシェール層にあたり、「水圧破砕法(フラッキング)」という方法による天然ガス掘削が大々的に行われている。オハイオ州の石油・ガス産業は多くをこうした開発に頼っている。

水圧破砕法(フラッキング)とは、化学物質を含む液体を高圧注入して岩石を破砕することでシェール層に割れ目を作り、同時に砂などの支持材も注入して割れ目を確保し、そこから層内の原油やガスを取り出す掘削法だ。同州の推定埋蔵量、最大55億バレルの石油と4250億立方メートル相当の天然ガスを採掘する上で鍵となる技術だと考えられている。

オハイオ州では12月24日にM2.7の地震が発生した後、ヤングスタウンにある注入井を密かに一時閉鎖した。しかし31日の地震の後にはさらに、その注入井から半径8キロ以内にある注入井にまで閉鎖範囲を拡大した。

■震源地はいずれも注入井の近く

米コロンビア大学(Columbia University)ラモントドハティ地球観測研究所(Lamont-Doherty Earth Observatory)の地震学者ジョン・アームブラスター(John Armbruster)氏は3日、AFPの取材に「(地震との)関連性は非常にありうると思う」と答えた。「3次元解析の結果、震源は問題の注入井の底から約1キロの辺りだった」という。

同氏のチームは昨年の11回の地震を分析し、地震と注入井が関連している可能性は「非常に高い」と州当局に報告。その結果、当局が注入井の一時閉鎖を決定した。オハイオ石油ガス協会(Ohio Oil and Gas Association)は、地震の発生原因などがはっきりするまで注入井を閉鎖することは正しい決定だと受け止めている。

注入井で使用された液体は地上に戻ってくるが、汚染されているため、別の注入井に廃棄処理される。その排水処理が地震を引き起こしているとの見方もある。同協会のトム・スチュアート(Tom Stewart)副会長によると、同州で操業中の注入井は180か所で、排水量は年間700万バレルに上るが、1980年代の採掘開始以来、問題が生じたことはまれだという。

しかし、こうした採掘を大規模に行った場合の悪影響については、ほとんど知られていない。米国では昨年、アーカンソー(Arkansas)州で大規模な群発地震が発生し、当局は注入井2か所の操業を一時停止させた。2009年にはテキサス(Texas)州フォートワース(Fort Worth)とダラス(Dallas)周辺の注入井とその近辺で発生した地震との関連性を地震学者が突き止めている。

ヤングスタウン注入井の操業開始は2010年12月。その直後の2011年3月から、地震は発生し始めた。これまでにけが人はなく被害も軽微だが、同州周辺で地震が発生した記録はほとんどないため、大きな驚きをもって受け止められている。

そして年末までに発生した地震は11回。震度はM2.1~4.0の範囲で、震源の場所と深さはほぼすべての地震で一致している。(c)AFP/Jim Mannion

【島村英紀による註】 じつは、この水圧破砕法は、地下水が十分にはないところでの地熱開発の有力な方法なのである。自然エネルギー開発の一環としての地熱開発には、この種の問題が潜んでいる可能性がある。

追記7:(古い情報ですが)かつて日本で注水実験は2回行われて、2回とも地震の発生が確認されています。

1)長野県松代(群発地震が起きたあと)の注水実験

  報告では「岩の中に注水すると地震が生じやすくなるという、いくつかの事例を検証するた めにわが国ではじめての試錐が1969年から国民宿舎松代荘ではじまり、1933m掘って(実際の(深 さは1800m)、1970年 1月15日~18日、 1月31日~ 2月13日の 2回にわたり計 2883立方メートルの水を注入した。
 その結果注入地点の 3km北で、 1月25日02時ころから急に地震がふえ、この 1日 で54回に達した。地震活動は注水中続き、注水後徐々におさまった。この地点で の地震活動は注水前は 1日 2回くらいだった。」とあります。

2)(阪神淡路大震災を起こした)野島断層で、「注水実験」
1995年1月に阪神淡路大震災が起き、その後、1997年、2000年の二回にわたって行われました。

追記8:米国では将来のエネルギー資源の掘削として行われている「水圧破砕」で地震が起きています。
(ロイターwebの記事。2012年4月19日)

米内陸部での地震増加、「ほぼ確実に人為的」=USGS
2012年 04月 19日 10:52 JST
[ワシントン 17日 ロイター] 米地質調査所(USGS)の研究者らは、米内陸部にある石油やガスの掘削で利用した廃水を処理する場所の近くで、地震の回数が「飛躍的に」増えたとする報告書をまとめた。

報告書は、アーカンソー州、コロラド州、オクラホマ州、ニューメキシコ州、テキサス州の米内陸部で昨年、マグニチュード(M)3以上の地震が20世紀の平均の6倍に増えたと指摘。

化学処理された水や砂を地下に注入して石油やガスを採掘する「水圧破砕」と地震の増加をはっきりとは関連付けていないが、水圧破砕で出る廃水などが断層をずらす原因になっている可能性を示唆している。

同報告書の内容は、サンディエゴで開催される米地震学学会の会合で詳しく協議されるが、抜粋では「M3以上の地震増加は現在進行中」と指摘。「ここに記述された地震活動率の変化は、ほぼ確実に人為的だが、採掘方法の変化もしくは石油・ガス生産の生産速度にどれぐらい関係しているかはいまだに分からない」としている。

USGSの統計によると、M3以上の地震発生回数は1970─2000年には年間21回(誤差7.6)だったが、2001─2008年には同29回(誤差3.5)となり、2009年には50回、2010年には87回、2011年には134回と飛躍的に増えた。

USGS地震科学センターのアーサー・マッガー氏は、急激な地震の増加について「理由は分からないが、自然現象とは思わない。なぜなら自然では、これほどまでの増加は余震や火山環境でしか見られないからだ」と語っている。

追記9:米国では将来のエネルギー資源として脚光を浴びているシェールガスの採掘でも地震が起きています。
(朝日新聞デジタルの記事。2012年4月26日)

シェールガス採掘、地震誘発? 米中部、M3以上6倍

 米中部で起きるマグニチュード(M)3以上の地震が、10年前に比べ6倍以上に急増していることが米地質調査所(USGS)の調べでわかった。もともと地震があまり起きない地域で、研究チームは、日本でも輸入に向けた動きがあるシェールガスなどの採掘活動などに伴う「人為的な地震」が関係しているとみている。

 米地震学会での発表によると、米大陸中部でM3以上の地震は、1970年から00年までは平均年21回。それが01~08年には平均29回、09年は50回、10年は87回、昨年は134回と6倍以上になっていた。昨年はコロラド州とオクラホマ州でM5を超える観測史上最大級を記録した。

 研究チームは「自然原因とは考えにくい」とし、この地域で増えているシェールガスや石油の採掘との関連を指摘。採掘で出てくる大量の廃水を深井戸から高圧で地下に戻しているため、これが地震を誘発している可能性を挙げた。

 メンフィス大地震研究情報センターのホールトン研究員によると、地下に戻された水が、断層の隙間に入り込んで滑りやすくなり、地震が起きやすくなったと考えられるという。

 30キロ四方に8本の井戸(深さ1~4キロ)が集まるアーカンソー州のシェールガス採掘場を調べたら、それまではほとんどなかったM2.5以上の地震が、井戸の操業が始まった09年に10回、11年には157回に激増した。

追記10:スペインで起きた地震も「人間が起こした」地震でした。
(共同通信の記事。2012年10月22日。東京新聞から)

地下水くみ上げがスペイン地震に 英科学誌、地盤沈下でゆがみ

東京2012年10月22日 朝刊

【ワシントン=共同】昨年五月にスペイン南東部の地方都市ロルカを中心に大きな被害が出たマグニチュード(M)5・1の地震は、長年の地下水くみ上げに伴う地盤沈下が引き起こした可能性が高いとする研究結果を、カナダやスペインのチームが二十二日付の英科学誌に発表した。

 この地震は深さ二~四キロと非常に浅い場所で断層が動いて被害が拡大した。チームはコンピューター解析で、局地的な地盤沈下によって地殻に異常なゆがみが生じていたことを確かめた。

 高圧の水を地中に送り込む新型天然ガス「シェールガス」の採掘や二酸化炭素(CO2)を地中に貯留する手法など、新たな技術にも警鐘を鳴らす内容。チームは「地震が発生しやすい場所で地中に人為的な変化を与えると予想外の影響が出る」と指摘している。

 チームは、ロルカ南方の盆地の下にある帯水層を中心に、地下水位が一九六〇年代から約二百五十メートルも低下したことに着目。南側の地盤が沈下することで年々ゆがみがたまり、北側の地盤が乗り上がる逆断層型の地震が浅い場所で起きたとみられると結論づけた。

 地震は二〇一一年五月十一日に発生。チームによると、建物が倒壊して百人以上の負傷者が出たほか、九人が死亡した。スペインでは一九五六年以来の被害規模とされる。

Arkansas nuclear plant incident kills one, injures eight

2013-12-23 15:51:32 | 原子力関係
Arkansas nuclear plant incident kills one, injures eightRT USA
Published time: April 01, 2013 15:52
Edited time: April 01, 2013 20:14 Get short URL
Arkansas Nuclear One plant

Accident, Health, Nuclear, Security, USA
A 25-year-old man was killed on Sunday after part of a generator fell while being moved at the Arkansas Nuclear One plant. Eight others were injured during the industrial accident, but operators claim no nuclear material was released.

“We are deeply saddened by what has happened today,” executive vice president and chief nuclear officer Jeff Forbes said in a public statement, without providing details about the cause of the young man’s death or the severity of the other victims’ injuries.

Wade Walters, a 25-year-old employee at the Arkansas Nuclear One (ANO) plant and a resident of Russellville, died from unknown injuries sustained during the accident. Eight other employees at the facility sustained non-fatal injuries and were rushed to the hospital.

The accident, which occurred at 7:45 a.m. on Easter Sunday, has caused nearby residents to express deep concern over the potential hazards of living near the plant. The plant is located in Russellville, which is about 70 miles northwest of Little Rock.

“It’s scary. You never know when that thing is going to go off, or when you’re going to have to evacuate,” Russellville resident Daniel Millsaps told Arkansas Matters. “No matter how much safety you have in place, accidents can happen.”

Entergy Corporation, which owns and operates the plant, provides electricity for 2.8 million Americans residing in Arkansas, Texas, Louisiana and Mississippi. The plant employs about 15,000 people and operates using 30,000 megawatts of electric generating capacity and 10,000 megawatts of nuclear power, the Agence France-Presse reports. The Arkansas plant is one of the United States’ top nuclear generators.

The Arkansas Department of Health has tried to assure concerned residents that the accident has not caused any health or safety risks.

“There was no nuclear release of any kind,” said Ed Barham, spokesman for the Arkansas Health Department.

Entergy Operations Inc., also released a statement reassuring residents not to panic.

“There is no danger to the public,” the statement reads. The company claims that after the generator fell, the plant automatically shut down. The accident was classified as an “unusual event”, which is the lowest of four emergency classifications as defined by the Nuclear Regulatory Commission.

But despite Entergy’s reassurance that its power plant is safe, the state health department has asked local residents to brush up on their evacuation procedures.

“We are closely monitoring what’s happening there and will make recommendations for additional action if the need arises,” Dr. William Mason, head of the department’s Preparedness and Emergency Response branch, said in a statement, while recommending that“residents take this time to review their Emergency Instructions Booklet.”

But for those who lost a loved one, the statements provide little comfort. On behalf of employees working at the nuclear plant, Forbes expressed his condolences to the victim’s family.

“Our greatest sympathy is with the family and friends of the employee who lost his life, and with those who sustained injuries,” he said. “I also want to express my sorrow and support to all those who work at Arkansas Nuclear One.”

Meanwhile, friends and family of the victim have taken to social media to express their grief for the young man, who just recently graduated from Arkansas Tech University.

“So sad what happened at ANO. Wade Walters was only 25 and he died this Easter morning. Praying for his family,” wrote Twitter user @britt_allyce.

市長「2年間東北へ行け。拒むなら辞めてもらう」⇒11人いる部長のうち6人が辞任へ

2013-12-23 15:44:47 | 原子力関係
市長「2年間東北へ行け。拒むなら辞めてもらう」⇒11人いる部長のうち6人が辞任へ!茨城県かすみがうら市の東北復興支援で! new!!


*かすみがうら市役所 千代田庁舎
茨城県かすみがうら市で市長が職員を2年間も東北へ派遣しようとしたところ、希望者が誰も集まらなかったことから、「東北へ行かなければ辞めてもらう」というような指示をしていたことが判明しました。これは東日本大震災の被災地支援活動の一環で行われたもので、派遣された職員は東北三県に約2年間滞在する予定とのことです。

東北行きを命令された職員はいずれも「家族や健康の問題などがあるからいけない」と述べており、それに対して市長側は「言うことを聞けないなら辞めてもらう」というような強硬姿勢を示しています。
辞職の意向を示しているのは11人しかいない部長のうち6人で、このような事態は異例です。市長は来年も東北派遣希望者を募集すると話しているため、この騒動はもうしばらく続くことになるかもしれません。


☆東北派遣拒み、5部長「辞めます」 茨城・かすみがうら
URL http://www.asahi.com/articles/ASF0TKY201312200493.html
引用:
【長田寿夫】茨城県かすみがうら市で部長11人のうち6人が辞職の意向を示す異例の事態となっている。うち5人は、東日本大震災の復興支援で東北3県への2年間の派遣を指示された。家庭の事情などをあげて拒んだが、市長は「言うことを聞けないなら辞めてもらう」と強硬姿勢を示している。

 宮嶋光昭市長(69)によると、被災した東北3県から職員の派遣要請を受けた市長は、11月に全職員を対象に希望者を募った。しかし、1人しか応募がなく、12月13日に総務、市民、土木、教育、会計の部長5人に派遣に応じるよう求めた。
:引用終了

☆茨城・かすみがうら市:被災地派遣に部長5人「退職する」
URL http://mainichi.jp/select/news/20131222k0000m040034000c.html
引用:
毎日新聞 2013年12月21日 19時49分(最終更新 12月21日 23時57分)

 ◇定年間近の人選 「無理がある」の声も

 茨城県かすみがうら市で今月、宮嶋光昭市長から東日本大震災の被災地支援のため東北3県への派遣を打診された部長5人が退職を申し出ていることが分かった。宮嶋市長は人件費削減などを目指し今春から「58歳以上は管理職にしない」措置を取っており、来春58歳で役職を外れる職員を中心にした要請だったが、「定年間近の職員を被災地に派遣すること自体に無理があるのではないか」と疑問の声が上がっている。

 被災地への職員派遣は今夏、東北3県から同県市長会に要請があった。期間はおおむね2年間で、宮嶋市長は「4~5人を派遣したい」と、11月に全職員約400人に希望調査をしたが、希望者は1人だけだった。
:引用終了コメント
辞める理由が報道されていません。恐らく被爆が嫌なんでしょう。医療関係者も福島には行きたくないそうです。

東京農工大:放射性物質の水漏れ

2013-12-23 15:33:43 | 原子力関係
東京農工大:放射性物質の水漏れ
毎日新聞 2013年12月19日 18時47分(最終更新 12月19日 18時49分)

 原子力規制庁は19日、東京農工大(東京都府中市)で、放射性物質を含む水が敷地内の土壌に漏れたと発表した。実験器具を洗浄した後の排水が破損した地中の配管から漏れていた。規制庁は「周辺の放射線量や井戸水の放射性物質濃度に異常はない」としている。

 規制庁と同大によると、同市内の農学部放射線研究室から漏えいした。11月22日に研究室の改修工事のため配管を点検し、破損を発見。さらに地中の配管を調査したところ、3カ所で破損しているのが見つかった。その周辺の土壌から放射性炭素14が最大で1グラム当たり760ベクレル、トリチウム(三重水素)が同160ベクレル検出された。

 同大は現在、汚染された土壌の除染を進めているが、18日になって規制庁へ報告した。【鳥井真平】

日立社長:本社機能の一部、来年にも海外移転へ

2013-12-23 15:29:52 | 学習
日立社長:本社機能の一部、来年にも海外移転へ
毎日新聞 2013年12月09日 20時27分(最終更新 12月09日 21時03分)


インタビューに応じる日立製作所の中西宏明社長=東京都千代田区で、横山三加子撮影
拡大写真
 日立製作所の中西宏明社長は9日、毎日新聞のインタビューに応じ、情報・通信システム事業や鉄道事業の本社機能の一部を来年にも海外に移転する方針を明らかにした。

 海外に移転するのは売上高目標や投資などの計画を立案する「コントロールタワー」と呼ばれる事業戦略部門。従来は日本で戦略を練っていたが、中西社長は「市場の一番盛り上がっているところ、変化の激しいところにコントロールタワーを持っていくことが重要。いろいろな判断を現地側でやらないと本当の成長はできない」と移転の意義を語った。日本から社員の一部を異動させる。

 情報・通信システム事業の戦略部門は米国に移転する。日立はIT(情報技術)事業を強化することで、北米地域での売上高を2015年度に12年度比約1.5倍の1兆1000億円に拡大したい考えだ。本社機能の一部移転で事業拡大を加速させる。

 鉄道事業は英国に移転する。昨年7月に英国の高速鉄道事業を受注し、15年からは英国で車両生産を始める予定。今後、欧州では老朽化した車両の交換が活発化すると見られており、英国での事業が拡大することを見据えて移転を決めた。

 一方、本社の人員は今年度中に1800人から600人に削減し、組織のスリム化を図る。本社は全社的な戦略立案などに特化させる。【横山三加子】コメント
犯罪企業が被爆を避ける為に海外逃亡ですか?

大使館が続々と西日本へ移転!

2013-12-23 15:25:32 | 原子力関係
大使館が続々と西日本へ移転!真実を探すブログ


福島原発事故後、大企業や各国政府の大使館が続々と西日本に移転しています。現時点で判明している福島原発事故後に大使館を移転させた国は、ネパール、クロアチア、コソボ、スイス、ドイツ、フィンランド、オーストリア、バーレーン、アンゴラ、ガーナ、ケニア、ナイジェリア、ナミビア、ブルキナファソ、ベナン、ボツワナ、マラウイ、モーリタニア、モザンビーク、リビア、リベリア、レソト、エクアドル、グアテマラ、ドミニカ共和国、パナマなどがあり、こんなにも多くの大使館が数年足らずで一斉に動いたのは初の事態です。

また、東京から離れているのは大企業も同じで、今までは東京に多くのメーカーが集結していたモーターショーも、名古屋の方へ移動。アメリカの自動車企業上位3社は1社も東京のモーターショーには出展しませんでしたが、名古屋のモーターショーでは全部が出展しました。
国内メーカーも日立が本社機能の一部と日本の従業員を海外移転させることを決定しており、大企業や各国政府レベルでは東日本離れが着実に進んでいるのです。

文科省の公開している放射能汚染地図を見てみると、西は静岡県や長野県付近、北は青森県付近までかなり濃い放射能が広がっているのが分かります。各国政府や大企業が離れていっている場所もこのエリアと一致しているため、一連の東日本離れは福島原発事故による放射能汚染が原因だと言えるでしょう。


☆一時閉鎖・移転している東京の大使館情報
URL http://matome.naver.jp/odai/2130093029856737001
引用:
●外務省広報による一次閉鎖・移転した大使館の一覧

アジア: ネパール
欧州: クロアチア、コソボ、スイス、ドイツ、フィンランド、オーストリア
中東: バーレーン
アフリカ: アンゴラ、ガーナ、ケニア、ナイジェリア、ナミビア、ブルキナファソ、ベナン、ボツワナ、
  マラウイ、モーリタニア、モザンビーク、リビア、リベリア、レソト
中南米: エクアドル、グアテマラ、ドミニカ共和国、パナマお気に入り詳細を見る
●詳細がわかった大使館
スイス大使館
一時的に大阪に移管。

大阪府大阪市北区梅田3-3-20 明治安田生命大阪梅田ビル14階
06-4797-2399
http://www.eda.admin.ch/eda/ja/home/reps/asia/vjpn/embjpn.html

ドイツ大使館
大使館業務を一時的に大阪・神戸の総領事館に移管。

大阪市北区大淀中1-1-88 梅田スカイビル タワーイースト35F
06-6440-5070
http://www.tokyo.diplo.de/Vertretung/tokyo/ja/Startseite.html

フィンランド大使館
3月19日より広島に業務移管。

広島市中区鶴見町2-19
http://www.finland.or.jp/Public/

浜岡原発:県民に「考えて」 県議らがDVD1000枚製作 /静岡

2013-12-23 15:12:47 | 原子力関係
浜岡原発:県民に「考えて」 県議らがDVD1000枚製作 /静岡
毎日新聞 2013年10月29日 地方版

 県議や市町議員による超党派の「原発・新エネルギー検討勉強会」は、中部電力浜岡原発(御前崎市)の現状などを説明したDVD「浜岡原発の今とこれから」を1000枚製作した。今後各議員が集会などで活用するほか、希望があれば無償提供するという。

 東京電力福島第1原発の事故を受けて発足した同会が発案し、原発設計の経験もある元沼津工業高専特任教授の渡辺敦雄氏が監修した。約15分間で、浜岡原発の立地の特性や断層の問題などを示し、なぜ危険と言われるか解説している。

 同会の呼びかけ人代表、天野一県議は「多くの県民に見てもらい、一緒に浜岡原発の問題を考えたい」と話している。問い合わせは天野県議事務所(054・266・3343)へ。【平塚雄太】

<福島原発>汚染水タンク 期日優先ずさん工事 作業員証言

2013-12-23 15:02:46 | 原子力関係
<福島原発>汚染水タンク 期日優先ずさん工事 作業員証言
毎日新聞 12月23日(月)9時7分配信
 ◇「さび止め不十分、基礎でこぼこ。また漏れる」

 8月に東京電力福島第1原子力発電所の地上タンクで大量の汚染水漏れが見つかった問題で、タンクの設置作業に携わった沖縄県うるま市の上地剛立さん(48)が毎日新聞の取材に応じ「現場はとにかく『早く、早く』という雰囲気だった。タンクのさび止めは不十分でコンクリートの基礎もでこぼこだった」などと証言した。東電や元請けの大成建設は施工不良を否定するが、上地さんは「作業環境や労働条件を改善しないと、また汚染水漏れが起こるのでは」と警告している。

 上地さんは沖縄県で求人広告に応募し、大成建設の孫請け業者の作業員として昨年6~12月に派遣された。現地では、汚染水漏れが起きたH4エリアの隣のH3エリアなどで、水漏れしたのと同じ「フランジ型」と呼ばれるタンクの組み立てやコンクリートの基礎を打つ作業に従事した。

 フランジ型は鋼材に樹脂製の止水材を塗りながらボルトで組み上げていく簡易タイプ。上地さんによると、鋼材の接合部にさびが発生すると止水材がはがれて水漏れの原因になるため、さび止め処理をする。だが、さびを落とさないまま組み立てる作業員がいたり、雨や雪の中で塗ったさび止めが溶け出したりした。ボルトや接合部の油分の拭き取りが不十分で、止水材が密着しなかった可能性もあるという。

 また、基礎のコンクリートを打つ際、表面を平らにするため通常は大型の定規を使うのに、現場では小型のコテでならすだけで凹凸ができることが多かった。その上にタンクを組み上げると、土台の足元に指が入るくらいの隙間(すきま)ができた。コンクリートを扱った経験もある上地さんは現場の班長に問題を指摘したが、「どうせ上は聞いてくれないから」と取り合ってもらえなかったという。

 汚染水漏れの原因を巡り、東電は今年10月、原子力規制委員会に「気温変化による接合部の熱膨張や収縮、水圧などにより止水材が徐々に落下したため」と報告している。

 毎日新聞は▽タンクの止水処理は十分だったか▽さび止めの施工が不良だったのではないか--など12項目について東電と大成建設に文書で質問。東電は「事前に水張りをして漏えいがないか確認している」(広報部)、大成建設は「施工および施工管理については適正に行っている」(広報室)と答えたが、各項目に対する回答はなかった。

 上地さんは「工期が最優先され、さび止めをきちんとやろうとすると『そこはもう終わっているだろう』と言われた。周りの作業員は詳しいやり方を教えられず、見よう見まねで慣れない作業をしていた」と話している。【前谷宏】

イ病土壌汚染対策 福島に 丸茂・富大教授「応用可能」

2013-12-23 14:59:15 | 原子力関係
イ病土壌汚染対策 福島に 丸茂・富大教授「応用可能」

2013年12月22日中日


地中の放射性セシウムの分布を発表する丸茂教授=21日、富山市の富山大で

 福島第一原発事故による放射能汚染についてのシンポジウムが二十一日、富山市の富山大であり、富山大大学院の丸茂克美教授(理学)が、富山県・神通川流域のイタイイタイ病(イ病)発生地域で行われたカドミウム汚染地の土壌復元工法が、福島の汚染地対策にも応用可能とする研究結果を報告した。
 神通川流域の農地では一九七九(昭和五十四)年度から三十年余にわたり、鉱山から出たカドミウムで汚染された土をはぎ取り、深い穴を掘って埋める復元工事が行われた。
 丸茂教授は、その際に一時期、米国や中国の核実験で微量に降下したセシウムも一緒に埋められたと指摘し、その時期に該当する一九八一年に地中に埋設されたセシウムの現在の分布を学生とともに調査。その結果、セシウムが地中の深さ七十五~百五センチの間にだけ存在し、周囲や地表には拡散していないことが分かったという。
 報告で丸茂教授は「地中に埋設された放射性セシウムは三十年以上の間、地中を移動していないといえるのではないか」と解説。「カドミウム対策を経験した富山は、福島に協力できることが多いはずだ」と述べた。
 一方で、放射線量が一〇万ベクレル以下の土壌や廃棄物は処分場で土に埋めて処理できるが、周囲の土壌や地下水にセシウムが拡散する危険性が指摘されている。
 シンポは富山大が主催。弘前大や福島大などの研究者が放射能汚染の現況などを説明した。 (豊田直也)
再掲